譲渡会に参加している保護猫さん達
譲渡会当日の保護猫さん達の様子
譲渡会に行くと、首にかわいいリボンやシュシュをつけ精一杯のお洒落をした保護猫さん達が、ケージの中から見学者達を見つめています。
その様子はさまざま。
- ド緊張の様子で固まっている子
- その場にいられない程パニックになっている子(あまりに激しくパニックしていると途中でケージに布をかけられていることも多い)
- シャーシャー威嚇している子
- 物怖じせずじゃれついてくる子
- 熱い視線を送ってくる子
- 迷惑そうにずっと寝ている子
- 「誰か~」とニャンニャン必死に鳴いて猛アピールしてくる子
- いじけている子
- ずっと寝ている子
保護主さん達のお話
猫さんを抱っこさせて頂く時に保護主さんと会話しますが、その時によく保護主さんが仰っているのは、いつもの姿とは違うということ。
「普段はやんちゃなのに、今日は猫かぶっておとなしく抱っこされています」とか「本当は甘えん坊でかわいいんですけど・・シャーシャーすごいですね」とか「こっち向いてくれませんね~慣れると人懐っこいのですが」等々。
譲渡会当日の保護猫さんの姿は、その猫さんの日常の姿とは大きく違うことが多いので、そのあたりも含め広い心で保護猫さんを見てあげられると良いですよね。
譲渡会当日の保護猫さん達の気持ち
不安「怖いよ」
どこに連れて来られてしまったのだろう、見たこともない大勢の人達、突然ケージから出されて知らない人に抱っこさせられたり、ドキドキ、ビクビク、シャーシャーしています。少しでも怖い思いを減らしてあげられるよう大きな動きや声は控えて、抱っこさせて貰う時は優しい声掛けをするなど気遣ってあげましょう。
やさぐれ気味?
譲渡会に参加しても参加しても、おうちが決まらない子もたくさんいます。まわりの猫さん達が次々とおうちが決まって引き取られていくシーンを見て、人間が思う以上に何かを感じている猫さんもたくさんいます。
すっかりすねてしまったり投げやりな雰囲気を漂わせていますが、やさぐれ風味の少し渋い猫さんだって、本当は優しい飼い主さんに甘えてみたいはず、そんな猫さんが気になる時は、ケージの前で立ち止まってご縁を確かめてみてくださいね。
必死の猛アピール!
自分から、新しいおうちに行くんだ!と強い意気込みが感じられる猫さんもいます。その姿が必死過ぎて、決まらない譲渡会が続くといずれやさぐれチームになってしまわないかと心配です。
自分からアピールしなきゃと、熱い視線で必死にニャオンニャオン。猫さん自身も頑張ってご縁探ししていますので、その鳴き声が気になった時は立ち止まって、自分に向けられた声なのかどうか心で聞いてみてあげてくださいね。
気力なし諦め?モード
幸薄い経験や決まらない譲渡会が度重なって、猫さんなりに悟りを開いてすっかり諦めてしまっている風の猫さん達もいます。
でもその気持ちのまま一生を終えてしまうのはかわいそう。そんな猫さんを幸せにしてあげませんか?あなたの愛情を一身に受けた猫さんは、きっと良いパートナーになってくれるはずです。
猫の譲渡会に勝ち組負け組があってはならない
品評会ではないのだから
確かに愛らしいルックスの猫さんは目にとまりやすいですしキュンキュンきます。でも譲渡会当日は緊張や不安でいつものかわいらしさが発揮できていない猫さんもたくさんいます。
大人の猫さんも、少し障害のある猫さんも、柄が個性的すぎる猫さんもみんな、暖かなおうちで優しい飼い主さんと一緒に幸せに暮らせることを夢みているはずです。
外見は個性、過去はその子が頑張ってきた歴史、広い視野で慈しみの心で包み込んであげてくださいね。意外な子が運命の猫さんかもしれません。
猫からのテレパシーをキャッチして!
思い描いてた猫さんとは違う猫さんが、あなたにテレパシーを送っているのに気が付くかもしれません。ご縁は不思議です。思い込みを持たずに受け入れてあげて、この子に会えてよかったと出会いを楽しんでください。
真っ先に選ばれるタイプではないから真っ先に選んであげたかった
我が家の愛猫も譲渡会で結ばれたご縁でした。2か月半の子猫でしたが柄もかなり個性的で、まだ子猫だけれど嫁ぎそびれてこのまま大人になってしまったら、きっとなかなかおうちが決まらないだろうと思いました。
寂しそうな顔をしていました。元飼い主に捨てられて3日後の譲渡会デビューだったそうですので、寂しそうな様子も無理もありません。
柄は黒白ハチワレの顔の真ん中に大きなしずく模様があり、両手には黒い肘あてマーク付き、片足には水玉、身体はタキシード、脇にはリボンの模様(角度によってはハート型にもなる)、いろいろ盛り込み過ぎてしまった感はありますが、欲張りで世界に一つだけの素敵な柄です。
理由はないけれど、何かテレパシーみたいなものが通じ合って目にとまったあの感覚を大切にしてよかったと思います。里親になって半年、劇的ビフォーアフターで日々良い変化を遂げて、幸せそうにしている様子を見られるのも、里親冥利に尽きますよね。
まとめ
元保護猫だった我が家の愛猫の満足そうな様子やご機嫌な表情、幸せそうな寝顔を眺めていると、この子の里親になれてよかった、辛い思いをしたからこそ誰よりも幸せになっても貰いたいと心から思います。
かたやこんなに穏やかで幸せそうなのに、愛猫と同じ譲渡会に参加していた子が、その頃里親募集していた子が未だおうちが決まっていないのを知るととても心が苦しくなります。
譲渡会で猫さんを選ぶ時は、外見に囚われずに猫さんの様子や態度の裏側にある気持ちや背景も理解してあげたうえで、ご縁探しをしてみることをおすすめします。
遅れておうちが決まる猫さんもいると思いますが、「待った甲斐があった」と素敵な里親さんに巡りあえることを心からお祈りしております。すべての保護猫さんに幸せが訪れますように・・・