機能盛りだくさんAI猫トイレ!
大手電機メーカーであるSHARPが発売した次世代猫トイレ、その機能と臨床的にどう役立つのかをお話ししたいと思います。またメーカーさんに気になる質問をぶつけてきたのでそのご紹介もさせていただきます。
従来のトイレとどう違う?
ただ排泄できるだけのトイレではなく、体重、尿量、排尿回数、トイレの滞在時間、トイレ周辺の温度をチェックすることができるトイレです。またそのデータをスマートフォンで確認することができるので気になる健康データをいつでも確認できる仕様です。
健康データから何がわかるの?
では実際にこのトイレで計測することができるデータがどう役立つのでしょうか?
体重
体重はとても大切な情報です。体重が増え肥満傾向になるのも問題ですが減少傾向が見られる方が心配ですよね。経時的に体重を測定してどのように増加、減少しているか知ることによって隠れている病気が見つかることもあります。
特に老齢猫の場合には体調が顕著に体重に反映され、一般的に体重の5〜10%の減少があればすぐに病院に行かれることをおススメします。
これは4kgの猫ちゃんの場合だと0.2〜0.4kgの減少という計算になり微々たる重さに感じますがヒトに換算してみると、、私の体重がちょうど60kgなので5〜10%というと3〜6kgの減少ということになります。
何もなくてこの減量はまず起こらないですよね。なので日々、体重を知ることはとても大切なのです。
尿量
1回の排尿でどれくらいの尿をしているかも体の状態を知ることができる大切な情報です。
たくさん飲んでたくさん尿をしていると一見して健康のように見えますが、多飲多尿といって飲水量、尿量が多すぎるのも病気が隠れている可能性があります。
猫ちゃんの場合ですと50ml/kg以上の飲水は多飲とされており、腎不全、甲状腺機能亢進症、糖尿病などの病気は多飲多尿の症状が出てきます。
ですので以前と比べて尿量が増えてきているのであれば一度血液検査をしてみるのもいいですね。
排尿回数
まず排尿しているかどうかが1つの大きな情報になります。
結石などにより尿路閉塞を起こしていると全く尿が出ず急性腎不全を起こす可能性もありますし、体外に老廃物が出せないので命に関わる場合もあります。
基本的に丸一日排尿していなければ明らかに異常なので病院に駆け込む指標にもなりますね。もう1つは反対に排尿回数が多い場合です。膀胱炎などの病気にかかっていると残尿感や排尿痛で出しきれないことなどがあり、何度もトイレに行くようになります。
猫ちゃんによりけりですが基本的に1日に5回以上の排尿は頻尿を疑います。もちろんそういった兆候なしでも膀胱炎になっている猫ちゃんもいるのですが、トイレに行く回数は多過ぎても少なすぎても気にしてあげて下さい。
トイレ周辺の温度
猫ちゃんは室温が低いとあまり水を飲まず、排尿しない傾向にあります。飲水量が少なく排尿しないと脱水の危険性もありますが、尿石が出来やすい環境でもあるため室温管理には注意が必要です。実際診察していても冬場に尿石症の猫ちゃんが多い気がします。
多頭での使用はできるの?
多頭での使用の場合は個体識別バッジを首輪などにつけて識別できるようです。しかし近年は首輪を付けていない猫ちゃんも多いかと思われますのでそういった場合は使用は難しいかもしれません。
なにより首輪のサイズが大きく猫ちゃんによっては煩わしく感じることもあるかと思いますので改善を期待するポイントですね。
消耗品の気になるところ
猫砂、トイレシートは純正品でないといけないのか?気にされている方は多いかと思いますがSHARPさんに聞いてみました。
ホームページにも記載されている通り、測定データの誤差が出る可能性から共に純正品を使って欲しいとのことでした。
ただ、トイレシートに関しては何週間に1回の交換でも大丈夫な高給水性のシートでは誤差が出る可能性が高いですが、同じような3、4日で交換するタイプであれば問題はほとんどないであろうとのことでした。
最後に
体重、尿量、尿回数など様々な測定データから猫ちゃんの健康状態を知ることができ、素晴らしいトイレだと思います。
ネックなのはまだまだ価格が高いことと、体が大きな猫ちゃんには少し小さく感じるかもしれないです。
これらの点が改善されることを願ってSHARPさん頑張って下さい!
男性 匿名
貧乏人には高嶺の花。
「猫にこんなにお金掛かっちゃった」「猫の健康管理は大切だから」等と自慢したい方には最適。
以上。貧乏人のヒガミでした!。