猫はどうして動く物を追いかけちゃうの?
猫じゃらしなどで猫ちゃんと遊んでいるときや窓にとまった虫を捕まえようと躍起になっているときなど、動いているものに対して必死に捉えようとしている猫ちゃんを見たことはありますか?
元々猫という動物は山などに住んでいた野生の生き物です。その先祖はアフリカに生息しているリビアネコというヤマネコであるといわれています。このヤマネコは小鳥やネズミなどを捕らえて生活をしていました。
じっと相手を見つめ隙を見て仕留めます。ヤマネコはこのような狩りの生活をずっと送っていましたが、時が経ち人間に飼われるようになるとだんだんと大人しい気性に変わっていきました。
しかし生活の中で長らく培ったこの習性だけは消えることはありません。それが現代にも残って動くものを追いかける野生の部分だけ垣間見えているのです。
猫に残っているハンターとしての顔
追いかける習性を狩猟本能と呼びますが、これは猫ちゃんの仕草のあらゆる部分に現れています。
1.おもちゃにじゃれる
猫ちゃんの飼い主さんにとってはおなじみの光景ですが、おもちゃを獲物に見立てて遊んでいる姿です。捕まえた獲物をもてあそぶ事も野生の本能といえます。
2.忍び足
飼い主さんが気づかない内にこっそり近づいたり、おもちゃに近づいたりと猫ちゃん自身が獲物に見立てて行動している結果です。
3.爪をとぐ
来るべき狩りのときのために爪をとぐ行動を行っています。獲物を捕まえるために新しい爪が必要だからです。
4.高い所に登る
高い所は獲物を待ち伏せしたり早く発見したりすることに役立ちます。普段から高いところにいたがるのは、野生の名残といえます。
5.朝晩に活動する
獲物を捕まえやすい時間帯に活発になることは野生の本能です。
6.眠りが浅い
猫ちゃんも人間と同じように浅い眠りと深い眠りを交互に繰り返しています。浅い眠りを30分から1時間、深い眠りは5分から8分といわれています。小動物が動いたりするとすぐに体勢を整えられるようにする睡眠を保っています。
猫の狩猟本能のスイッチ
本能的な行動を引き起こす引き金となることを解発因といいます。猫ちゃんに大人しくしててほしいときは生活の中で解発因を取り除くことが求められます。
反対に猫ちゃんの狩猟本能を満たした遊びをしたいときは、これらの解発因を利用することが大切です。解発因の例をあげると以下になります。
- ネズミのような高周波の鳴き声
- 視野に入る早すぎず大きすぎない対象
- 獲物の頭部と胴体の間のくびれの部分
このような解発因が刺激されると、猫ちゃんは条件反射で目を開き身をかがめて忍び足で近づいたり、お尻をフリフリしたりする行動をとります。
まとめ
飼い主として猫ちゃんの狩猟本能を理解していると、行動内容に理解できる部分がでてきます。
ストレス解消させたいときは解発因を狙った遊びの方法にしてあげると猫ちゃんの食いつきもよくなりますし、今後の接し方の参考にもなります。
ある程度猫ちゃんの行動をコントロールできる手がかりになる知識だと思います。