むぎと出会わせてくれたキジトラ猫との出会い
我が家に「むぎ」が来たのは2016年の1月末のことでした。今回は、むぎが我が家に来たときのことをお話します。
その年の1月はじめ、私が仕事から帰ってきたときに、猫の声がしました。気になって見てみると車の下からキジトラの猫が出てきました。その頃、野良猫の知識がなかった私はその猫に餌をあげてしまいました。
キジトラは毎日餌をもらいに来るようになり、飼いたいと思うようになりましたが、主人は「猫は家具で爪とぎをするから嫌だ。」と反対していました。
主人を納得させるため、野良猫を飼う方法をインターネットで検索すると「野良猫に餌を与えるのは無責任な行為。餌をあげたら飼うか避妊手術をするべき」と書いてあるのを見つけショックを受けました。
そして、主人を説得してその子を飼うか、飼い主を探すことを決意しました。
キジトラちゃん「あんこちゃん」になる
飼ってくれそうな人はいないかと考えた時、娘の同級生のお宅が頭に浮かびました。連絡してみると飼ってくれるとのこと。よかった!キジトラちゃんのおうちが決まったのです。
キジトラちゃんは「あんこちゃん」という可愛い名前をつけていただき、今ではママにべったりの甘ったれ猫になっています。
保護猫むぎとの運命的な出会い
あんこちゃんが友達の家に行ってから、我が家は寂しくなりました。そして、家族で話して猫を飼うことを決めたのです。
保護猫のサイトに登録する
飼うならペットショップではなく、保護猫をとネットの里親募集サイトに登録し、一目惚れした茶白の子猫の里親希望に申し込みました。譲渡会へも参加し列に並び始めた頃、里親募集サイトからメールが届きました。
茶白の子猫を保護した方からで、我が家を里親に選んでくださった旨のメールでした。
保護主さんから、「人馴れしていませんがよろしいですか。」とのご心配がありましたが、子育てをするつもりで迎るのを決めていたので、人馴れしていないことは全然気にしていませんでした。
人に怯えて引きこもる保護猫むぎ
子猫を迎えることになり、家族で猫について勉強しました。そしてついに待ちに待った日、小さな子猫が我が家にやってきました。むぎと名付けや子猫はケージの中に入ってうずくまっています。
翌朝に姿を消した猫むぎ!どこへ行った?
むぎを迎えた翌朝、ケージの中を覗くと姿が見えません。柵の間からすり抜けた?こんなに狭いところから?部屋中を探してみると、なんとテレビ台の中にあるDVDの上ですやすや寝ているむぎを発見!
やはりケージの柵の間からすり抜けて出たのです。とりあえず、シーツでケージを囲んで洗濯ハサミで留めてケージから抜け出さないようにし、その日の夜に主人とホームセンターで買ってきた網をケージに張りました。
自分のペースでいいんだよ、むぎちゃん
こうしたハプニングで始まったむぎとの生活。むぎはお外で生まれた子で、野良猫の母猫と餌やりさんのおうちに一緒にご飯をもらいに行っていました。
保護されたとき、むぎはとても痩せていて、人間を怖がって小さな体で威嚇して自分を守ろうと必死だったそうです。引きこもっていたむぎは、少しずつベッドから出てくるようになりました。
ゆっくりでいいんだよ、むぎちゃん。もう大丈夫だから。寒いお外で頑張って暮らしていたね。安心していいよ、ここがむぎちゃんのおうちだよ。怖いことはないよ。毎日少しずつでいいからね、ゆっくり仲良くなろうね。
むぎが来て家族にも変化が
むぎが我が家に来て、家族がむぎ中心になりました。そのとき大学生だった息子は食事が済むとすぐに自分の部屋へ行ってしまっていましたが、むぎの相手をするようになりリビングで過ごす時間が以前より多くなりました。
何よりも、はじめは猫を飼うことに反対していた主人がむぎにメロメロになっています。むぎが我が家に来てくれて、家族の会話が増えたことが一番大きな変化です。
猫の甘噛みとじゃれつきで手足が傷だらけ!
だんだんむぎが心を開いて近寄ってくるようになり、おもちゃで遊ぶようになりました。とても嬉しいことなのですが、困ったことがありました。
それは、私の腕や足にじゃれついて甘噛みし、後ろ足で蹴ってくることです。これは子猫同士の遊びで、喧嘩ごっこをしながら力加減を学ぶための行動です。むぎはケンカ相手がいないので私の腕や足を相手にそれをしてきます。
むぎお姉ちゃんになる。弟猫トムとの出会い
また子猫は目を離したすきに何をするかわからないので、留守番はケージの中でしてもらいます。むぎが一人でケージの中で留守番するのがかわいそうだったことと、猫がこんなに可愛いならもう1匹迎えたいと思うようになりました。
むぎを保護してくださった方にその話をすると、その方のところにオスの子猫がいるというのでその子を迎えることになりました。
キジトラの長毛で尻尾がない男の子、トムと名付けました。むぎに弟ができたのです。むぎ自身もまだ子猫だったのと相性が良かったのでしょう。2匹はすぐに仲良くなりました。
トムが先生?むぎが人間を怖がらなくなってきた
トムも保護猫出身です。公園に捨てられていたところを保護してもらった子です。
しかし、とても人懐こくて初日から抱っこはOKだし、人の背中や肩に飛び乗ってきます。引きこもりだったむぎとは違って、部屋の中をダッシュでかけまわります。
これには、むぎも私たちもびっくり!けれど、そんなトムの行動がだんだん、むぎの気持ちを解きほぐしていきました。トムの姿を見て、人間は怖くない甘えていいのだと理解していき、私たちに甘えてくるようになったのです。これは天真爛漫なトムのおかげです。
今では甘えん坊のむぎちゃんに
家に来たばかりの頃は、人間が怖くてベッドの中で固まっていたむぎですが、3年たった今では頭や身体を撫でてもらうのが大好きな甘えん坊に変身しました。
私の膝に来て熟睡し、家族が帰ってくると撫でてと近寄っていきます。遊んで欲しいと自分で猫じゃらしをくわえて鳴いて呼びます。
まとめ
保護猫を迎えるにあたって、はじめは懐いてくれるのか、不安がまったくなかったというと嘘になります。いつ慣れてくれるのだろうか、どのくらいかかるのだろうと考えたこともありました。
でも、時間をかけて少しずつ仲良くなっていった時間が今では宝物のように思います。むぎが初めて頭を撫でさせてくれたとき、むぎが初めて自分から近寄って身体を擦り寄せてきたとき、何もかもが感動でした。
今では、自分がむぎトムを産んだのだと思うほど、愛しくて大切でかけがえのない存在です。家族を笑顔にしてくれて、癒してくれて幸せな気持ちにさせてくれる。そんな存在がむぎとトムです。
保護猫を迎えるのを不安に感じている方がいたら、私は安心して迎えて大丈夫と言ってあげたいと思います。一緒に過ごす時間がきっと素晴らしいものになるはずです。