保護猫マーブルとの出会い
マーブルとの出会いは友人を通じての事でした。友人が息子さんの少年野球のために練習場の原っぱに行った所、ガリガリに痩せ細った子猫をみつけたのです。
子猫は少年野球チーム団のところで、お弁当などの食料をおねだりしていました。原っぱの周囲には住宅が全く無いのに、やたらと人懐っこい子猫の姿を見て友人は「この子は野生ではない、明らかに元飼い猫で誰かがここに捨てたんだ」と思ったそうです。
子猫は全身の骨が浮き出るほどガリガリに痩せ細っていて、今保護しなければ数日後はどうなっているか分からない状態でした。しかし友人はその時10匹以上のネコを飼っていて、お世話をする余裕が無かったので「一度、顔だけでも見に来て」と私の方に連絡が来ました。
すぐに駆け付けた私は、ガリガリの子猫と目と目が合った途端、運命を感じました。マーブル模様が特徴だったのですぐに「マーブル」と名づけて家族の一員として迎えました。
マーブルはベストパートナー
引き取ってすぐにマーブルを全身シャンプーして、病院に連れて行きました。先生曰く「この子は生後4~5ヵ月ですね。ガリガリに痩せていますが健康面に問題はありません」との事で、健康チェックとワクチン注射を済ませて家に連れて帰りました。
すでに家には先住ネコの「チェルシー」がいて2匹の相性が多少心配でしたが、すぐに仲良くなり穏やかな2匹との生活が始まりました。
マーブルは食欲も旺盛で、家に来て1ヵ月ほど経過するとまるで別のネコのようにコロンコロンになりました。友人もマーブルを見て「これがあの子?うわぁ、可愛くなったねえ!」と大喜び。
私にとっては初めての複数飼いのスタートでしたが、2匹仲良く並んで窓の外を眺める姿が何ともいえず癒されています。改めてマーブルを保護した事に喜びを感じています。
マーブルはネコに対しても人に対しても協調性のある性格で、甘さたっぷりな表情を見せてくれる、みんなにとってのベストパートナーです。
時間の経過とともに外嫌いに
何もない原っぱにポツンと1匹だけ捨てられたマーブルでしたが、完全室内飼いの生活が続くと外を嫌がるようになりました。外で生活していた時期があるので外に興味があるのではないかと思っていましたが、逆に外を極端に嫌がるようになったのです。
家の中で育ったのに飼い主によっていきなり外に放置されたマーブル、外に対して不安なイメージの方が大きいのかもしれません。マーブルは時間の経過とともに完全に外嫌いなネコになりました。
そんな姿を見ると「マーブル、もう大丈夫だよ。絶対に外に放置したりなんかしないからね、安心していいからね。」と優しく声をかけています。
マーブルは家族全員の大切なベストパートナー
マーブルの穏やかな顔を見て思い出すのが、まだ小さくて餌の取り方を知らないマーブルが、何もない原っぱに放置されて途方に暮れていた時の事です。
野生ならば親猫が子猫に狩りのやり方や、危険から身を守るために警戒心を持つ事など、猫としての生き方の色々な術を教わりながら成長します。
しかしマーブルは最初は人の手によって育てられ、自然を生き抜く知識を知らない状態でいきなり人の都合によって何もない原っぱに放置されたのです。
「怖かったね、よく頑張ったね」と優しくマーブルを撫でながら、未だにネコを無責任に手放すケースが後を絶たない現状に悲しい気持ちが込み上げてきます。
人それぞれ様々な事情があると思いますが、大切な命が人間の勝手な都合で置き去りにされないように心より願っています。