老猫ホームの利用方法や料金について

老猫ホームの利用方法や料金について

概要

  • 老猫ホームとは事情があって飼い主が猫を飼えない時に猫を預かってもらえる場所
  • 老猫ホームの最初の入居料と、年間約30~40万ほどの利用料がかかる
  • 老猫ホームでは猫達は専門スタッフによってお世話、介護される
  • 老猫ホームにいる愛猫に会いに行く事も出来る
  • 飼い主の「もしも」に備えて検討する必要もある

ペットとしての猫が増えていく中、飼い主も猫も高齢化が進んでいます。そんななか、老犬ホームに続いて老猫ホームも増えてきつつあります。もし飼い主が亡くなったら、遺された猫はどうなるのか。老猫ホームを利用するにはどうしたらいいのか考えてみました。

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記事の監修

東京農工大学農学部獣医学科卒業。その後、動物病院にて勤務。動物に囲まれて暮らしたい、という想いから獣医師になり、その想い通りに現在まで、5頭の犬、7匹の猫、10匹のフェレットの他、ハムスター、カメ、デグー、水生動物たちと暮らしてきました。動物を正しく飼って、動物も人もハッピーになるための力になりたいと思っています。そのために、病気になる前や問題が起こる前に出来ることとして、犬の遺伝学、行動学、シェルターメディスンに特に興味を持って勉強しています。

「老猫ホーム」が必要になるかもしれない

老人と猫

みなさん、「老猫ホーム」をご存知でしょうか?

もしあなたに万が一の事態が起こったとき、飼っている猫の面倒を見てくれる人はいますか?
考えたくないかもしれませんが、生き物の命を預かっている以上、一度は真摯に向き合っておきたい問題です。病気や事故だけではありません。猫を飼えない環境に引っ越さざるをえない状況もあります。
そうなったらあなたの猫はどうなるのでしょう。

生まれてすぐの子猫だったら里親募集はしやすいです。
ですが、あなたと共にもうかなりの年数一緒に暮らしてきた老猫だったらどうでしょう。あと何年生きるのか分からない。もしかしたら病気になってしまうかもしれない。既に病気を持っている猫の面倒は見切れない。そんな不安から里親のなり手は少ないと思います。

昔からの知り合いで快く猫を引き取ってくださる人がいるならいいでしょう。実家のご両親、兄弟姉妹、成人したあなたのお子さん・・・彼らが快く引き取ってくださるならいいですが、それでもやはり問題はあると思います。
あなたのために猫を引き取ってくれた人達ははたして本当に猫好きでしょうか?猫の飼育経験もなく、引き取ったものの飼い方がよく分からず、猫も人も不幸になってしまうかもしれません。

ずっと家猫として暮らしてきた猫が、外に放り出されて野良猫になって生き延びるのはとても難しいのです。
鼠が餌になるとしてもずっと屋内で飼われてきた猫はおもちゃの鼠しか知りません。そんなことで上手く狩れるでしょうか。真冬の戸外の寒さも知らず、野良猫や烏の攻撃から身を守ることも知りません。
残り少ない猫生をそんな過酷な環境で過ごさせるのはあまりに可哀想ですし、やってはいけないことです。

では、どうすればいいのか?
安心して預けられる先、その一つが「老猫ホーム」になります。「え、そんな場所があったんだ」と思われたかもしれません。老犬ホームは様々なメディアに取り上げられたりしてかなり認知度は上がっていますが、老猫ホームはまだまだこれからです。老犬ホームの中に最近猫を受け入れるようになったというところもありました。

ペットとして飼われるのが、犬より猫のほうが多くなった現在。これからますます老猫ホームの需要は増えていくでしょう。

老猫ホームでの生活

寝る猫

老猫ホームのスペース

猫は1日の大半を寝て過ごします。年老いた猫ではなおさらです。老猫ホームでは清潔なケージを猫ごとに用意してくれますし、室温もしっかり管理されているので、安心してゆっくり眠れるというのが猫にとっては素晴らしいことですよね。

老猫ホームでのケア

老猫ホームでは昼間は広い部屋で自由に遊ばせてくれるところもあります。猫好きのスタッフが遊び相手になってくれるかもしれません。グルーミングや爪切りも定期的にやってくれるようです。

老猫ホームの食事

老猫ホームでの食事は年齢に合ったものが用意されていますし、療法食が必要な場合は対応してもらえます。食欲の有無も毎日チェックされます。

老猫ホームの預け方と料金

撫でられる猫

まずは預け先を捜しましょう。
『老猫ホーム』というキーワードでインターネットで検索するのが良いでしょう。ご自分の住まいの近くで見つけることが出来るとよりいいですね。見つかったら連絡し、まずは事情を相談しましょう。預けることが決まったら、連れて行く日時や移送方法なども相談しましょう。ご自身で連れて行けない場合は、有料ですがご自宅まで引き取りに来てくれる老猫ホームもあります。

老猫ホームは2種類

老猫ホームにはNPO団体(特定非営利活動法人)経営のものと会社経営のものがあります。2つの一番の違いは、NPO団体の老猫ホームでは料金の支払いではなく、寄付という形で必要な費用を支払うことになります。寄付の金額はそれぞれの猫の状況によって違い明記されていないので、飼い主さんと施設側とで相談して決めることになります。

老猫ホームの料金

預け方にも何種類かあって、「短期」「1年」「終生」などがあり、料金も変わります。
会社経営の老猫ホームの場合、1年では30~40万くらい、終生ですと50~90万くらいが必要になることが多いようです。持病があって特定の投薬や注射、治療が必要な場合は別途請求されることになります。

老猫ホームでは信託活用プランという選択肢も

終生預かりを頼みたいが、高額な料金をまとめて支払うことに不安がある場合には、信託会社に費用を預け資金の管理を依頼する「信託活用プラン」という方法を取り入れている老猫ホームもあるので検討してみてください。

老猫ホームに預ける際に注意したいこと

相談する老婆

猫が重度の病気や障害を抱えている場合は老猫ホームに正直に伝えましょう。対応してくれる老猫ホームもあります。
預ける前に基本のワクチンを接種しておくことも、共同生活に送り出す際には必要ではないでしょうか。避妊去勢手術が住んでいることも、受け入れてもらう条件になります。

老猫ホームに預けた後も面会には行けます。老猫ホームの都合もありますから、会いたい気持ちが溢れていてもまずは連絡・確認をしてください。

おすすめ老猫ホーム2選

老犬&老猫ホームひまわり

筑波の大自然の中にある老犬と老猫ホーム「ひまわり」です。のびのびとした敷地の中には動物病院も併設していますので、愛猫のもしもの時にも安心して預ける事が出来ますね。

老猫ホームの中はお外を眺めながら日向ぼっこができるようキャットタワーなども取り付けられています。猫達がとても穏やかな表情で暮らしています。

東京ペットホーム

東京都の大田区にある老猫、老犬ホーム「東京ペットホーム」さんです。都内にありながら猫達がのびのびと暮らせるよう日向ぼっこスペースや、個室、集会できる場所もあります。都内で暮らしている飼い主さんも会いに行きやすい利便性も兼ね備えた老猫ホームですね。料金やサービス内容については以下のサイトをご覧ください。

まとめ

すがる猫

老猫ホームについて今回はお話してきました。いかがだったでしょうか。
飼い主様が元気ならばいろいろな手続きも問題なく進められると思いますが、もし猫より先に亡くなってしまったらどうなるでしょう。同居するご家族もないおひとりさまだったら。

そこで私がお薦めしたいのは遺言形式で老猫ホームに預けるように書き残しておくことです。信頼できる後見人を指定して、遺産の一部で支払うようにお願いしておくのです。
こうして書いておけば、遺された猫も安心して余生を過ごせるのではないでしょうか。

監修獣医師による補足

ここで紹介されている施設は一例に過ぎませんが、同様の施設は全国的に増えているようです。起こって欲しくはないけれど、万が一のことが起こった時のために対策を講じたりご家族で話し合ったりしておくことは、動物を飼う上でとても大事なことですね。

獣医師:木下明紀子
投稿者

50代以上 男性 イチロウ

我が家では、飼い主が長年の一人暮らしである故に、何かの事由で猫達の世話が出来なくなった折の準備で或る動物保護団体(NPO法人)と終生飼養の契約をしました。

弁護士仲介に依る契約文書締結で、飼い主不在時には縁故者(私の場合には妹)が引き取り依頼と飼養費用支払を行う、との契約です。

猫等の動物は、法律上は、「物」なので、契約文書上は、「譲渡」になります。 飼い主が居なくなると「物」の所有権が移ることになるからです。 

契約先が動物保護団体なので、美味く行けば、新しい飼い主も見つかるかも知れませんので、その点も含めた契約でした。 飼養費用は、妹に預けました。 一頭あたり40万円で六頭分です。 当該契約先は、自営の動物病院もあり、可成り規模が大きい処です。

これで一応、安心したのでしたが、最愛の長男猫が腎臓病になり一昨年からは、日々の自宅輸液が要るようになりましたので、出来るだけ自分に余裕が出来るようにするために長男猫と次男猫を除き、自宅に居た他の猫達を先行して引き取って頂きました。 

残るのは、二頭になる筈でしたが、その間にも保護した猫達が居ましたので、都合四頭が残りました。 でも、合計八頭ものお世話をするのは、とても無理でしたので四頭の引取りは助かりました。

今、長男猫が元気であった時代、六頭の猫達と暮らしていた時のことを思い出して、私の人生で最も幸せな時であった、と思います。

それは、下の写真のような猫達の寝姿を見られた時でした。

投稿者

40代 女性 さと

老猫ホームは、私も必要だと思います。急に飼い主が病気になるかもしれないです。そんなときは悩みに悩むでしょうが、人生なにがあるかわかりませんもの。しかし、愛情をもって共に過ごしていきたいですよね。やはり、後見人はいりますよね。飼い始める時には、責任をもって飼わないといけませんね。しかし、そうは思っていても病気になったりしたら飼えなくなるかもしれません。老猫ホームにお世話になるかもしれません。老猫ホームでは、生活もゆったりでご飯もしっかりと与えてくれます。そういう場所があると安心ですよね。

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