年老いた猫のための施設

画像はイメージです
米国フロリダ州タンパに住むBruceさんとTerryさんのJenkins夫妻(ともに80歳)は、自宅を「引退後の老猫のための安息の地」へと変えました。年老いた猫たちが穏やかな老後を過ごせるようにするためです。
夫妻が設立した非営利団体「Cats Cradle Foundation」の施設は、単なる猫の収容所ではありません。老いた猫たちが丸まって自由に過ごし、愛情をたっぷり受けられる「終の棲家」なのです。
「ただ最期を待つのではなく、ここで精いっぱい生きてほしいのです。猫はみなここが安全で自分たちが愛されていると分かっています」というのは、ニューヨーク・ヤンキース球団で事務を務めていたこともあるTerryさんです。
「Bruceが猫を引き取りたいといったとき、断るなんてできませんでした」というTerryさん。こうして夫妻の人生は、猫中心の毎日へと変わっていきました。
運営費は年間430万円

画像はイメージです
Jenkins夫妻は広い裏庭を改造して、ロープ橋や小さな小屋、たくさんのおもちゃと登り台を設置し、猫が昼寝できる居心地のよいコーナーも備えた「猫たちの楽園」を作りました。
保護施設で安楽死させられる予定だった猫もいれば、まだ元気な老猫を安楽死させるよう依頼された獣医から頼まれて引き取った猫もいます。地元の獣医は、この夫婦が猫生を謳歌するセカンドチャンスを与えてくれることを知っているのです。
「猫たちは愛情を求めているし、必要としています。ほとんどの場合は愛情をたっぷり受けて育ってきたのですが、その後何かが起こって生活が変化してしまった猫なのです。たとえば飼い主を亡くしたとか」とTerryさん。
夫妻によると、施設の運営には年間約2万7000ドル(約430万円)かかります。餌代と猫砂代だけで毎月数100ドルを費やしているというのです。また獣医が定期的に訪れて、猫たちにワクチン接種、健康診断、必要な薬の投与を行っているといいます。
当初は全額を負担していた夫妻ですが、現在は善意の寄付者からの活動資金を得て、運営が続けられるようになりました。
高齢猫が静かに過ごせる場に

画像はイメージです
管理が行き届くよう、猫の数は30匹程度に制限されています。新しくやってくる猫は10歳以上でなければなりません。初めてやってきた猫は神経質になることもありますが、数日もすればまるでずっとここにいたかのように馴染むといいます。
年老いた猫たちは、猫同士のけんかにエネルギーを費やすよりも、のんびり昼寝することを好むようですね。
「ここの猫は、ただ静かに暮らしたいだけなの」とTerryさん。
敷地は小動物の侵入を防ぐためにフェンスで囲まれていますが、猫たちが脱走しようとしたことはありません。すべての猫が1日2回の食事を楽しみ、空間を共有しながら驚くほど仲良く暮らしています。
そして最期のときが来ると、静かで穏やかな「ホスピスルーム」で安らかな雰囲気と温かい愛情に包まれながら過ごします。
亡くなった後は火葬され、「バタフライ・ガーデン」に埋葬されます。それぞれの墓にはその猫生を称える銘板が立てられ、かつてどれほど愛されていたかを心温まる形で思い出させてくれます。
「彼らもわたしたちも年老いています。一緒にここで残りの人生を歩んでいるのです」と話すTerryさんです。