お家の猫にも『寄生虫の予防』が欠かせない理由3つ 油断できないワケや対策のポイントまで

お家の猫にも『寄生虫の予防』が欠かせない理由3つ 油断できないワケや対策のポイントまで

「完全室内飼いなら寄生虫の心配はない」と考えてしまいがちですが、外へ出ない猫でも寄生虫に感染する可能性はあります。今回は、お家で暮らす猫にも寄生虫対策が必要な理由を解説します。

SupervisorImage

記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

お家の猫にも『寄生虫の予防』が欠かせない理由3つ

玄関にいる猫

猫に寄生するものには、ノミやマダニなどの外部寄生虫のほか、お腹の中などに寄生する内部寄生虫もいます。感染経路は寄生虫によって異なるため、「外へ出ない」という理由だけですべてのリスクをなくすことはできません。

1.人間に付着して入り込む

室内飼いの猫に寄生虫が付くきっかけのひとつが、外出する飼い主です。人が猫の寄生虫に感染して持ち帰るという意味ではなく、衣服や持ち物などを介して、ノミなどが室内へ持ち込まれる可能性があります。

例えば、屋外でノミがいる環境に立ち入ったあと、そのまま帰宅することで室内へ入り込むケースが考えられます。一度ノミが室内に持ち込まれると、成虫だけでなく卵や幼虫、さなぎがカーペットや家具の隙間などに存在するようになり、室内で繁殖する可能性もあります。

ノミに刺されるとかゆみや皮膚炎を引き起こすことがあるほか、毛づくろいの際にノミを飲み込むことで「瓜実条虫」という寄生虫に感染することもあります。完全室内飼いでもリスクがゼロになるわけではないことを覚えておきましょう。

2.部屋の隙間から入り込む

飼い主が持ち込む以外にも、虫などが屋外から室内へ侵入することがあります。窓や網戸、玄関などは外とつながっているため、完全室内飼いでも外部の生き物との接点が完全になくなるわけではありません。

特に注意したいのが蚊です。蚊はわずかな隙間や人が出入りする玄関などから室内へ入り込みます。犬ほどではありませんが、猫も蚊に刺されることでフィラリア(犬糸状虫)に感染する可能性があります。室内に蚊が入ってくる環境では、外へ出ない猫だからといって無関係とはいえません。

3.同居している犬の散歩帰りに付着

犬と猫を一緒に飼っている家庭では、散歩へ出る犬が寄生虫を室内へ持ち込む可能性も考えておく必要があります。犬は散歩中に草むらや土の上などを歩きます。その際、ノミやマダニが体に付着し、そのまま自宅へ持ち込まれることがあります。犬から落ちたノミが室内で繁殖すれば、外へ出ない猫にも寄生する可能性があります。

そのため、犬だけを予防していれば必ず安心とは限りません。犬と猫、それぞれの生活環境や感染リスクに応じた予防を考えることが大切です。なお、犬用のノミ・マダニ駆除薬を猫に使用してはいけません。犬用製品の中には、猫にとって非常に危険な成分を含むものがあります。必ず対象となる動物を確認し、猫には猫用として処方・販売されているものを使用してください。

寄生虫の対策ポイント

注射する猫

寄生虫対策で大切なのは、愛猫の生活環境に合わせた予防を行うことです。ノミやマダニ、フィラリア、消化管内寄生虫などでは感染経路が異なるため、すべてを同じ方法で予防できるわけではありません。

まずは動物病院で、住んでいる地域や飼育環境、同居動物の有無などを伝え、どの寄生虫への対策が必要なのか相談しましょう。予防薬には皮膚へ滴下するタイプや飲み薬などがあり、対象となる寄生虫も製品によって異なります。

室内環境を清潔に保つことも重要です。猫が過ごすベッドやカーペットなどを定期的に掃除し、ノミの発生が確認された場合は猫だけでなく生活環境への対策も必要になります。さらに、愛猫の皮膚や被毛、便の状態を普段から確認しておきましょう。強いかゆみ、脱毛、下痢、便に白いものが混じるなど、普段と違う変化が見られた場合は自己判断で市販薬を使用せず、動物病院を受診してください。

まとめ

猫と獣医師

完全室内飼いの猫でも、寄生虫と接触する可能性があります。「外に出ないから大丈夫」と決めつけず、生活環境に応じた予防を考えることが大切です。どの予防が必要かは地域や猫の状態によっても異なるため、かかりつけの獣医師と相談しながら適切な対策を続けましょう。 今回の記事を参考に、愛猫と環境にあった寄生虫対策を実行してみてください。

スポンサーリンク