オス猫がスプレーをする理由
発情期でメス猫にアピールするため
オス猫は生後半年を過ぎた頃から、発情期が訪れてスプレー行為をするようになってきます。目的は繁殖相手であるメス猫を引きつけるためです。オス猫がスプレーをする時期としては、春先から秋の終わり頃まで続きます。
オス猫の性的なスプレーはとても臭いがきつく、部屋にスプレーされると悪臭がしみついてしまいます。
猫のスプレーには、臭いがきついたんぱく質の成分が含まれていて、これはネコ科の尿にだけ発見されている物質です。
性的な意味以外の理由
発情期以外のスプレー行為は、性的なスプレーと違い、オス猫の反応性スプレーと言われます。
このオス猫のスプレーは顔や体をすりつけたりするマーキングの、より強い意味があるものだと考えられます。性的なものではないので、オス猫に去勢手術をしていてもスプレー行為が見られる場合があります。
スプレーする場所としては、猫にとって意味のある場所や物が対象となります。
例えば、玄関のドア、家具の角、ソファの下部分、飼い主の服やタオルや持ち物、窓の縁などです。
オス猫の反応性スプレーの原因は様々ですが、次のことが考えられます。
- 同居の猫との喧嘩や敵対意識のため
- 外の野良猫に対して挑発や警告のため
- 飼い主の気をひくため
- 外に出たいけど出られずに不満があるため
- 引っ越しや模様替えで環境が変わり不安なため
飼っている他の猫と仲があまりよくなかったり、外から現れる猫が気になったりすると、オス猫はスプレーすることがあります。挑発や警告といったオス猫の気持ちが現れています。
また、オス猫のスプレーは飼い主さんの気を引きたいという理由の時もあります。
飼い主さんにあまり面倒を見てもらえていない、愛情が足りないといった場合の時です。
オス猫が愛情不足を感じている時は、飼い主さんが普段よく使っているソファや布団などにスプレーすることが多いようです。
他には外に出ていたオス猫は、外に出たいために玄関や窓際にスプレーすることがあります。または、引っ越ししたり、部屋に新しい大きな家具が増えたりして環境が変わった時に不安なため、自分の臭いをつけようとする意味でオス猫はスプレーをすることもあります。
オス猫のスプレーをやめさせる方法
去勢手術をする
性的な原因でオス猫がスプレー行為をする場合には、去勢手術が最も効果的な方法です。
オス猫は、発情したメス猫に反応してスプレーが始まるので、他の猫を遠ざけるという方法もありますが、やはり去勢していなければスプレー行為をするようになってしまいます。オス猫の去勢手術では精巣を取り除く手術が行われます。
オス猫の去勢手術をすることで、手術された9割近くのオス猫は、スプレーの頻度が下がると言われています。
ストレスの原因を探して解決する
反応性スプレーの場合には、オス猫がスプレーする理由に応じた対処法をする必要があります。
外に猫がやってきて、それが気になっている様子の場合には、窓に目隠しをするなどして、猫が見えないようにすると良いでしょう。窓の下部分に向こうが見えないようにシートなどを貼ったり、カーテンで遮ったりします。
または、外猫が来ないように障害物を置いたり、忌避剤を置いたりする方法もあります。
野良猫に餌をあげている場合は、飼い猫のために餌やりをやめるか、保護するといった方法もあります。
野良猫ではなく、家で多頭飼いをしていてオス猫同士で折り合いが悪い時には、それぞれが離れて過ごせる場所を作ってあげるようにしましょう。オス猫同士の、お互いの縄張り意識や対抗意識を薄くさせるのが目的です。
可能であればオス猫にキャットタワーを増やしたり、猫ベッドを増やしたり、猫トイレを増やしたりしてみましょう。
飼い主さんの愛情が足りないために不安や不満があって、オス猫がスプレー行為をする場合は、飼い主さんが意識や行動を変えてあげる必要があります。
カバンなど飼い主さんの持ち物や、普段よく座る椅子のクッション、寝ている布団などにスプレーをされていると、オス猫は愛情不足で寂しいのではないかと考えましょう。
オス猫をひとりぼっちにしている時間が長い場合には、できる限り一緒にいる時間を増やすか、家族と一緒にいてもらうなどの対処が必要です。
可能であれば猫を増やすといった方法もありますが、面倒をしっかり見られる状況かどうか、よく考えてくださいね。
外に出たがるオス猫の場合には、外を全く見せない方法ではストレスにつながり、スプレーが治らない可能性があります。一緒にいる時にねこじゃらしや、おもちゃでよく遊んだり、愛情を示してあげたりするようにして、室内に暮らすことに興味がいくように工夫しましょう。
また、猫のスプレー対策としておすすめのフェロモンスプレーがあります。
フェリウェイスプレー 60ml×3個
猫のフェイシャルフェロモンである「F3類縁化合物」を配合した猫フェロモン製品です。F3類縁化合物には、猫に鎮静効果があることが確認されています。
このフェロモンスプレーは、オス猫の尿マーキングが頻繁にされる場所に直接吹きかけて使用します。これは原因に関わらずに、猫のスプレーによるマーキングを減らす効果があると言われています。
その他、オス猫のスプレーの掃除や消臭に使えるおすすめグッズをご紹介します。
HUGFAM(ハグファム)ペット消臭スプレー 無香料 強力除菌 消臭剤
ペットのニオイが気になる時、ペットと家族に優しい成分を使用した日本製のペット消臭剤です。動物にも子供にも優しい成分を使用しているため、猫が舐めてしまう部分や家具などにも気にせずお使いいただけます。
猫専用酵素消臭剤Change ペット消臭スプレーで臭いを酵素の力で解消 (250cc)
パイナップル、パパイヤ、マンゴーを原料とした果物由来のペット用の酵素消臭剤です。酵素の力で消臭効果が長く続き、猫の臭いのない清潔な環境にします。酵素が原料なので猫が舐めたとしても害はありません。
外に猫が来る場合のおすすめグッズ
DUOFIRE 窓の目隠しシート すりガラス調淡白DS001 (44.3 x 200cm)
貼るだけで透明ガラスを、すりガラス調にできるシートです。外からの視線を遮りながらも、十分に外の光を室内に取り込むことができます。このシートは水だけで簡単に貼り付けられます。再利用可能で何度でも貼ってはがせて跡も残らず、長く使えるシートです。
まくだけ簡単猫よけジェル 300ml
環境にやさしい天然素材で作られた猫よけジェルです。12種類の天然植物抽出成分を主原料としたアフピリンを使用しています。
猫が室内で快適に暮らすためのおすすめグッズ
ミュー (mju:) ニャンコロビー サークル ナチュラル
猫専用の爪とぎ付きのおもちゃです。転がるボールと長持ちする爪とぎがポイントで取れそうで取れないボールに猫も夢中になります。
(OSJ)キャットタワー 猫 スタンダード式キャットタワー
ソファーベッドは3つあり、隠れ家が2つ付きで、多頭飼いにもおすすめのキャットタワーです。187cmも高さがあり、運動不足解消が期待でき、爪とぎもついているため、猫が飽きずに過ごせるようになっています。
オス猫がスプレーをする理由とやめさせる方法のまとめ
オス猫のスプレー行為には大きく分けて、性的なものと反応性のもの、二つの理由があります。
オス猫のスプレーは性的なものが原因であれば、去勢手術をすることが一番効果的です。去勢手術をする場合には、オス猫が生後半年を過ぎたら、獣医さんと相談して、猫の体調を見ながら慎重に検討するようにしてください。
また、性的なスプレー以外にも、マーキングの強い意味での反応性スプレーをすることがありますので、それに対してはまた別の対処が必要です。その際には、スプレーをする場所や状況によって原因が違うので突き止めて解決していくようにしましょう。
オス猫の性的なものも反応性のものも、叱ることやしつけで治るものではないと言えます。
オス猫がなぜスプレー行為をするのかを見極めて、猫も飼い主さんも快適に暮らせるように対策をしていってくださいね。