猫が喘息になったときの症状は?原因や治療法、予防法について

猫が喘息になったときの症状は?原因や治療法、予防法について

概要

  • 猫は喘息になると咳、くしゃみ、呼吸困難、嘔吐がみられる
  • アレルギーやストレスなどが原因となって発症し、症状の対症療法で治療する
  • 喘息の原因から遠ざけたり、環境の掃除、サプリの使用などで予防

猫が喘息になると、発作的に咳をしたり、呼吸困難になったりします。とても苦しそうで見るのも辛いですが、猫の喘息は、どのような原因で起こるのでしょうか?また、猫が喘息になった時の症状、またその治療法、予防法についてご紹介します。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

猫が喘息になった時の症状

口を開けている三毛猫
  • くしゃみ
  • 呼吸困難
  • 吐く(しぐさ)

猫が喘息になると、咳、くしゃみ、呼吸困難、吐く(しぐさ)などが見られます。

喘息は、気管支が突発的に収縮することで、発作的に咳などが起きます。この咳は、猫が普段よくする毛玉を吐く時の咳とは違うので、飼い主さんが聞けば、猫の異常にすぐ気づけるでしょう。

猫が喘息になるとつい先ほどまで元気でいたのに、急に呼吸がつらそうになって、音をたてて息をしたり、咳が出たり、くしゃみをしたりします。

咳をする時には、頭を下げて前に突き出してケホケホと息を吐き、その間にゼーゼーと音がすれば喘息だと考えられます。

また、吐く仕草をしますが、何も出ない、といったことも見られることがあります。

喘息により咳をした後にしばらくして、何事もなかったようにしている軽い症状の場合もあれば、毎日咳をして、息をするのも苦しそうにする場合もあります。

呼吸困難がひどくなると、酸素が足りなくなって口の中が紫色になる、チアノーゼという状態になってしまうこともあります。さらにひどくなると呼吸不全に陥って、命にかかわることがあります。

猫が喘息になる原因

診察される猫
  • 食べ物のアレルギーによる喘息
  • 食べ物以外のアレルギーによる喘息
  • ストレスによる喘息
  • 季節によるものによる喘息
  • 冷たい空気を吸う

喘息の原因としては、食べ物などのアレルギー、薬物によるもの、ストレス、または花粉やホコリなど季節によるものが考えられます。

これらが喉の粘膜を刺激することで、気管支が収縮して気道が狭くなったり、炎症を起こしたりします。

食べ物のアレルギーによる喘息

食べ物のアレルギーは、魚、鶏肉、豚肉、牛肉、乳製品、穀物(小麦、大豆)など、様々なものが考えられます。

もちろん、全ての猫にアレルギーが現れるわけではありませんし、どの食ベ物にアレルギー反応を起こすかにも個体差があります。やや、シャム猫が喘息になりやすい傾向があるということです。

食べ物以外のアレルギー

食べ物以外のアレルギーでは、ダニやフケ、殺虫剤、掃除機からのホコリ、また殺虫剤や肥料、花粉などがあります。

ストレス

猫がストレスや不安を感じた時や、運動した時でも喘息を起こすことがあります。

季節によるもの

その他、季節が関係している喘息もあります。といっても、たとえば冬であれば暖房によりハウスダストが舞うためとか、春であれば花粉のためなど、何らかのアレルギーで起こる可能性が高いと言えます。

冷たい空気を吸う

猫の喘息はアレルギー反応以外で考えられる要因もあります。冷たい空気を吸うことでも喘息になることがあります。他には、何かの粉末、煙などの吸引や感染症です。

猫が喘息になった時の治療法

診察される白い猫
  • 気管支拡張剤
  • 抗炎症剤
  • ステロイド剤
  • ネブライザーでの吸入

喘息の治療法には、まず症状の対症療法があります。咳を止めるために、気管支拡張剤や抗炎症剤、ステロイド剤の内服をします。ステロイドは内服薬のほか、ネブライザーという吸入器によって吸入する場合もあります。

猫が呼吸困難になっている場合

喘息の発作で呼吸困難になっている場合には、入院して、酸素吸入や点滴の措置が取られることがあります。呼吸困難になっていたら、すみやかに動物病院へ連れていかなくてはなりません。

喘息はすぐ治ると思って放置していると、命にかかわる状態になる可能性があります。

薬を処方された場合は、喘息が起こらないようにきちんと飲ませる、ということも大切な治療です。飼い主さんが勝手に判断をして、途中で飲ませなくなることのないようにしましょう。

薬物による喘息

薬物が原因の場合には、動物病院に早く連れて行き、その薬物を獣医さんに伝え、適切な処置をしてもらいます。実物を持っていくとさらにわかりやすく、治療の助けになります。

季節による喘息の場合

  • 換気
  • 花粉が入らない対策

猫の喘息が花粉やホコリなどが原因と考えられる場合には、換気をしたり、逆に花粉が入らないように対策をしたりということが、喘息の治療につながります。

病院で治療をした後、同じ環境にいると再発してしまいますので、ちゃんと対策を取る必要があります。

喘息の完治

喘息の治療においては、完治するのが難しいと言われています。喘息が重症化する前に病院で適切に診てもらい、早めに治療をすることが大切です。

喘息は完治が難しくても、咳を減らして、重症化することを防ぐことは出来ます。そのためにも喘息の早期発見がとても重要です。

猫が咳をする喘息以外の病気

  • 猫風邪
  • 心疾患
  • 肺炎
  • 気管支炎

また、猫が咳をすることで考えられる病気は、猫風邪、心疾患、肺炎、気管支炎などです。動物病院に行くことで、喘息以外の病気を見つけられることもあります。

猫が喘息にならないようにするための予防法

くしゃみしているような子猫

喘息の原因から猫を遠ざける

予防するには、喘息を起こす原因のものを突き止めることがいちばんです。

アレルギーから喘息になっていると考えられる場合には、アレルギーの元となっている物質を特定して、接触を避ける方法があります。

飼い主さんが、猫が喘息を起こした時に触っていたものや環境などを、メモなどして記録しておく必要があります。

アレルギーの原因は特定しにくいので、根気よく観察し続けることが必要です。目に見えない化学物質がアレルギーの原因もありますので、猫が咳をした時の状況も把握しなければなりません。

例えば、壁紙や断熱材などの建材から発生する揮発性有機化合物により、アレルギーが起こっている場合もあります。

化粧品や芳香剤、接着剤など事務用品などが発生源となっていることもあり、家庭にあるものから発生するのでとても厄介だと言えるでしょう。

実際、動物病院で検査をしても、アレルギーの原因を突き止めることは難しいと言われています。

可能性のあるものを見つけて、猫が接触しないように環境から取り除いて行く、という方法を地道にするしかないと言えるでしょう。

その他の喘息予防

その他には、部屋の掃除をこまめにするという地味な方法でも、予防につながります。掃除と併用して、空気清浄機を置いたり加湿器を使ったりすることも予防になります。

また家の中でタバコを吸わない、芳香剤を使わないという方法も実践してみてください。

ストレスを感じさせないことも予防になるので、よく運動出来るように、キャットタワーを置いたり、おもちゃで遊んであげたりするなどしてあげましょう。

喘息予防にサプリメント

喘息予防に、犬猫用のサプリメントが販売されています。服用することで、猫の基礎体力を高めて、喘息になりにくくする効果を期待する、というものです。

もともと猫が持っている能力を高め、体力をつけ、体調を崩しやすい猫の体質を改善するという目的もあります。

必ず喘息にならない、というサプリではありませんが、獣医さんにも相談して、服用をしてみるという方法もあります。

環境を整えると同時に、猫の健康にも気を使うということが、喘息の予防につながるでしょう。

まとめ

口をあけている猫

猫の喘息に気づいたら、早めに動物病院に連れて行きましょう。早期発見で、早めに治療にとりかかることが大切です。

治療で喘息を完治させることは難しくても、症状を押さえたり、出にくくしたりすることが出来ます。飼い主さんが出来ることは、可能な限り清潔な環境を作って、咳などの発作が起こらないように努めることです。

猫の喘息の多くは、咳などをしても30分ほどでおさまり、その後は普通にしていることが多いとされています。そのために注意して観察していないと、猫の不調に気づかない可能性もあります。わずかな変化に気づけるように、普段から猫の行動にできるだけ注意してあげてくださいね。

投稿者

30代 女性 ひなた

うちの猫ちゃんは喘息がひどかった時期があります。
ストレスからくる喘息でしたが、アレルギー検査をしました!幸い、何もアレルギーはなかったのですが、その時期に住居が変わったりしたのでストレスがかかってしまったようでした。
来客も増えていたことも要因だと言われましたので、来客をないようにして、友人とは外で会うようにして部屋の中は、安心できる場所にしてあげることにしました。すると、咳も減りまして元気になりました。とても、安心しました。定期的に、アレルギー検査は受けるようにしようと思い、毎年血液検査をしてもらっています。
投稿者

女性 匿名

うちの猫(雌6歳半)は3歳の時に喘息と診断されました。
たまに咳をしていてもすぐに治まるので(猫も咳をするんだ~何かむせる様な事があったのかな?)と思っていたら、ある日突然口で呼吸をしだしたので、慌てて動物病院に連れて行きました。
レントゲン等を撮りステロイドの注射でその時はすぐに治まり、それから2.3ヶ月位に発作が出るのでステロイドの注射を打っていました。
うちの猫の場合は咳はあまり出ずお腹がペコペコ動く努力呼吸になると病院に連れて行っていました。
病院に行くと暴れる猫(定期的に行っている血液採取が出来なくて先生も苦笑いして次回機嫌が良さそうな時に来て下さいと言われる(笑))ですが、2年前位から病院でのネブライザー治療と自宅で毎日1回(うちの場合)の吸入器でステロイドを吸わせる治療に変更してから発作はあまり出ず、普通に走り回る程元気に過ごせています。
吸入器でステロイドを吸わせる治療が身体に一番負担が掛からないと思いますが、毎日猫は吸わせる時に抵抗して嫌がる事が多いので根気が必要だと思います。
ちなみに吸入器治療が効果あるなと実感したのは治療を始めて1年過ぎた頃です。
提案して下さった先生に感謝しています。

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