猫がごはんを食べた直後に『吐き戻し』を起こす理由3つ 減らすための予防策や戻したときの対処法

猫がごはんを食べた直後に『吐き戻し』を起こす理由3つ 減らすための予防策や戻したときの対処法

一般的に猫は吐きやすい動物だといわれています。それは、猫の身体的な構造が、何かのきっかけで食べたものがうまく胃に送れなかったとき、反射的に吐き戻すような仕組みになっているからです。原因はキャットフードだけに留まりません。今回はそんな吐き戻しの原因と予防策、また家庭でできる対処法を確認していきましょう。

SupervisorImage

記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

食べた直後の吐き戻し理由3つと予防策

ガツガツ食べる猫

吐き戻しが起きるときは、食道内に食べたものが留まると口側へ逆蠕動が起き、シュレッダーの逆回転のように食べた状態のまま戻されます。

では、なぜ食べたものの逆流を起こしてしまうのでしょうか。ここでは考えられる理由を見ていきましょう。

1.早食いや一気食い

吐き戻しの理由として多いのは、早食いや空腹時の一気食いです。

多頭飼いの家庭で食事を競い合って食べている場合や、成長期で食べ盛りの子猫は、つい早食い・一気食いをしやすくなります。急いで食べると、急激に胃の壁が引き延ばされたり、空気を大量に飲み込んだりするため、吐き戻しを起こしやすくなります。

早食いを防止するには、凹凸のある早食い防止専用の食器への変更や、1日分の給餌量を4〜5回に細かく分けて与えるなど、一回に食べる量を減らすことが有効です。

また、多頭飼いで先を競って食べるようなケースは、猫同士の相性が関係している可能性もあります。力の強い猫や食いしん坊な猫はほかの猫と時間や空間を分けて食べさせるなど、それぞれが落ち着いて食事ができる環境を整えることも効果的です。

2.ドライフードの膨張

ドライフードは、食べた後に胃の中の水分や胃液を吸って大きく膨らみます。食べたものが胃に入る許容量を超えると、食道へ押し出され、食道の逆流反射で吐き出してしまうのです。

食事前後30分は、水分摂取や走ったりジャンプしたりする激しい運動を控えることで、食べたものの急激な膨張や食道への逆流を防ぐことができます。また、空腹時は胃液やガスが溜まって吐きやすい状態なので、少量与えてから食事にすると吐き戻しにくくなります。

また、吐き戻し防止に、フードを小粒タイプに変えようと考える人もいるかもしれませんが、小粒サイズのフードは、食事中の空気飲み込み量が増加して、逆に早食い・吐き戻しを助長するリスクが高まります。よく噛んで食べられるくらいのサイズを選びましょう。

3.胃に残っている被毛による刺激

猫は一日の大半を毛づくろいをして過ごすといわれています。身体中は細い被毛で覆われているので、そのまま飲み込んでしまう毛もかなりの量になります。

急いで食べているわけでもなく、たくさん食べ過ぎているわけでもないのに、吐き戻すときは胃の中の被毛が原因かもしれません。

通常、飲み込んでしまった毛は便と一緒に排出されますが、胃の中に飲み込んだ毛が溜まっている状態で食事をすると、胃液で膨張したフードが被毛と絡んで胃を刺激し、吐き戻しにつながります。

長毛種や換毛期は、ブラッシングをがんばっても被毛の飲み込み量は多くなりがちです。この時期だけでも、食物繊維が被毛の排出を促してくれる毛球ケアフードやトリーツを与えるのも効果的です。

猫が吐き戻したときの対処法

モップと猫

猫が吐き戻すときは、食後すぐのことが多く、食前(空腹時)や消化後の嘔吐には、また別の理由が考えられます。吐いたタイミングによっては、動物病院の受診を検討する必要があります。

一方、食後まもなく、食べたものがほぼ未消化の形で、力まずにゲッと出したような場合、吐き戻しの可能性があります。

吐いたものを片づけるときには、フードの消化状態や被毛や異物などの混入、血液や黄色〜緑色の液体(胆汁・胃液)が混ざっていないかチェックしましょう。食べ物以外の異物や色のついた液体が混ざっている場合には、獣医師に相談するようにしてください。

勢いよく食べた結果の吐き戻しなどは、吐き戻し後にもごはんを催促することがあります。元気があってひと安心するところですが、吐いてすぐは粘膜が刺激を受けているので、おかわりの食事は30分程度時間を空けてからにしましょう。

ただし、短時間に何度もくり返して吐く場合や、元気がなくなる、下痢や発熱などの症状が出てきた場合には、誤飲や感染症、内臓疾患の可能性がありますので、速やかに獣医師の診察を受けてください。診察の際には、吐いたものの写真があると診断の参考になります。

まとめ

カーペットの掃除を見る猫

たまに吐く程度であれば、それは猫の身体の正常な反応のひとつであり、消化器官の機能的な問題ではないことが多いです。飼い主から見れば、吐くという行為とその片づけもあり、できれば吐いてほしくないという気持ちもあるでしょう。また、異常な嘔吐と見分けがつきにくい点も気になるところです。

吐き戻しても、フードの未消化が確認でき、単発で終わり、吐いた後も元気なら様子を見ていて問題ありません。ただし、何度も続けて吐いたり、色がついた液体が混ざったりしていると要注意ですので、病院へ行って診てもらってください。

猫の個体差として特に吐きやすいタイプの猫もいるため、日頃から予防法を実践しておくことも大切です。食事前後の水分摂取や毛玉ケアなどに注意しましょう。

スポンサーリンク