猫と一緒に避難するために準備しておくべきこと
日頃から猫の健康を管理しておく
避難所生活では、人間はもちろん、猫や他の多くの動物たちが限られたスペースで過ごすことになります。環境の変化によるストレスや体力の低下などから、様々な感染症が広がることが考えられます。万が一の事態に備え、日頃から感染症対策のワクチン接種、ノミやダニなどの寄生虫対策をしておきましょう。
マイクロチップの装着
避難時に飼い主さんと猫が離ればなれになってしまうと、動物愛護センターなどに保護されたり、迷子になって二度と会えなくなったりする可能性があります。多くの動物愛護センターでは、1週間の間に飼い主さんが見つからなければ殺処分する決まりとなっています。
動物愛護センターで保護された猫は、まずマイクロチップからの情報を読み込み、飼い主さんの元へ帰れるよう対処しています。迷子になった猫が無事に家に帰ってこられるよう、マイクロチップの装着を多くの自治体で推進しています。
ケージやキャリーに慣れさせる
猫との避難所生活では他の人に迷惑をかけないことや、不用意に他の動物と接触しないように気をつけなければいけません。そのためには猫専用の居住スペースとなるケージや移動に使うキャリーを準備しておく必要があります 。
しかし、ケージやキャリーでの生活に慣れていない猫はストレスを感じやすいと言われています。いざというときに猫が嫌がって暴れてしまうと、飼い主さんも避難どころではなくなってしまいます。
そういった事態をさけるためにもケージやキャリーを部屋に置き、その中が安全な場所だと猫に認識させておくことが重要です。猫が自分の匂いで安心できるよう、お気に入りのおもちゃなどを入れるのも良いでしょう。
猫と一緒に避難するために準備しておきたいグッズ
災害時、猫との避難では持っていけるものは必要最低限に限られます。環境省が作成し周知を図っている「災害時におけるペットの救護対策ガイドライン」などを参考にしながら、避難時に必要なものを事前に防災用のリュックに備えておきましょう。
猫壱「ポータブルケージ」
避難先で長時間過ごすことを想定した、避難用ケージのおすすめは、猫壱のポータブルケージです。子猫なら3~4匹、大人の猫でも2匹が余裕で過ごせるよう、ゆったりとした作りになっています。
水洗いに対応した本体は小さく折りたたんで収納することもでき、フリースマットやキャリー、トイレを一緒にまとめて入れられる収納袋も付属しています。避難所では猫と別の場所で過ごす可能性もあり、飼い主さんが知らない間にケージを移動されてしまうことがあるかもしれません。
たくさんあるケージの中から見つけやすくするためにも、上部についている表札に名前や住所を記入することをおすすめします。
Pettomペットキャリー
商品情報
・調節ベルト付き、ペットの座り心地を確保した底部
重い猫を連れて避難することは容易なことではありません。そこで活躍するのが、運びやすい形状をしたリュック型Pettomペットキャリーです。本体は折りたたみが可能で、リュックベルトは大幅なため背負いやすく、メッシュ加工により通気性にも配慮された作りとなっています。
また底部は崩れないよう改良されており、猫が過ごす空間がしっかりと確保されています。安全性にもこだわり、猫の飛び出しを防止するためのリードがキャリーの中についているので、災害時にもおすすめです。
キャリーバッグにはリュック型や斜めがけタイプなど様々な形のものが売られています。キャリーを持った状態でも他の荷物が一緒に持ち出せるよう、できるだけ手が空くデザインのものを選ぶことが大切です。
おでかけ猫トイレ
「おでかけ猫トイレ」は避難グッズとして持ち出して使えるよう、移動に便利な取っ手がついた猫のトイレです。本体にはフタが付いているので、5~8リットルの猫砂を入れたままでも持ち運びができます。また内側は撥水加工になっていますので、お手入れも簡単に済ませることができるというメリットがあります。
避難先で困ることの一つに挙げられるのが猫のトイレです。猫は自分が落ち着くところでしかトイレをしない習性があるので、避難時のポータブルトイレでは、猫を慣れさせる必要があります。日頃からポータブルトイレを使わせるなど、災害時でも使えるよう慣れさせておきましょう。
ジョイペット天然成分消臭剤オシッコのニオイ・汚れ専用
人の多い避難所では、猫のおしっこやうんちの臭いで周囲を不快にさせないよう気を配る必要があります。臭いに慣れている飼い主さんは気づきにくいかもしれませんが、猫の排泄物の臭いは強いので、エチケットとして消臭剤を用意しておくことをおすすめします。
ねことわたしの防災ハンドブック
「ねことわたしの防災ハンドブック」は猫を飼っている方に向けた、避難の際に役立つ防災ハンドブックです。地震などの災害が起こったときに猫がとる行動や応急処置の方法、あると便利な避難グッズについて紹介しています。今日からできることについても書かれているので、いつ災害が起きても大丈夫なように備えておきましょう。
ペット食器FineGood
商品情報
・持ち運び便利なシリコン製のカップ
猫との避難で使う食器は、重いものだと持ち運びが大変です。そのためシリコンや折りたたみができるFineGoodの携帯用ペット食器がおすすめです。猫は警戒心の強い動物なので、避難所などの慣れない環境ではフードを食べないこともあります。
体力や免疫力の低下を防ぐためにも、猫が普段から食べ慣れているフードを最低でも5日分~7日分ほど用意しておきましょう。水分を一緒に取れるウェットフードは避難時には便利なので、密閉しておける保存容器と併せて準備しておきましょう。
猫に与える飲料水は、硬水ではなく必ず軟水を用意してください。ミネラル分の多い硬水を飲料水として与えられた場合、慣れない避難生活も相まって猫がかかりやすい疾患「尿結石」を引き起こす危険性があるので注意しましょう。
umayasu迷子札
商品情報
・1円玉サイズ・500円玉サイズが選べる
・オーダー可能な迷子札
umayasuの迷子札は、飼い猫にそっくりなイラストと名前、飼い主さんの名前と連絡先を入れられるオリジナルカラーの迷子札です。外れにくいダブルキーリングを採用し、長く使えるようサビに強く丈夫なステンレス製となっています。サイズは2種類でイラストは39種類、カラーは5色と豊富に取り揃えています。
避難中の迷子対策としてマイクロチップが難しい場合にはこういった迷子札を装着し、飼い主さんの連絡先の他に「名前、年齢、性別、去勢・避妊済み」など、猫に関する詳しい情報を記した迷子札をつけておくことで、非常時の大きな助けとなります。
その他にも、持病がある猫は普段から服用している薬を、寒さに弱い猫には毛布やタオル、使い捨てカイロなどの防寒対策を必要に応じて準備しておきましょう。また他の動物との共同生活に備え、ワクチン証明書やペットの保険証などを併せて用意しておきましょう。
猫と一緒に避難する際の注意点
猫を落ち着かせる
災害によりパニックを起こしている猫を、まずは落ち着かせてあげる必要があります。そういう時、動き回る猫を捕まえて避難する際に役立つグッズとして、大きめの洗濯ネットがあると便利です。個体差はありますが、洗濯ネットに入った猫は身動きが取りづらい状況になるので、興奮を落ち着かせることができるとされています。
落ち着いたところでそっと抱き上げて、キャリーやケージに戻してあげてください。洗濯ネットに対しても猫がどういった反応を示すのか想定が難しいため、事前に試しておく、または慣れさせておくことをおすすめします。
脱走させない
猫は避難所のように慣れない環境では、人間よりも何倍もストレスを感じてしまいます。猫は不安な状況を避けようと、安全な場所に逃げたがる性質があります。また地震により地面が揺れるなど、突然の事態に驚き恐怖を感じた猫は、その場にじっと固まるか素早く走り去っていってしまうかに分かれるといわれています。
一度逃げてしまった猫が戻ってくる可能性は低く、迷子になってしまうケースが多いようです。持ち物の中には猫をつないでおけるリードやハーネスを必ず用意しておきましょう。リードやハーネスがあれば、窮屈を強いられることの多い避難生活の中でも気分転換に散歩をしてあげることも可能になります。
周りへの配慮
あくまでも人間優先の共同スペースである避難所では、全ての人が猫などの動物に理解があるわけではなく、また中には猫アレルギーを持つ人もいます。猫を避難所に連れて行く場合、不要なトラブルを避けるためにも、周りの人に対し十分に配慮した生活が求められるということを覚えておきましょう。
猫や犬のための避難所になる施設
災害時の避難場所には、市区町村が指定する「避難所」「一時避難場所」「広域避難場所」の3種類があります。
災害の種類や規模に合わせて異なることもありますので、自宅に近い指定避難場所や注意事項、ペット受け入れの可否などについて事前に自治体に問い合わせて確認することをおすすめします。地域の避難訓練に参加するなどして、オリジナルの防災マニュアルを作っておくのもおすすめです。
また避難所で受け入れができない場合にはペットシェルターや動物病院に預けるなどの代替案はあるかなど、できるだけ詳細に確認しておくと安心です。どうしても受け入れ先が見つからないときには車やテントという選択肢もありますが、室温管理が難しいなどのデメリットがあるので、まずは保健所の担当部署などに相談してみましょう。
まとめ
猫と一緒に避難するためには、地震や水害などの災害に日頃から備えておくことがとても重要です。災害はいつ起こるか分かりません。突然起こる災害を予知することは難しいですが、避難先での猫のストレスを少しでも減らすために、飼い主さんは万全の対策をとれるよう心がけてください。