振り幅の大きい三毛猫の伝承
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三毛猫と言った時にすぐ思い浮かぶのはどんな猫でしょうか。
たま駅長もそうですし南極観察船に乗って行ったタケシもオスの三毛猫でした。オスの三毛は幸運を呼ぶと言われ、船乗り達が船に乗せたがったのは有名な話です。
オスではありませんがたま駅長のエピソードにも、船に乗せたいから譲ってくれと漁師に言われたというものがあります。
しかし手ぬぐいを被って「ねこじゃねこじゃ」を踊る化け猫の絵も三毛です。鍋島騒動の猫は違うようですが、徳島県のお松大権現の化け猫は三毛猫です。
その一方で招き猫のモデルには三毛猫が多く使われます。なぜなのでしょうか。
三毛猫の性格と性質

今日のねこちゃんより:りんちゃん / ♂ / 10歳 / 三毛猫 / 3.7kg
その理由の一つに、三毛猫の性格に由来するものがあると思われます。三毛猫はほとんどがメスなのでメス猫の性格とも言えるかもしれません。三毛猫の性格はこんな風に言われています。
- 気まぐれ
- 賢い
- きつい
- 意外と甘えん坊
- 母性が強い
これらのことから三毛猫にいわゆる猫らしい猫との感想を持つ人も多いようです。
気まぐれに甘えてきて不意にいなくなる、思ったより賢くて予想外のことをしでかす。そんなところが強調され、猫の持つミステリアスな部分を一手に担う役割になったのではないでしょうか。
また猫は太っている時と痩せている時の印象がかなり違います。太って満足げにしている時は本当に福福しくなり、野良で痩せて目つきが鋭い時は、夜道などで会うととても視線が怖かったりします。
そんな二面性のある猫の魔力を表す代表としての三毛猫と、その大変猫らしい性格が一緒になり、三毛猫には良い猫と悪い猫の両方の性質を持つ様々な伝説や逸話が伝えられるようになったとも考えられます。
病気による三毛猫の性格の変化
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以前、尻尾の短い三毛猫を飼っていました。
普通の猫だったのですが十歳を越えたあたりから段々と性格がきつくなっていき、通りすがりに同居猫に意味もなく猫パンチをしたりするようになりました。
後ほど鼻水が出るようになって動物病院にかかったところ、鼻炎のほかに甲状腺亢進症の診断をもらいました。
甲状腺亢進症の症状として性格がきつくなる、凶暴になる、というのがあります。また高齢の猫に多く発症します。痩せて活動的になりますが落ち着きがなくイライラしていて、顔つきもきつく変わってきます。食欲も増してきていくら食べても足りずに大騒ぎしたりします。
猫又、化け猫というのは古い猫がなる、と言われてきました。
今の野良猫もそうですが、昔の日本でも十歳を越える猫というのはそう多くはありません。また三毛柄は昔から日本では多く、くっきりした模様が好まれて人々に飼われてきました。
飼い猫が化けて飼い主を食い殺す、祟るという昔話が多いのは、もしかしたら飼われて長生きをした三毛猫が甲状腺亢進症を発症して凶暴化したことからきたのかもしれません。
まとめ
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三毛は化ける、ともよく言われます。尻尾の長い三毛は猫又になるとも言われました。実際三毛猫を飼っていましたが、他の猫にはないような不思議な出来事があったこともありました。
ただそれ以上に賢くて対人スキルの高い猫だったように思います。年を取ると教えもしないのに芸をし、動物病院では診察の時に一丁前に先生に文句を言っていました。化けたのか化けていないのかいまだに分かりませんが、とても印象深い猫だったのは確かです。