猫が最期を迎える直前に飼い主がすべきこと5つ

愛猫の身体が弱っていく姿を見守るのはとてもつらく、あまり考えたくはないことですが、いつまでも見ていないフリはできません。
愛猫が穏やかに旅立てるよう、そして「あの時、あぁしておけばよかった」という後悔を軽減させられるよう、いまから猫が最期を迎える直前にすべきことや心構えを覚えておきましょう。
1.落ち着ける環境の維持
猫が気持ちよく休めるような環境は、介護がはじまる頃から整えていることが多いでしょう。しかし、衰弱が進むにつれて、温度差や光など外部刺激に対する体力も落ちるため、静かで薄暗く温度管理が徹底された空間にしておくことが大切です。
直射日光やエアコンの風が直接当たらないようにするのはもちろん、できるだけ家族や他のペットの出入りも少なくし、物音を立てないようにすることで、余計なストレスをかけずに過ごすことができます。
2.痛みや苦しみの緩和
痛みを伴う状態の場合は、獣医師と相談して確実なペインコントロールをしてもらいましょう。痛みの原因によって治療内容は異なりますが、中心になるのは鎮痛薬です。お薬が飲めない状態の猫には、注射やパッチなどが使われることもあります。元気に活動はできなくても「痛くない」状態を目指します。
寝たきりになると床ずれが起きやすくなります。体圧を分散できるよう柔らかいマットや目の粗くないタオルを敷き、愛猫の呼吸状態や体力を最優先に見守りながら、負担にならない範囲で優しく体の向きを変えてあげましょう。
病気によっては、輸液をしていても口や喉の乾燥感で水分を欲することがあります。口の中が乾燥しているようなら、誤嚥しないように濡らしたガーゼなどで口元を潤してあげるようケアしましょう。
3.介護や治療の限度を決めておく
猫の終末期に向けて、あらかじめ治療の限度を決めておくことも大切です。
食べられなくなった際には強制給餌やチューブによる栄養補給を行うこともありますが、どこまで食事の介助を続けるべきかについても考えておく必要があります。状態の変化に応じて方針を見直せるよう、かかりつけの獣医師と相談しておきましょう。
また、入院している場合は、心肺蘇生などの救命処置を希望するかどうか、どこまで延命治療を行うのかについて、あらかじめかかりつけの獣医師と相談しておきましょう。
4.一緒の時間を大切にする
終末期の愛猫を見ていると、これまでの時間を急いで取り戻したい気持ちになりますが、弱ってきた猫にとっては、これまでのような持ち上げる形での抱っこや頻繁な触れ合いは体力を消耗させてしまう可能性があります。
実際の猫の状態にもよりますが、時々、名前を呼んで静かに話しかける程度にしておくのも大切です。猫が目を開けたときに、部屋の中に飼い主がいるだけでも、猫にとっては「安心していられる日常」でいられます。
一緒にいる時間は、特別なことをするよりも、猫の負担が少ない方法で穏やかに過ごすことを優先しましょう。
5.亡くなったあとの準備
猫が亡くなった後は、悲しんでいる間にも、安置や火葬の手配など短期間で判断しなければいけません。そのときになって慌てないよう、事前に火葬方法や依頼先を調べておきましょう。
まず、息を引き取った後には、すみやかに遺体を安置する必要があります。遺体を入れる適切な大きさの箱や保冷剤のほか、必要に応じてドライアイスを入手できる場所を事前に確認・確保しておきましょう。ドライアイスは、近くの葬儀会社などが少量で販売してくれるケースがあります。
また、火葬や埋葬を依頼する葬儀業者をいくつか選んで、連絡先を把握しておきましょう。プランの確認もできれば済ませておくと万全です。当日は、都合のいい日に対応できるところを選ぶだけで済みます。
後悔しないための心構えは?

愛猫の看取りでは、不安になる飼い主さんは少なくありません。特にはじめての猫の場合には、より不安になりがちです。そして喪失の悲しみも、とても大きいものです。
どのようなケースでも、悲しみや喪失感は完全には防げませんが、重度な抑うつ状態のペットロスに陥ることは避けたいものです。そのために具体的にできる方法を知っておきましょう。
まずは、愛猫の治療や延命に対する自分の意向を獣医師に伝えて、「亡くなる」ことを起点とした前後の予定を設計しておくことが大切です。生前に亡くなることを考えるのは気が重くなる作業ですが、迷ったり混乱したりして「できなかった・忘れてしまった」を防ぐために重要なポイントです。
そして、どんな看取りでも決められた「正解」はなく、あるのは飼い主にとって「最善」だったかということです。看取りのあとに「もっとこうすればよかった」と思う気持ちは、多くの飼い主さんが経験するものですが、それは愛猫を大切にした証です。完璧な介護や看取りではなく、その時にできることを精一杯やることを目指して、自分を責めないようにしましょう。
まとめ

猫の終末期は、いつ訪れるかを正確に予測することができない上に、実際にそのときを迎えると、冷静な判断ができなくなることもあります。そのためにも、あらかじめ必要な準備や治療方針について考えておくことは、穏やかな気持ちで愛猫を見送るために、とても大切です。
それでも、後になって「もっとできることがあったのでは?」と感じてしまうのも仕方のないことです。
介護の時間は、愛猫に「ありがとう」を伝えられる最後の時間です。残された時間を大切に過ごし、納得のいく形で見送るためにも、終末期についてはちゃんと考えて理解を深めておくようにしましょう。