猫が人間に『心を開かない』ときに考えられる理由5つ 心の距離を縮めるにはどうしたらいいの?

猫が人間に『心を開かない』ときに考えられる理由5つ 心の距離を縮めるにはどうしたらいいの?

猫がなかなか懐いてくれない原因には、猫自身の問題と外部環境からもたらされる原因の2パターンがあります。猫は基本的に人見知りさんが多いため、初対面ではどうしても距離があるものですが、いつまで経っても心を開いてくれない場合には、その理由をもとに対策をするのも有効的です。この記事では、猫が人間に心を開かない主な理由と、仲良くなるために意識したいポイントを紹介します。

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記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

猫が心を開かないときに考えられる理由5つ

出会い頭に警戒する猫

猫が人を避けるときには、猫の性格や過去の経験、生活環境、接し方などを総合的に考えると、現在の猫の気持ちを理解しやすくなります。

ここからは代表的な5つの理由を紹介します。

1.過去に怖い経験をした

心を開かない猫の中には、人による乱暴な扱いなどの過去の恐怖心が影響していることがあります。たとえ小さな子供が猫を追いかけ、抱っこするという一見微笑ましい行為でも、猫が怖がれば、以降人を避ける要因となるのです。

また、人が関係していなくても、不仲な同居猫や、震災・火災によるトラウマがきっかけとなることもあります。

2.社会化不足

もともと野良猫で子猫の時期に人と接する機会がなかった場合は、人に飼われるようになった後でも、人を警戒し続けることがあります。

特に子猫が自分を取り巻く世界を知っていく「社会化期(生後2〜9週齢頃まで)」に、人間の存在を知らなかった個体はオトナになったあとも人を警戒することもあります。

3.警戒心が強い

猫は個体ごとの気質の違いが顕著で、同じ兄弟でもまったく違う性格ということがあります。そして、中には初対面の人や環境の変化に対して、極端に慎重になる猫もいます。

このような警戒心の強い猫は、知らない人だけでなく、家族に対しても距離を取ろうとすることから「家庭内野良」になりやすい傾向があります。

4.環境にストレスを感じている

猫が心を開かないのは、先天的な要因ばかりではありません。引っ越しや部屋を一新するような模様替え、新しい家族やペットが加わるなど、環境の変化によるストレスが原因で「心を閉ざす」こともあります。

特に飼い主との間に完全な信頼関係が築けていなかった場合には、関係の修復に時間がかかるケースもあります。

5.接し方が猫にとって苦手

過去に原因がないケースでは、単純に接し方が猫の好みではないという可能性も忘れてはいけません。

好む人との距離感は、猫によって違いがあります。たとえ人に慣れてはいても、立った状態で近づいてほしくなかったり、手の触れる距離感は「近すぎる」と感じたりしていることもあるのです。

また、通院や苦手な爪切りのときなどに行った対応が、きっかけとなることもあります。

心を開かない猫と仲良くなるには?

飼い主とおもちゃで遊ぶ猫

なかなか心を開かない猫は、人に対する根強い抵抗感があることから、まずは「人は怖くない」と感じてもらうことが大切です。特にシャーシャー威嚇する場合は、急に手を伸ばして触ろうとするのは厳禁です。

最初のうちは、環境作りが大切です。いきなり家の中に開放せずに、隠れられるような場所を数か所作ってあげて、そこを猫の拠点としてもらいましょう。隠れる場所があると、気持ちが落ち着いたときに、猫が自分のタイミングで人との距離を縮められるようになります。

そして、ふだんの生活では猫と同じ部屋で、ただ静かに過ごす時間を増やすことが大切です。ジロジロと見たり、正面から近づいたりせずに、ただ一緒に過ごしましょう。時間になったら、淡々と食事を与え、トイレ掃除をするだけで大丈夫です。

人がそばにいても猫が横になって過ごすようになれば、猫じゃらしなどのおもちゃを振って遊びに誘ってみてください。もし、遊びの中で、恐る恐るでも猫の方から近づこうとする素振りが出てきたら、嗜好性の高いおやつを与えてみます。遊びとおやつを定期的にくり返していくと、次第に心を開いて仲良くなれるでしょう。

ただし、猫には個体差があり、1週間で抱っこまでできる猫もいれば、5年経っても触らせてくれない猫もいます。これらの個性を認めてあげることも信頼関係を築くうえでとても大切です。

まとめ

ケージで警戒する保護猫

猫となかなか仲良くなれないときに、私たちは「猫が心を開かない」と思いがちですが、実はその背景には、恐怖心や警戒心、抵抗感など「心を開けない」事情を抱えていることがあるのです。

私たち飼い主の中でも、出会ったばかりの赤の他人をいきなり自宅に招くような人は、よほどフレンドリーな人に限るでしょう。性別であったり、年齢であったり、話す言語など、お互いの間にはいくつかの壁があり、家族のような親密な関係になるにはそれなりの時間が必要なのです。

同じようにどんな猫でも猫が安心できる環境と距離感を整えつつ、小さな関わりを積み重ねることで信頼関係が育まれる可能性はあります。焦らず猫のペースにお任せして、少しずつ仲良くなっていきましょう。

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