ニキが我が家に来るまで
動物愛護団体に救出されたニキ
ニキは救出される直前、もうすでに保健所の処分機のなかにいました。それが動物愛護団体の方によって、奇跡的に助けられたのです。
生後1ヵ月にも満たない、兄弟で助けられた子猫。
その情報は、愛護活動をしている方と知り合いであった私のもとに届きました。
どのようして里親になったのか
ニキの情報を耳にしたのは、18年間一緒に暮らした愛猫を亡くした1年後のことでした。
「また猫と暮らしたい」と思っていた私に届いた子猫の情報は、落ち込んでいた私の心を微かに明るくしてくれたのです。
知り合いのもとに面会に訪れた私は、救われた子猫の兄弟をみて「この子がいい!」と直感で感じ、ニキを家族に迎え入れることにしました。
お世話が大変だった子猫時代
我が家に来たのは、ニキが生後1ヵ月になったばかりの頃でした。
離乳が始まるどころか、まだ自らミルクを飲むこともできないような小さな男の子。
私は猫の飼育経験はありましたが、授乳中である子猫をお世話するのは初めてだったので、大変なことも多くありました。
最初はなかなかミルクを飲んでくれず、どうしたらいいかと悩んだりもしました。
また、ある時は嘔吐と下痢が止まらず、急いで病院に駆け込むと低体温症になっていたこともあり、子猫をお世話する大変さを身に染みて感じる出来事もありました。
試行錯誤しながら経験を積むことで、ニキも私も共に成長することができたと思います。
心の穴を埋めてくれた猫の存在
大変だった子猫時代を乗り越え、ニキはすくすくと成長しました。
先代の猫を亡くし、悲しさと寂しさでぽっかりと空いた心の穴が、少しずつ埋まっていくのを感じました。
ニキは私に笑顔を取り戻してくれ、何もない毎日に「幸せ」を与えてくれました。怒ったり、病気の心配をしたり、大変なことも沢山あります。
しかし、ふとした瞬間に、そこに猫がいる。それだけで私は安心した気持ちになり、「猫がいて本当によかった。」と思うのです。
現在はトラブルメーカー、それでも愛おしいニキ
ミルクさえ自分で飲めなかった小さなニキは、いまでは我が家の猫社会におけるトラブルメーカーです。
他の猫にちょっかいを出すこともしばしば……。
「だめだよ。」と叱るものの、ニキは「なにが?」というような顔をして、いつも私を悩ませます。
成長した現在でも、ニキには振り回されっぱなしの私ですが、愛おしいという気持ちはずっと変わりません。
私にとって、猫と関わる時間は何ものにも代え難い特別なものです。
ニキは今でもそれを私に教えてくれる大切な人生のパートナーです。
まとめ
ニキは人間に一度見放された命でしたが、再び人間の手によって助けられました。
今では猫の恩返しと言わんばかりにたくさんの幸せを運んでくれています。
どんなに小さな命でも、人間の身勝手で消える命はあってはなりません。
「消えていく命があるということ、愛護団体などそれを助ける人たちがいるということ、その助けられた子たちが人間の心を癒すこと」を知っていただき、多くの人の関心を寄せることで、それが不幸な猫たちの救出に繋がることを願っています。