猫の『平均寿命』は種類ごとに異なる?違いが生じる理由や長生きさせるための秘訣

猫の『平均寿命』は種類ごとに異なる?違いが生じる理由や長生きさせるための秘訣

猫の平均寿命は伸び続け、ついに直近の調査では平均寿命16歳を超えるようになりました。しかし、この平均寿命には、去勢避妊の有無やお外へ出るかどうかなど、いくつかの条件によって違いがあります。そして、条件の中には、猫の種類も含まれています。もちろん、命の長さには個体差がありますが、その違いはどこにあるのでしょうか。今回は、猫の種類と平均寿命の関係について解説します。

SupervisorImage

記事の監修

2009年麻布大学獣医学部獣医学科を卒業。
2015年から横浜市内で妻と動物病院を営み、犬、猫、エキゾチックアニマルの診療を行なっています。
2024年現在、犬10頭、猫3頭、多数の爬虫類と暮らしています。
愛犬家、愛猫家として飼い主様に寄り添った診療を心がけています。
内科(循環器、内分泌など)、歯科、産科に力を入れています。

猫の種類ごとに平均寿命が異なる理由

メイン・クーン

混血種や日本猫の平均寿命は約15歳ですが、メイン・クーンやアビシニアンなどは13歳前後と、猫の種類によって平均寿命は異なります。これは、繁殖されてきた猫種によって、引き継がれている特徴の中に、体質やかかりやすい病気も含まれているからです。

生まれつきかかりやすい疾患は、健康状態や寿命にも影響が出てきます。また、その猫種の特徴である体格や身体的な特徴も、健康状態に関係してきます。

たとえばメイン・クーンは、心不全を引き起こす肥大型心筋症になりやすいといわれています。もともと、肥大型心筋症は、猫の中でも比較的一般的な疾患ですが、メイン・クーンの場合は、発症リスクを高める遺伝子変異を親猫から引き継ぐ個体が4割近くもいるのです。

また、アビシニアンやソマリなどでは、慢性的な溶血性貧血を起こすピルビン酸キナーゼ欠損症が遺伝性疾患として知られています。重症化や合併症などにより寿命が短くなります。

もちろん、猫の飼い方や個体ごとの免疫力や体力などには差があるため、すべての猫に個体差はありますが、猫種という形で見れば、身体的な特徴を引き継ぐよう繁殖された種は、病気を持つ遺伝子変異も引き継がれてしまうため、平均寿命の差につながっているのです。

愛猫を長生きさせる秘訣とは?

聴診される猫

たとえ愛猫に遺伝性疾患のリスクがあったとしても、基礎的なケアを徹底することで健康的に長生きができる可能性はグッと高くなります。

猫種ごとに特に注意すべき遺伝性疾患はあらかじめ分かっているため、優良なブリーダーさんは自主的に親猫の遺伝子検査を行っています。遺伝子検査の結果を確認していない場合には、定期健診の際に猫種特有の病気に応じた検査もお願いしましょう。遺伝子検査をしなくても、早期発見することで重症化や合併症を予防できます。

もちろん、おうちでも水を飲む量やおしっこの回数、できれば安静時の呼吸数などをふだんから確認しておくことで、小さな変化にすぐ気づきやすくなります。

そして、すべての猫に共通している長寿の基本は、次の4つです。

  • 室内飼い
  • 十分な水分補給
  • デンタルケアの徹底
  • 環境ストレスの排除

健康管理というと、ついキャットフードにばかりこだわってしまいがちですが、水分不足やストレスによって免疫力の低下を招きます。感染症の原因であるウイルスや細菌に、できるだけ触れない・増やさないようにすることがとても大切です。

まとめ

貫禄のあるシニア猫

大切な愛猫にはできるだけ長生きしてほしいものですが、猫種によっては、平均寿命に違いがあります。

それは、猫種としての特徴を引き継ぐ際に、遺伝性の病気リスクも引き継いでしまっている場合があるからです。これらは、決して血統種だけの話ではなく、雑種であっても親からの遺伝性疾患のリスクは持ち合わせています。

ブリーダーによる遺伝子検査がない限りは、その猫もお迎え前にリスクがわからないこともありますし、どんな猫でも健康で長生きしてもらうには、定期健診がとても重要になってきます。若いうちは年に一回、シニアになったら年に2回くらいは、動物病院で血液検査やエコー検査を受けるとよいでしょう。

また、病気はいつ発症するかわかりません。どんなに健康的な生活を送っていても、突然病気になることもあるため、日ごろからおうちでの様子には十分気を配って早期発見に努めるようにし、異変に気づいたときには躊躇せずすみやかに獣医師に相談してください。

スポンサーリンク