猫はグルーミングが大切

猫と一緒に暮らす飼い主さんであれば、猫が毛づくろいをする様子をよく目にするのではないでしょうか。
毛づくろいはグルーミングと呼ばれる猫の習性であり、一日の多くの時間をグルーミングをしながら過ごすとされています。
猫にとって欠かせないグルーミングはどんな意味を持つのでしょうか。
きれい好き
猫は被毛をグルーミングによって清潔に保ちます。
顔周りなどを念入りに拭っているしぐさを見たことのある飼い主さんもいるのではないでしょうか。
食後に口周りについたごはんや被毛の汚れなど、猫はこまめにグルーミングをすることで清潔にします。
体温調節
「気化熱」という言葉を聞いたことはあるでしょうか?
人間でも夏に汗をかいた後に、ひんやりと涼しくなることがあると思います。
気化熱とは液体が蒸発する際に、周囲から熱を吸収する現象です。
同じように唾液が蒸発する際に、体温を下げることができ、体温調節を行います。
気持ちを落ち着けるため
猫は驚く、強いストレスを感じる際に、自分を落ち着かせようとしたり、ストレスや不安を解消するためにグルーミングを行うこともあります。
言葉の話せない猫にとっての感情表現のサインとなり得ることもあるでしょう。
強い不安やストレスを感じたときは、過剰なグルーミングを行って外傷になってしまうこともあるため、観察をして早期に変化に気づくことも大切です。
グルーミングの観察は健康管理につながる!

グルーミングは猫の習性によるものですが、実はさまざまなサインが隠されていて、愛猫の変化に早期に気づくきっかけになる場合もあります。
愛猫のグルーミングの観察は健康管理にもつながります。
体調不良による頻度の低下
一日の多くの時間をグルーミングをして過ごす猫が、グルーミングの頻度が減った場合、体調不良や、体の痛みなどによりグルーミングの姿勢がとりづらいことなどが考えられます。
被毛が汚れていたり、脂っぽく感じたり、普段よりもパサパサとしていたりするなどの変化がある場合、グルーミングの頻度が減っているのかもしれません。
併せて、体重変化や食欲の有無なども観察するとよいでしょう。
かゆみや痛みなどの違和感がある場所のグルーミングの増加
かゆみや痛み、違和感などがあると、その部分を執拗にグルーミングをする場合があります。
猫の舌はざらざらとしているため、ずっと同じ場所をなめ続けていることで外傷となってしまうこともあるため注意が必要です。
皮膚表面にこすったような傷があった場合、グルーミングのし過ぎによる傷かもしれません。
皮膚の赤みを伴う場合や、関節部分などである場合は皮膚炎や関節の痛みなどが原因のグルーミングである可能性が考えられます。
受診を検討してもよいでしょう。
グルーミングの頻度の増加はストレスサインかも?
ストレスを感じたり、落ち着かないことがあるとグルーミングの頻度が増えることがあります。
明らかに目に見えてグルーミングをしている時間が増えているようであれば、何か精神的な負担になっていることがある可能性も考えられます。
体の状態に問題がないのにグルーミングをよくしていること、吐出する被毛の量や便に被毛が排出される量が増えることなどは精神的な負担からのグルーミングの増加かもしれません。
グルーミングが関連する毛球症とは?

グルーミングが関係する毛球症を知っていますか?
多くは自然に便に排出されたり、たまに毛玉を吐出することで、消化管内に被毛がうっ滞してしまうことを防いでいます。
摂取した被毛の量や腸の運動によっては物理的な閉塞をしてしまう場合があります。
摂取する被毛の量が多い場合に起こる
グルーミングをするときに、被毛は口から摂取されます。
グルーミングの頻度が多い、長毛、抜ける被毛の量が多いなどの場合、摂取する被毛の量は増えるでしょう。
換毛期や痛み、違和感があるときの一時的なグルーミング頻度の増加にも注意が必要です。
摂取する被毛量を調節するために、こまめなブラッシングにより、不必要な被毛はあらかじめ除去してあげることが大切です。
被毛を吐出したり、便秘につながることも
摂取した被毛が消化管を物理的に閉塞させ、毛玉とともに吐出を繰り返したり、便に被毛が絡みついて排出されづらくなり便秘を引き起こすこともあります。
健康な状態であればグルーミングした被毛は便と一緒に排出されることが一般的です。
そのため、便と一緒に排出しやすくするようなサプリメントや療法食を与えることも対策となり得ます。
悪化すると直腸憩室の形成や巨大結腸症につながる
便秘が慢性化することで、腸の運動能力がさらに低下し、結腸部分が大きく拡張してしまう丈太になることを巨大結腸症と言います。
さらに、便秘の慢性化で直腸壁の脆弱化やいきむ時間が長くなることなどで、部屋状の構造物ができる直腸憩室というトラブルが起こることもあります。
これらはレントゲンや超音波検査による確認を行い、便秘解消や毛球を排出しやすくするような内科療法と併せて、悪化している場合は外科的な治療が必要な場合もあります。
まとめ

猫にとって、日常生活の中のグルーミングはとても大切で欠かせません。
しかし、健康状態や被毛の状態によっては毛球症という問題に発展してしまうこともあります。
毛球を吐く癖や便秘をその子の癖として見逃さず、気づいたら早期に健康上の問題として受診することを心がけることが愛猫の負担を軽減してあげることにつながるでしょう。
猫としての習性が健康を害すことのないように、飼い主さんサイドも配慮してあげられるとよいですね。