猫の色の見え方
猫に色は見えているの?
私たち人間のように、たくさんある色が猫には同じように見えているのかと、不思議に思ったことありませんか?わが家の猫を見ている限りでは、どうやら猫も色を認識できている様子。色は見えてはいるようです。けれど、猫は人間よりも色覚の認識が少ないと言われています。
猫が認識できる色は、青色、緑色、黄色、黒色、白色、茶色と言われていますが、はっきりと認識できているのかと言う点に疑問は残ります。
猫の世界感は人間とは違う
猫が見えている色をいくつか挙げましたが、猫から見えている景色の色などは、人間と同じようには見えていないようです。
猫には認識できない色は、グレーっぽく見えていると言われています。また、緑色の芝生や木の色が茶色っぽく見えたり、青く透き通る空の色も、うっすらグレーに近い青色として反映されているようです。赤色は、緑がかったグレーに見えているのではないかとされています。このように、はっきりと鮮明に色が見えている訳ではなく、ぼやっとした色や違った色に見えているようです。
セピア色に見えるのは?
人間には光の三原色(赤・緑・青)を見分ける錐体細胞があります。しかし猫をはじめ多くの哺乳類は、緑と青の二種類の色覚しかもたないそうです。色を区別して見分ける網膜の錐体細胞が、猫には必要とされていないからなのかもしれません。なので、人間が見る景色と猫が見る景色を比べると、くっきりと鮮明に見える人間と、ぼんやりセピア色に見える猫と言う風な違いがでるわけです。
猫の視力と見え方
猫の視力
猫の視力は、0.1~0.2程度で人間よりもかなり悪いと言えます。おそらく、人間の10分の1程度しか見えていないという事になるのでしょう。
視野では、人間は180度で猫は200度と人間より広く、視力が悪いとは思えませんよね。しかし、視野が広くても物が鮮明に見える距離は6mくらいなので、目の前にあるものを逃さないことに特化した視力なのかも知れません。猫が顔を傾けて見るのは、視点を合わせているのでしょう。
夜行性ならではの視力
猫の視力は、夜など暗い所では威力を発揮してくれるようです。明るい所よりも暗い方がよく見えるのです。昼間の視力は人間に負けていても、暗闇では人間の6倍以上だと言われています。夜行性の猫にとっては、暗闇に強い視力が備わっているのでしょう。
猫は錐体細胞が少ない代わりに、桿体細胞を多く持ちます。明暗の認識をする桿体細胞が多いことで、暗闇で白色と黒色がよくみえるようになります。 色の識別が苦手な猫でも、桿体細胞が暗闇で働けば生活に問題はないのでしょう。
動体視力はずば抜けている
猫の視力の中で、特に人間に負けないのは動体視力です。猫の動体視力は、人間の約4倍以上も動くものを認識でき、動くものに対して見える距離もぐんとあがるのだとか。
猫には、停止している状態や動きの遅いものより、素早く動いている状態のものがよく見えるということなのかもしれません。わずかな動きに反応したり、見逃さないのはずば抜けた動体視力があるからなのですね。
まとめ
猫の視力や色の見え方についてご説明しました。猫は視力がよくないと言われていますが、猫が不自由なく生活できるように目の構造はつくられています。たくさんの色が識別出来なくても、昼間に弱くても平気なのは、夜行性ならではの目の構造になっているからなのでしょう。色が見えなくて困っていると言うことはないので、安心して下さい。ハンターを主とする猫には、何色でも関係なく狩りを成功させられる、桿体細胞と動体視力が備わっていると言うことなのでしょう。