『猫ふんじゃった症候群』になると表れる症状3つ 発症する原因から取るべき対処法まで解説

『猫ふんじゃった症候群』になると表れる症状3つ 発症する原因から取るべき対処法まで解説

猫のしっぽをうっかり踏んでしまった!そんな経験はありませんか?見た目に異常がなくても、内部では神経が傷ついていることがあります。この記事では、そんなときに起こる症状や原因、対処法を解説します。

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記事の監修

日本では獣医師。世界では旅人。”旅する獣医師”として世界各国を巡り、海外で見てきた”動物と人との共生の様子”を、執筆や写真展を通して皆さんと共有する活動をしています。

猫ふんじゃった症候群とは

猫のしっぽをつかむ手

「猫ふんじゃった症候群」は正式な病名ではなく、「しっぽ引っ張り外傷」や「仙尾部外傷」などと呼ばれています。しっぽを引っ張られたり、踏まれたりして強い衝撃がかかることで起こる症状です。

猫のしっぽは長さによりますが、20個程度の骨(尾椎)が連なっています。そのまわりを筋肉が覆い、しっぽ全体に尾骨神経という神経が通っています。

尾骨神経は、骨盤神経などの重要な神経とつながっているので、損傷すると排尿・排便や歩行に障害が出てしまう危険性があります。

代表的な症状3つ

しっぽを垂らして座る猫

1.しっぽが動かない・だらんと垂れる

通常は自由に動くしっぽが、根元から力なく垂れ下がるようになります。脱臼や骨折、神経の損傷によって、しっぽを動かせなくなってしまいます。

2.排尿・排便のトラブル

尾骨神経の損傷によって、つながっている排泄をつかさどる神経にも影響が及ぶことがあります。自力で排尿できない、排便がコントロールできないといった症状が出ることがあります。

3.後ろ足の異常

後ろ足の感覚や運動機能に異常が出ることもあります。後ろ足がフラフラしてうまく歩けない、歩き方がおかしいなどの症状が見られます。

発症する原因

ドアから入ってくる猫

猫ふんじゃった症候群は、しっぽに対して物理的に強い衝撃がかかることで起こります。具体的には以下のようなケースが挙げられます。

  • 誤ってしっぽを踏んでしまう
  • ドアにしっぽを挟んでしまう
  • 子どもが引っ張ってしまう
  • 交通事故に巻き込まれてしまう
  • 他の動物に噛まれて引っ張られてしまう

特にカギしっぽの猫の場合は、家具の突起などに引っかかってパニックになり強いダメージを受けてしまう可能性もあるので注意が必要です。

こうした事態を防ぐために、日頃から足元に注意する、猫が移動する部屋はドアストッパーをつける、室内飼育を徹底する、しっぽが挟まりそうな場所やひっかりそうな場所を無くす、といった対策を取りましょう。

覚えておきたい対処法

獣医師と猫

安静にして状態を観察

しっぽに衝撃が加わった直後は、猫を静かな場所で安静にさせましょう。しっぽを無理に動かしたり抱き上げたりすると、神経の損傷が悪化する恐れがあります。しっぽの動きに異変がないか、痛がったりしていないかなど、落ち着いて状況を確認しましょう。しっぽを自ら挙げない場合は危険信号かもしれません。

排泄・歩行の様子を確認

見逃してはいけないのが排泄・歩行の異常です。先に述べた通り、しっぽの神経が傷つくと排泄や歩行をコントロールする神経にも影響が及ぶことがあります。いつも通り尿や便が出ているか、後ろ足にふらつきなどの異変がないかをチェックしてください。特に自力排尿ができない場合は緊急性があります。

必ず動物病院を受診

しっぽが動かない、排泄や歩行に異常があるといった場合は、速やかに動物病院へ。けがの程度によって、投薬やカテーテルによる排尿管理などの処置が行われます。一見、猫の様子に変化がなくても必ず受診をしましょう。異常が隠れている可能性があります。

まとめ

人の手と猫のしっぽで作るハート

猫のしっぽは、バランスを取ったり感情を表したりする重要な役割を持っています。そのうえ、その内部には神経がたくさん通っており、とても繊細な器官です。

踏んだり引っ張ったりしてしまった場合には、無理に動かさずに様子を確認しましょう。そして、排泄や歩行に異常が見られるときには、ただちに受診を。そして、いつもと変わらないように見えても獣医師に相談することをおすすめします。

普段から足元に注意を払ったり、生活環境を見直したりして、事故を未然に防ぐことも大切です。フワフワ・ユラユラと動くかわいいしっぽを大切にしてあげましょう。

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