猫が人の持ち物に執着する理由4つ

猫が物にこだわるとき、たいていは嗅覚によるコミュニケーションやテリトリー内の環境を自分好みにしたいという習性が関係しています。
愛猫が持ち物に執着する心理について深掘りしていきましょう。
1.飼い主の安心するニオイがついているから
猫にとって、飼い主のニオイは、自分のニオイの次に「安全なテリトリー」を示す重要な情報です。特に靴やバッグ、衣類など、ふだん直接使用しているものには、飼い主特有のニオイと外で付着したニオイが混ざってついています。
猫がしつこくニオイを嗅いで体をすり付けるのは、飼い主さんが、外で何をしていたのか情報を集めたり、自分のニオイも混ぜ合わせたりすることで、これまで通りの安心できるニオイに書き換えようとするマーキング行動で、猫のストレス緩和にも役立っています。
また、新品の物にスリスリするのも、自分のニオイをつけるマーキングです。
2.ニオイや触り心地などが気に入っているから
そのモノ自体の物理的な性質が、猫の好みとマッチしていて執着されてしまうこともあります。
たとえば、革製品では動物特有のニオイが猫の本能を刺激しやすく、スリスリが止まらない猫がいます。また、ふわふわした衣類などは、触り心地が優しくあたたかいので、その上からどいてくれないこともあります。あたたかさを求める猫は、ノートパソコンやゲーム機などの上にも乗ってしまうことも。
素材の質感や温度といった物体そのものの心地よさは、猫を惹きつける原因になるのです。ただし、執着がエスカレートして布を吸ったり噛んだりし続ける場合は、「ウールサッキング」かもしれません。誤飲する危険があるので十分注意してください。
3.「自分の方が優先」とアピールしたいから
猫がいる生活環境の中で、スマホやリモコン類が寝ている猫の下から出てくるのは、意外と猫飼いあるあるではないでしょうか。
猫が「モノの経済的価値」を持っているわけではありませんが、猫的に価値が高いと感じると独占しようとします。特に飼い主が頻繁に使うモノは、猫の目にとっては「飼い主の注意を集める資源」です。
もし、飼い主が見ているスマホの角で猫がスリスリするなら、自分の方を最優先してというライバル心にも似たアピールなのです。
4.いたずらすると構ってもらえるから
猫が「いたずら」をコミュニケーションの手段として学習してしまったケースです。これは行動学でいう「オペラント条件付け」と同様、行動とメリットが結びついた結果です。
猫はこれまでの経験から、家の中にあるモノの中で「自分が自由に使ってもよいモノ」と「使っていると飼い主が飛んでくるモノ」があることを知っています。猫は自分の行動に対する人間の反応を正確に記憶しているのです。
過去に仕事用バッグや玄関の靴などにスリスリしたり乗ったりした際、飼い主に抱き上げてもらった経験がある猫は、そのアイテムをまるで「飼い主呼び出しボタン」のように認識し、執着するようになることがあります。
猫の執着を止めさせたいときの対処法

猫にとっては飼い主が好きだからこそ、人の持ち物に関わりを持ってくるので、特に危ないものでなければそのまま見守っているのが最適です。猫も思う存分スリスリした後には、自分のお気に入りの場所へ行って休むでしょう。
しかし、猫にすり寄ってほしくないものや、猫が触れると危ないものなども存在します。そのときは別の場所から名前を呼んで、猫がモノから離れる位置でおやつなどの食べ物を与え、その隙にサッと取り上げましょう。
ただし、モノに触ったらおやつがもらえるという学習をさせないために、「呼ぶ→離れる→その場にとどまる→おやつ」の順番でご褒美をあげてください。
また、化粧品のボトルやメガネの柄などは、猫が執着しやすいうえ、中毒やケガをする危険もあります。場合によっては、猫の手の届かない場所で保管することも大切です。
まとめ

猫が特定のモノに執着するのは、自分のテリトリーを安心できるニオイで満たしたいという本能や、飼い主とのコミュニケーションを求める気持ちが関係しています。猫は飼い主のモノに自分のニオイをつけて、家の中というテリトリー内で安心要素を増やします。
そして、それを見かけるたびに猫はスリスリしてニオイを更新し、いつでもリラックスして生活できるようになるのです。
それがたとえ飼い主の持ち物であっても、お気に入りのモノに囲まれて過ごすのが楽しいのは人も猫も同じ。危険なものでなければ、愛猫と共有するのもアリかもしれませんね。愛猫が何に執着しているかを観察することは、彼らの今の気分や『大好き』のサインを知る近道にもなるはずです。