猫の腫れや湿疹や水泡は虫刺されかも!
ふと見たら、猫の皮膚が腫れている。湿疹や水泡がある。猫の皮膚に異常があったら、それは虫刺されかも知れません。
暖かくなると、私達人間は虫に刺される機会が多くなりますが、それは猫でも同じこと。虫刺されといっても、虫の種類によって症状も様々です。それぞれに合った対処をしましょう。
虫刺されによる皮膚の症状
腫れる
私達人間の虫刺されで多いのが、蚊。刺されると赤く腫れてかゆみを伴いますね。猫も蚊に刺されると、腫れやかゆみが出ます。人間同様数日で自然に治ります。
ただし、蚊に刺されることでアレルギーを発症する蚊刺咬性過敏症になったり、感染症の危険性もあるので、なかなか刺された痕が治らなかったり、いつもと様子が違う時は動物病院へ連れて行きましょう。蚊以外でも虫刺されは腫れることが多いです。他の症状がないかよく観察してみて下さい。
かゆみ
蚊による虫刺されはかゆみを伴いますが、ダニに刺された時も強いかゆみを感じます。猫に感染するダニにはいくつか種類がありますが、その中でもツメダニは、激しいかゆみを引き起こします。
ツメダニの場合、かゆみの他にフケが出たり、かゆくてかきむしってしまうので、かさぶたになったりします。また耳ダニと呼ばれるミミヒゼンダニは、耳に寄生します。
耳がかゆいので、猫はしきりに耳をかいたり、頭を振ったりします。かくことで、かさぶたができることもあります。猫に寄生するダニの中には人間も刺すものもいるので要注意です。
赤くなる
猫の場合も、虫刺されでは腫れたり赤くなることがほとんどです。かゆみがあるなら蚊やダニ、痛がる様子なら蜂やムカデなどが考えられます。
脱毛
虫刺されで毛が抜けてしまうことがあります。猫では少ないですが、稀にニキビダニと呼ばれるダニが寄生していると脱毛やフケなどの症状が現われます。ニキビダニは顔や頭、首に寄生することが多く、ニキビダニが耳に寄生すると外耳炎を引き起こすことがあります。
ブツブツになる
耳や鼻など毛の薄い部分を蚊に刺されると、赤いブツブツになることがあります。
痛み
蜂に刺されると強い痛みを引き起こします。ムカデは刺すというより咬むという表現の方が適切ですが、ムカデに咬まれても強い痛みを伴います。痛いので、患部を触ると嫌がります。
蜂に刺された場合は、アレルギー反応によるアナフィラキシーショックが起こることもあります。虫刺されに気づいた時、猫がぐったりしたり、嘔吐や呼吸困難があるようなら命に関わることもあるので、早急に動物病院へ連れて行きましょう。
虫刺されが疑われる時の対処法と予防法
薬を使う
猫が蚊に刺されてかゆがる時は、虫刺されに効く薬を塗ってあげてもいいでしょう。ただし人間用のものは使わないようにしてください。はいっている成分が猫には強すぎたり、体調を悪くさせたりしてしまう可能性があります。
獣医さんに相談して使うか、動物病院で処方してもらった方が安心ですね。ただ、蚊による虫さされなら、かきむしって出血するほどでなければ、何もしなくても大丈夫です。
ダニを駆除する
猫ダニに刺されたら、薬で駆除・予防するのが効果的です。猫のダニ駆除剤は市販品もありますが、動物病院で処方してもらい、獣医さんの指導の下で使用することをおすすめします。理由としては市販品は医薬品ではないため効果があまりないからです。
室内も、絨毯やカーペット、畳はダニの温床になりやすいので入念に掃除をしてダニを予防しましょう。家具の下や部屋の隅も要注意です。布団や枕もこまめに干しましょう。
毒を洗い流す
蜂に刺されたことが明らかな場合、蜂の針が体内に残っていることがあります。できれば、毛抜きなどで針を抜き、患部を流水で洗って毒を洗い流します。その後氷などで患部を冷やして下さい。
猫が暴れてうまくできない時は、動物病院でやってもらいましょう。また、ムカデに咬まれた場合、ムカデの毒は熱に弱いので、猫ちゃんには難しいかもしれませんが、43~46℃程度のシャワーで洗い流して下さい。
虫刺されの原因を特定しやすくする
虫刺されといっても、猫を刺す虫には多くの種類がいます。飼い主さんが虫が刺す瞬間を見ていない限り、何の虫に刺されたか特定するのは困難です。
ただ、虫刺されが起きた状況から、ある程度の予測はつきます。どこにいる時に刺されたか、その時猫が何をしていたかなど、動物病院に行く場合は、虫刺されが起きた状況を獣医さんに説明できるようにしておきましょう。
外に出さない
家の中にいても虫に刺されることはあります。それでも外へ行く猫に比べたら、虫刺されの機会はずっと少なくなるはずです。できれば猫は完全室内飼いにして虫刺されを防ぎましょう。
虫刺されと勘違いされやすい皮膚病
アレルギー
虫刺されのように皮膚に症状が現われるアレルギーには、ノミアレルギーや食物アレルギーがあります。ノミが寄生した場合、多くの猫は皮膚が赤くなってかゆがりますが、ノミに対してアレルギーを持っている猫では症状が重くなります。
発疹や強いかゆみの他、脱毛が見られることもあります。ノミアレルギーの症状は、背中に多く見られます。食物アレルギーでは、発疹やかゆみの他に下痢や嘔吐などの症状が現われることがあります。
舐性皮膚炎
猫が同じ部分を舐め続けることで起こる皮膚炎です。皮膚の異常のこともありますが、皮膚病というよりストレスやなどが原因でおこることも多いです。
猫が舐め続けた部分が脱毛し赤く腫れていまいます。ひどい時は出血したり、皮膚が剥がれることも。骨が見えるまで舐めてしまうこともあります。そうなると細菌感染の危険性もあるので、早くやめさせることが重要です。
膿皮症
猫の皮膚にニキビのような症状があったら、膿皮症かも知れません。膿皮症は、皮膚で菌が繁殖し、化膿してしまった状態です。膿皮症は、猫の皮膚の常在菌である黄色ブドウ球菌が異常に繁殖することで発症します。
猫ではまれですし、健康なときには害はありませんが、免疫力が低下した時などにかゆみや発疹が起こります。患部をかいてしまうことで、出血やかさぶたも見られるようになります。
まとめ
猫も、私達人間と同じように虫に刺されます。そして同じように腫れたり赤くなったりするのです。虫の種類によってかゆみや痛みがあります。
飼い主さんが虫刺されの瞬間を見ていることはほとんどないと思うので、何の虫刺されか特定するのは難しいですが、症状によってある程度予想がつきます。
虫刺されは、自然に治り、心配ないことが多いですが、アレルギーや感染症を引き起こすこともあるので、注意しましょう。ダニなどは、きちんと駆除しないといつまでも刺され続けることになります。
また、虫刺されかと思ったら、皮膚病だったということも。患部を観察し、他に症状がないかなども確認して、様子がおかしい時は動物病院で診てもらって下さいね。