猫の目
猫の目をじっと見つめたことはありますか?様々な色をしていると思いますが眼球のついている部分を虹彩といい目に入る光の量を調節する役割があります。虹彩のメラニン色素の量によって猫ちゃんには色んな目の色が生まれます。
猫が暗闇でも物が見えるのはどうして?
猫ちゃんは夕方や明け方に活発に動きます。(薄明薄暮性)そのため暗い中でもよく見える目に発達してきました。具体的には3つの器官でその機能を支えています。
瞳孔
暗いところでは虹彩が伸びて瞳孔がひらきます。人間と比べて約3倍の大きさになりわずかな光や月明かりなどでもよく見えます。昼間の猫ちゃんより夜に見る猫ちゃんの方が目がまんまるくて可愛らしいのですがこの影響によるものです。
網膜
網膜細胞の中には錐体と杆体があります。錐体は色を感じる役割をもち杆体は光を感じ取る役目があります。猫ちゃんは人間と比べて錐体の数は少なく、杆体は6倍も多くもっています。そのため色の数を認識することは苦手ですが、少しの光でも認識することは得意です。
タペタム
猫ちゃんの網膜の裏側にある反射板のような層があり、これをタペタムと呼びます。入ってきた光をタペタムで反射して眼球内で増幅することによりわずかな光でもよく見えます。
大きくひらく瞳孔とこのタペタムのおかげで人間の6〜7倍の光の感度があります。暗闇の中にいる猫ちゃんを見つけるとよく目が光ってみえるのは、この影響によります。
猫の感情による瞳孔の変化
一般的に猫ちゃんの瞳孔は明るさによって変化することは知られていますが、実は感情によっても変わります。怒ったり興奮したりしているときは、たとえ周りが明るくても瞳孔は開きます。
好奇心を刺激されるものに出会ったときも開きます。感情の種類というよりは気持ちがたかぶってくると開く傾向があります。
美しい猫の目の色
猫の目の色は大きく分けて4つに区分けできます。グリーン、ヘーゼル、アンバー、カッパーです。この他ブルーもありますが構造はグリーンと同じです。別々の色素が存在しているわけではなく人間の認識できる光と虹彩のメラニン色素が反応して人間が青に見えているだけです。
残念ですが青色の目をもつ猫ちゃんは先天性の障害をもつことが多いです。特に白い毛色の猫ちゃんに多いです。太陽の光が多く浴びる国では虹彩にメラニン色素を蓄えることで光から目を守ろうとします。その関係で濃い色の目になる場合が多いです。
例えば太陽光の少ないロシア産の猫、ロシアンブルーはグリーン色の目をしていますが日本にいる猫ちゃんはアンバーやカッパーの色をした目をもつ子が多く生息しています。
猫から見た世界
猫は視力が弱いので30センチ以内のものは見えにくいですし、判別できる限界の距離は約6メートルといわれています。色を区別する力が弱いですが特に赤は見分けがつきません。薄暗い中を中心に生活する猫ちゃんにとって、赤色の判別は必要ない機能だったのかもしれません。
一方で視野はとても広いです。人間が100度〜180度といわれているのに対し、猫ちゃんは250〜280度といわれています。動体視力がも優れていますので獲物を見つける事に役立ちます。そのため猫ちゃんは蛍光灯やテレビが点滅しているように見えています。
また動物園などでフラッシュ撮影をされている人を見かけますが、基本的に猫ちゃんを含めてフラッシュ撮影は危険なものです。フラッシュのような強い光が入ると人間以上にまぶしく感じてしまい、猫ちゃんによっては網膜に障害を及ぼしてしまう可能性があります。出来るだけ避けるのが望ましいです。
まとめ
野生の中を生き抜くために猫ちゃんの目にはそのための機能が備わっています。
猫ちゃんからの視点で世界を見た時のことを考えながら接してあげると、理解を深めることが可能です。可愛いだけではない生きるための目の力はすばらしいもののように思えます。