猫が『猫背』になる理由3つ

猫の背中が丸いのは、もはや当たり前のこと。逆に人間のように背筋が整った猫に会ったことはないはずです。
では一体なぜ猫は『猫背』なのでしょうか。ここでは3つの理由を紹介しながら、人間との違いについて解説いたします。
1.猫にとって『猫背』は自然な体勢
人間にとって理想とされる姿勢があるように、猫にとって『猫背』こそが自然な体勢になります。
というのも猫の脊椎は約30個の骨で形成されており、人と違い4足歩行なのでやや弓なりになっています。つまり無理のない姿勢を取ろうとすると自然と猫背になってしまうということです。
猫は四足歩行に必要な体を、人間は二足歩行を難なくこなすための体を得たと捉えるのが自然かもしれませんね。
2.狩りに特化した体へと進化した
人間界においては印象を下げがちな猫背ですが、猫にとっては大きな強みになっています。それが『狩り』です。
猫は持久戦が苦手な動物で、相手が逃げれば逃げるほど不利な状況に陥ります。そこで活躍するのが猫背です。
猫の体は胸椎や腰椎が人より多いことで、柔軟な動きが可能になります。
猫の狩りはいつだって一発勝負。いかに瞬殺できるかが決め手になる分シビアです。そんな猫が厳しい野生の世界で生き延びられるよう、狩りに特化した体へと進化した結果、猫背になったのではないでしょうか。
3.加齢の影響
同じ猫背でも"極端に背中が盛り上がった猫"の猫背は健康的な猫背とは少々異なります。
実は加齢によって本来の柔軟性を失うと、背骨が硬くなります。その結果、不自然な猫背になることがあるのです。
この場合は様々な影響が出てきます。10歳以上のシニア猫や15歳を超えるハイシニア猫と暮らす飼い主さんは、一度愛猫の猫背をよく観察してみてください。
- 筋力低下
- 姿勢の保持が困難になる
- 関節炎や脊椎症による痛みが出る
- 内臓系の疾患や腹部の不快感につながる
背中の丸みに違和感があったり、愛猫の動きが鈍くなったと感じたら、かかりつけの動物病院に相談してみてください。
『猫背』が役立つ場面

進化の過程によって狩りがしやすくなった猫ですが、完全室内飼育の猫は狩りをする必要がありません。
そんな現代を生きる猫たちにとって『猫背』はどのように活かされているのでしょうか。ここからは、役立つ場面をご紹介します。
健康的に遊べる
リアルな狩りこそしない家猫ですが、遊びを通して狩猟本能を満たすことがストレス発散につながります。
心身ともに健康的な遊びを維持するうえで柔軟な動きが可能になる猫背も大きく貢献しています。
毛繕いがしやすい
クルッと丸まった姿勢が取りやすいことで、日課である毛繕いがしやすくなります。猫は自らの体を舐めることで気持ちや身だしなみを整えたりします。
本能的に落ち着く行動がスムーズに取れることで、今日も一日穏やかに過ごすことができるというわけです。
ちなみに犬も、脊椎の数自体は猫とあまり相違ありません。体勢によっては猫背に見えることもありますが、極端に丸まった姿勢や毛繕いをする姿は見られませんよね。
両者の違いは『関節のしなやかさ』にあります。犬の関節は猫と比べると硬いため、同じような動作を取ることが困難なのです。
怪我の予防になる
猫特有のしなやかな関節の動きはいざという時の緩衝材になります。高所から降りる際、着地における衝撃は肉球のみならず背骨でも吸収されるのです。
よって健康的な猫背をキープすることが、怪我の予防にもつながります。
体の熱を逃がさない
猫はアンモナイトのように丸くなることで、体の熱を逃がさないようにしています。この姿勢が取れるのも猫背のおかげです。
特に寒い環境下では、いかに体温を維持するかが重要になります。これを参考に、室温が適切かどうか確認してみてください。
健康的な成猫であれば25℃〜26℃が適温です。子猫やシニア猫の場合は最低でも27℃程度になる場所を作ってあげてください。
まとめ

猫は効率よく狩りをこなし生存率を上げること・安全に暮らすことに特化した体を得るために、猫背と言われる構造の体へと進化した動物です。
そしてその優れた体は、家猫として生きる猫たちの日常をも支えています。程よい背中の丸みが美しく見えるのは、自然な体勢だからなのかもしれませんね。
とはいえ不自然な猫背は加齢による影響がうかがえます。これを機に愛猫の猫背をチェックしてみてください。