早産で唯一生き残った子猫
飼育放棄
ヘーゼルは、生まれてきてすぐに母猫から飼育放棄されてしまいました。
一緒に生まれた兄弟は助かりませんでしたが、ヘーゼルだけが生き残る事ができました。
ヘーゼルのこの世での生は、苦難からの幕開けとなりました。
早産
1か月以上前のことです。
オーストラリアのニューサウスウェールズを拠点として活動している『キャットレスキュー901(CatRescue 901)』のスタッフであるカテリーナさんは、ある家の避妊手術を受けていなかった飼い猫が出産したことを知りました。
「その子は室内飼いをされていましたが、ある日、外に出てしまいました。そして家に戻ってきたときは既に妊娠していました。その後、猫は早産しました。3匹産んだのですがそのうちの2匹は死産でした。」
育児
母猫はストレスでお乳がでませんでした。そのため、育児が一切できなかったのです。
ヘーゼルは、すぐにカテリーナさんの元へ託され、彼女が育てることになりました。
「ヘーゼルの体重はわずか75gしかありませんでした。
ちゃんと育つかどうか心配でした。私は2時間おきに授乳しました。」
とカテリーナさん。
生への執着
ヘーゼルはへその緒から感染を起こしていました。
カテリーナさんは、片時もヘーゼルから目が離せず、手厚いケアを行いました。
最初の数週間は、ヘーゼルが生き残れるかどうかわからないような状態に何度も追い込まれました。
でも、ヘーゼルの生きるという執着心は消えることはありませんでした。
命
ヘーゼルは、とても甘えん坊でした。
ヘーゼルは、カテリーナさんと彼女のパートナーと一緒に寝る事が大好きでした。
「ヘーゼルを見ていると私の心がとても温かく包まれて行きます。パートナーと抱き合って寝ている姿を見ると、涙が出てきます。」
「ヘーゼルはどうなるかわからないような危うい状態でした。でも、見てください!なんて素晴らしい命なんでしょう!」
とカテリーナさん。
深い愛と献身的なケア
ヘーゼルは、何度も何度も獣医のお世話になりました。
でも、ヘーゼルはカテリーナさんとパートナーの深い愛と献身的なケアに包まれていました。
そして、ヘーゼルは見事持ちこたえることができました。
その後
ヘーゼルの母親は、その後CatRescue 901の援助を受けて避妊されワクチン接種も受けました。
ヘーゼルは、一時預かりのカテリーナさんとパートナーのもとで、大切に育てられています。
現在、ヘーゼルは生後5週間になり、フサフサの毛に包まれています。
最後に
今回のケースは、もとはといえば、家猫とはいえ、避妊手術やワクチン接種を施していないまま、脱走させてしまった飼い主さんの初歩的ミスが招いた不幸でした。
その結果、2つの小さな命を失ってしまい、生き残った1つの尊い命も生まれてすぐに苦難の道のりを辿ることになってしまいました。
でも、一時預かりさんのカップルの献身的な愛とケアのおかげで見違える程、運命が変わった命となりました。
人の手で不幸にしてしまう命もれば、人の手によって幸せに導くこともあります。
この違いは大きいですね…
これ以上不幸な命を増やさないためにも、猫さん家族の避妊・去勢、そしてワクチン接種はきちんと行いましょう!
ヘーゼルのその後が気になる方は、下記動物愛護団体のページでご確認下さい!
出典元
※尚、この記事及び写真の掲載はCatRescue 901の承諾を得て行っております。