猫の『視覚』にまつわる5つの知識

猫も人間のようにテレビを観たり、幼児のように遊びたいおもちゃを選んで持ってきたりと、まるで人間のように振る舞うことがあります。
このように親しみが湧くと、不思議と"猫の感覚"が知りたくなるものです。ということで、今回は『猫の視覚』にまつわる知識を5つ紹介いたします。
1.動体視力は人間の4倍
猫の動体視力は人間の約4倍。秒速4mmという微細な動きを的確に捉える能力を持っています。例えるなら、猫が見ている動画の世界はまるでコマ送りのようだそうです。
2.通常の視力は人間の10分の1
一方、猫は静止画を捉えるのが苦手です。猫と暮らす中で、猫の視力が気になったことはありませんか?
例えば飼い主さんの存在に全く気づいていなかったり、壁に張り付いた虫には興味を示さなかったりと"もしかして目が悪いのでは?"と感じる場面が多々あると思います。
実は猫の通常の視力は0.1〜0.3程しかありません。つまり人間の10分の1程度ということになります。人間であればメガネやコンタクトを必要とするレベルです。
それでも日常生活には支障がありません。猫は静止画を見るよりも、動くものを素早く捉えることのほうが重要なので、優れた動体視力があれば十分なのです。
3.視野が広い
人間とは異なり狩りに特化した体へと進化した猫の視覚には、まだまだ驚くべきスキルがあります。それが視野の広さです。
人間の水平方向の視野角が180°〜200°なのに対し、猫はほぼ真横まで見ることができます。左右の目の視野が重なり合う範囲も広いため、対象物をより立体的に捉えることも可能です。
ちなみに鼻の真下は死角となっています。おもちゃが真正面にくると反応が鈍くなるのはこのためです。
4.目の中に反射板がある
猫の目は暗闇で光を放ちます。猫が苦手な方には不気味に映るかもしれませんね。逆に猫好きさんにとっては魅力の1つで、色の個性を楽しんだりするものです。
この光の正体は『タペタム』によるもの。反射板のような役割を果たす器官です。これが機能することによって、6分の1程度の光量があれば暗闇の中を自由に動き回ることができます。
猫が狩りを行うのは夕方や早朝などの薄暗い時間帯です。さらに深夜にもオス猫同士の鳴き合いなどがあるため、暗闇に特化した視覚へと進化したのでしょう。
5.猫が見ている世界はカラフルじゃない
ここまで紹介してきたように、猫にとって最も重要なのは『狩りができること』です。特に野生の猫はシビアな世界にいるため、人間のような娯楽を楽しむ余裕などありません。
猫の視覚がそれを物語っているのが『色覚』です。実は猫が見ている世界はカラフルではありません。常に青みがかった緑〜黄緑色に見えているのだそう。赤系統の色はほとんど認識されておらず、グレーがかった色合いに見えているそうです。
これを人間の目線で捉えると気の毒に思えるかもしれません。しかしながら猫は色で危険を察知せずとも、優れた動体視力や他の感覚器官を駆使して生きています。
言うなれば人間が、過酷な狩りをしなくても生き延びているのと同じです。それぞれのフィールドにあった色彩感覚が備わったに過ぎません。
猫の『視覚』を活かした生活スタイルとは?

先ほど紹介した5つの事柄から、人間と猫の『視覚』や『見え方の世界観』が全く異なることが分かりましたよね。ここからは一緒に暮らす中で、この違いを存分に活かす方法を紹介いたします。
おもちゃは『黄色』が喜ばれる
猫のおもちゃを選ぶ際は『黄色』や『黄緑色』の物を選ぶと喜ばれるでしょう。比較的見えやすい色合いになるので、ひとり遊びがより楽しくなります。
動きにリアリティを出す
既にあるおもちゃが『赤系統』の場合は、動きを工夫してみてください。蛇のウネウネした動き・虫の羽音・ネズミのようなちょこまかとした動きなどを再現してあげると喜ばれます。
コツとしては、注意を引き付けるときゆっくり動かすことです。動体視力が優れているとはいえ、視界に入らなければ能力を発揮することができません。まずは見るきっかけを作ってみてください。
食べ物は『茶系』で問題なし
数あるキャットフードの中には、カラフルで美味しそうなものがあります。しかしこれは、完全に人間目線による価値観です。
猫が見ているカラーから察するに、食事も色はさほど重要ではありません。それよりも安全性が高いもの・食感や温度感・匂いや風味などに重きを置かれたもののほうが重要です。キャットフードを選ぶ際は参考にしてみてください。
まとめ

今回は猫の『視覚』にまつわる知識を紹介いたしました。諸々の違いに衝撃を受けたのではないでしょうか。そして、さらにハンターとしての優れた視覚に度肝を抜かされたことでしょう。
実際に生活を共にするうえでも、よりリアルな狩りごっこを再現してみたいものですね。また、写真や動画を撮影する際はフラッシュ機能をOFFにする配慮をお忘れなく。タペタムがある影響で、強過ぎる光が負荷をかけてしまいます。
最後に小ネタをもう一つ。理由は不明なのですが、猫はピンクを好む傾向があるそうです。我が家の猫たちもピンクのベッドカバーが大のお気に入りです。
一方、黒はカラスを連想させるため苦手な猫が多いそう。猫カフェや保護猫シェルターを訪問する際は、黒を避けるべきかもしれません。