猫がずっと寝ている4つの理由

結論からいってしまうと、猫が一日の大半を寝て過ごすのは「狩猟動物として身についた習性だから」という回答になります。これは、身体的な特徴だけでなく、心理的な理由も関係してきます。
1.肉食動物特有の省エネ戦略
猫はほかの生き物を捕食する肉食動物ですが、群れになることがなく単独で生活しています。そのため、ひとりで獲物を見つけて捕まえなくてはいけません。
もし狩りに失敗すれば、食事にありつけなくなってしまうことから、狩りをするときには「探索」「発見」から「追跡」、「捕獲」まで、大量のエネルギーが必要となります。
1度の食事のために脳も体もとてもエネルギーを使うため、狩り以外の時間はゴロゴロと寝て、体力を温存する習性があるのです。
2.熟睡する時間が短い
成猫の平均睡眠時間は12〜16時間といわれていますが、そのうちの80%は外界の異常にすぐ反応できる浅い眠り(レム睡眠)です。実際に深く眠っているノンレム睡眠は、全体の20%しかありません。
これは、猫が捕食者であると同時に被捕食者であったことに由来しています。外敵や獲物の気配がしたときに、すぐに起きて行動できるように、熟睡する時間が短いのです。
ぐっすり眠る時間が少ないことから、脳や体の維持のために、その分長い時間を寝て過ごす必要があるのです。
3.雨や寒さ、退屈によって活動が減る
被毛が濡れると体が冷えて体温が奪われるため、猫には水を避ける習性があります。さらに、野生時代の猫は、狩猟(=食べる)を中心に暮らしていたため、獲物が動かない雨の日には狩りをする機会に恵まれません。そのため、雨降りの日や寒いときには丸まって寝て過ごすようになったのです。
現在の室内飼いの猫は、食事の心配をする必要がないことから、体力の消耗と戦いながら狩りをする必要もなく、慢性的に退屈を感じやすくなります。前述したように、もともと省エネする猫の習性から、退屈でエネルギーを使わないよう寝て過ごす時間が増えるのです。
4.年齢やライフステージによる影響
成長期の子猫は、体を生まれた時の何倍にも大きく発達させるため、睡眠中に分泌される成長ホルモンが健康な体づくりに欠かせません。起きているときには10〜20分ほど猛烈に暴れ回り、ときどき食事を取りながら、突然電池が切れたように倒れ1時間ほど眠るという短いサイクルでエネルギーの循環をして成長するのです。
一方、シニア猫は、筋力や代謝など体の機能がだんだん落ちていきます。また、家の中のものや飼い主の生活パターンなども覚え、退屈しがちになります。無理しておもちゃなどで遊ぶことも少なくなり、自然と睡眠や休息の時間が増えていくのです。
猫が起きないときに見逃せない注意点

猫は睡眠時間にも個体差があるため、ただ単に長く寝ていることだけを理由に「何か問題があるのではないか」と判断する必要はありません。
ただし、これまでと比べて寝ている時間が急激に増えた場合や、起きているときの様子にも変化が見られる場合は注意が必要です。
- 食欲低下
- トイレに行かない
- 呼んでも反応しない
- 呼吸数が多い、苦しそう
- 寝床から動きたがらない
これらの異常が見られたら、不調を抱えている可能性があるため、できるだけ早く獣医師に相談してください。猫の状態によっては、1度の診察で判明できないこともあるため、おうちに帰ってからも継続的に様子を見るようにしましょう。
まとめ

猫が長時間寝ているのは、もともとの本能から睡眠の取り方がしみついているからです。
特に飼い猫は、野生時に必要だった「食べるための狩り」をしないことから、寝すぎてしまう傾向にあります。
慢性的に警戒しないことは、安全な場所で暮らせている証拠で精神的には良い環境ですが、栄養満点のフードとたっぷりの睡眠で太り過ぎないように注意したいものです。
また、食欲や元気の有無に変化があったときには、「ただ寝ているだろう」と目をつぶらずに動物病院で相談するようにしてください。