猫が人を「大きな猫」と思っていそうな行動4選

猫が人に対して取る行動は、「猫がほかの猫に対して取る行動」と全く同じだといわれています。このことから、人を自分とは違う種類の生き物だと認識していない可能性があります。
ここから、猫が人間をどのように見ているかを探っていきましょう。
1.挨拶の頭突きやスリスリ
猫が足元に体をスリスリと擦り付けたり、座っている時に頭をゴツッとぶつけてきたりするのは、猫同士で行う親愛のあいさつ表現です。
同じ場所をテリトリーに持つ猫同士は、お互いのニオイをつけて、仲間であることを確認します。
猫の緩やかな優劣関係の中では、ケンカの強いボス猫が優位になりますが、頭突きやスリスリは「格下の猫」から行うのが基本です。愛猫からスリスリや頭突きをされる飼い主さんは、「猫作法を知らない不器用な猫だけど格上の仲間」として認められているのかもしれません。
2.しっぽをピンと立てて近づいてくる
猫は嬉しいとき、しっぽをピンと立てます。飼い主さんが帰宅した際や食事の時間に名前を呼んだときなどは、しっぽをまっすぐにして急ぎ足で近づいてくるでしょう。
これは子猫が母猫に挨拶する仕草がベースとなっています。「ママ、大好き」という友好的な気持ちの表現と同時に、お尻を舐めて排泄を助けてもらう準備の姿勢でもあります。
飼い主は、おいしいごはんと暖かい寝床、トイレ掃除もしてくれる存在です。愛猫が飼い主にしっぽを立てるときにも、母猫に対する同じ行動で親愛の気持ちを表現しているのです。
3.獲物を持ってくる
猫のように単独生活をする捕食者は、本来なら自分の獲物をほかの個体に見えるようなところに出しておきません。しかし、飼い猫が獲物を運んでくるのは、飼い主のそばを「獲物を横取りされる心配のない安全な場所」だと確信しているからです。
これは人間のことを「自分の獲物を奪わないちょっと変わった大きな猫」として信頼している証拠です。
昔は虫や鳥だった獲物も、猫が室内飼いとなった今ではおもちゃに代わりました。獲物を受け入れる飼い主も安心ですね。
4.おしりを顔に向けてくる
目の前でくるっと向きを変えて、おしりを向けてくるのは明らかに猫同士の挨拶です。
猫のおしりにある肛門嚢から、個体特有のニオイが含まれるフェロモンが分泌されています。このニオイを嗅がせることは、相手を信頼して自分自身のことを教える開示行為です。同時に、後ろ向きになることで攻撃する気持ちがないことの証明にもなります。
これは、子猫の頃に母猫にお尻を舐めてもらっていたときの名残ともいわれ、猫同士の甘え方や挨拶をそのまま人間にも採用してしまっているのです。
猫が飼い主を大きな猫として接する心理

なぜ猫は人間を「人間」としてではなく「大きな猫」として扱うのでしょうか。猫はすべての生き物に対して猫同士のルールで対応します。人間や犬だけでなく、ロシアの動物園に忍び込んだ猫はオリの中のクロクマと仲良く過ごし、米国のマリンパークではイルカにスリスリする姿も見られています。
猫は人をはじめ、ほかの動物種に対してそれぞれを識別する回路を持たないため、「自分とは別の生き物」として認識しないといわれています。それは猫が「人にしか見せない特別な行動は何もない」という事実に基づいています。つまり猫は相手が誰でも同じ行動をするのです。
では、猫はほかの個体をどのように分類するかといえば、それは「獲物か」「敵か」「猫(仲間)か」の3パターンだけ。そのため、猫は相手の種類に関係なく、攻撃性があるか、ないかのどちらかと獲物かどうかだけを分けるのです。
そして、自分に食事を与えてくれる人間を「母猫」のように捉え、子猫のような心理的依存で接し、ときには一緒に遊ぶ対等な同居猫のように感じているのです。
まとめ

「猫は私たち人間を大きな猫だと思っている」と提唱した動物行動学者のジョン・ブラッドショー博士によれば、犬が人間に対しては犬同士でしない行動を取るのに対して、猫は人間にも犬(ほかの動物)にも、猫同士のルールが採用されることがわかりました。
普段何気なく見ている猫の行動の中には、「こういう場面ではこうやるんだ」と子猫の頃に学んだ代々引き継がれている猫的文化があります。
猫は相手の大きさや形、種別などではなく、敵か味方か獲物という3つだけで分ける考えがあるからこそ、いろいろな動物とも親和性を持って接することができるのでしょう。異種間で仲良くしている姿は本当に癒されますよね。