人にもうつってしまう猫の皮膚病『疥癬』ってなに? 主な原因から感染対策まで解説

人にもうつってしまう猫の皮膚病『疥癬』ってなに? 主な原因から感染対策まで解説

猫の『疥癬(かいせん)』という皮膚病をご存知でしょうか。今回は人にもうつる、この厄介な病気について徹底解説いたします!!

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記事の監修

日本では獣医師。世界では旅人。”旅する獣医師”として世界各国を巡り、海外で見てきた”動物と人との共生の様子”を、執筆や写真展を通して皆さんと共有する活動をしています。

猫の『疥癬』とは?

耳を掻く猫

罹ると強烈な痒みに苦しめられる疥癬。実は人間のみならず、猫や犬にとっても油断ができない疾患なのです。

まずは『疥癬』の正体を知るべく、原因や感染経路などを紹介いたします。

皮膚病の一種

疥癬は皮膚疾患に属します。猫が罹った場合は次のような症状があらわれます。

  • 耳の先端にかさぶたができる
  • 皮膚がカサカサしたり厚くなる
  • フケや脱毛が起こる
  • 強い痒みから患部を掻きむしる
  • 掻くことで患部が出血したり化膿したりする
  • 炎症が徐々に広がり、やがては全身に及ぶ

愛猫がしきりに耳や体を掻くようであれば注意が必要です。子猫やシニア猫は症状が重くなる恐れがあります。皮膚症状に拡がりが見られた場合、特に食欲がなく弱っていると感じたら、必ずすぐに診察を受けてください。

疥癬の原因は『ダニ』

諸悪の根源となる原因は、『ネコショウセンコウヒゼンダニ』というヒゼンダニの仲間です。

既に感染している猫との接触や、何かしらの理由でヒゼンダニが付着したもの(ブラシやタオルなど)を使用することで発症します。

ヒゼンダニは宿主の皮膚にトンネルを掘り、そこに卵を産みつけることで子孫を残します。このダニが活発に動くことで強烈な痒みが発生し、患部を掻きむしることで皮膚が傷つき炎症を起こします。

『人獣共通感染症』である

猫の疥癬は人にもうつる人獣共通感染症です。厳密に言うと原因となるヒゼンダニのタイプが異なるのですが、猫から人へ『ネコショウセンコウヒゼンダニ』が移動した場合にも一時的に生き延びることができます。

スキンシップや布団の共有によってうつる

猫から人への主な感染経路はスキンシップや布団の共有などです。例えば撫でたり頬擦りした際に直接、またはダニが布団に落ち、それが人間にうつり再び猫にうつるといった具合です。

厄介だけれど必要以上に慌てない

猫が疥癬になったとしても駆虫薬による治療が可能です。必要以上に恐れないことも大切です。

もしも『疥癬』になってしまったら…?

ダニ対策

もしも愛猫が疥癬を患ってしまったら、必ず動物病院を受診してください。

ダニの駆虫と新たな感染を防ぐ薬を用いてヒゼンダニを除去します。治療に用いる薬は飲み薬・スポットタイプの外用薬などがあります。なお、人間に症状があらわれた際は人医療の皮膚科を受診してください。

感染を広めないためにできること

掃除する猫

疥癬は基本的に自然治癒することのない疾患です。知らぬ間に感染を広げ、猫も人も非常に痒い思いをする恐れがあります。

ここからは疥癬に対する予防法や対処法について紹介いたします。

完全室内飼育の徹底

まずは感染源となり得る野良猫との接触を避けましょう。愛猫は完全室内飼育を徹底し、人間は帰宅後にしっかりと手を洗うように心がけてください。

既に感染した猫がいる場合は別室に移動し隔離して、お世話をする際はゴム手袋を着用してください。

人間側へも感染が拡大しつつある場合は、ヒゼンダニの温床となっている寝具を熱湯でつけおきして洗う・洗えないものはフケやホコリをこまめに拭き取り、天日干しするように心がけてみてください。

まとめ

撫でられる猫

猫の疥癬は、『ネコショウセンコウヒゼンダニ』というダニが寄生することで発症する皮膚病です。

その感染経路は感染した猫との直接的な接触、もしくは人間が持ち込んだダニによる間接的な接触です。

疥癬は『人獣共通感染症』なので、該当する猫がいると人間にもうつる恐れがあります。赤いボツボツや夜間の強烈な痒みなどの症状がヒントです。

人や他の動物(主に犬)にもうつる存在として認識すると厄介そうですが、万が一寄生されても除去する手段があります。必要以上に恐れず、疑わしい場合は動物病院を訪ねましょう。

そして何よりも大切なのは、日頃からの対策です。家猫を外に出さない・野良猫と接触させない・帰宅後は手を洗う・屋外で着ていた服のまま猫と接触しない、といった予防策を徹底してください。

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