一晩中、玄関前で待ち続ける猫

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不動産業のSarah Martinezさんは、20年間のキャリアをもつベテランです。しかし顧客が購入した家の玄関先に「同じ猫が毎日やってくる」と聞いて、たいへん驚きました。こんなことは初めてでした。
その猫は玄関マットの上で丸くなって寝ていました。家の持ち主がすっかり変わってしまったことなど、まるで気にもとめていないかのようにリラックスしていたのです。
新居に越してきたJohnsonsさん一家が初めて猫を見つけたのは、雨の朝でした。玄関マットの上で、まるで彼らが起きるのを待っていたかのように、完璧な姿勢で座っていたのです。灰色の毛はびしょ濡れでしたが、気にもしていないようすです。この家に見知らぬ人々が住んでいることにも、まったく動じませんでした。
それから毎日、猫はやって来ました。日没ごろに来て玄関マットの上に落ち着き、そこで夜を過ごしたのです。家の中に入ろうとしたり、鳴いて迷惑をかけることはありませんでした。自分の居場所をきちんと知っているかのように、ただ辛抱強くそこで待っているだけなのです。
施設に移った前の飼い主

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「最初は、路頭に迷った野良猫かと思いました。でもこの猫の目には、だれかがドアを開けてくれるのを期待しているような光が感じられたのです」というのはJohnsons夫人です。
近所の人たちにたずねたところ、衝撃的な真実が判明しました。猫の名はMiloといい、子猫のときにその家の以前の持ち主であるEleanor Harrisさんに保護され、8年間一緒に暮らしていたのです。ところが高齢のEleanorさんが認知症になり、介護施設に移らなければならなくなったとき、彼女の親戚たちはMiloを引き取ることができませんでした。
事情を知ったJohnsonsさんたちは、繰り返しやって来るMiloを無視することができなくなりました。餌と水を置き、玄関ポーチに小さな雨除けの小屋を作ったのです。一時的な対応ではありますが、けなげな猫をかわいそうに感じたからでした。
転機が訪れたのは、Eleanorさんが暮らす介護施設に連絡を取ったときでした。彼女の認知症はかなり進行していましたが、Miloの名前を伝えると、表情がぱっと明るくなったといいます。そこで施設のスタッフは、Eleanorさんがビデオ通話でMiloと会えるように手配してくれました。
2つの家を得たMilo

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やがてJohnsonsさん一家は、Miloを家族に迎えることを決断しました。同時にEleanorさんが定期的にMiloに会えるようにも取り計らったのです。
Eleanorさんは、症状が改善しているときはしっかりMiloのことを覚えていますが、混乱状態のときは理解できないこともあります。それでもMiloはただ膝の上でゴロゴロと喉を鳴らし、猫独特の「愛と慰め」を彼女に与えているのです。
というわけで、現在Miloは2つの家で暮らしています。1つは日々のケアをしてくれるJohnsonsさん家族、もう1つは子猫のときに初めて愛を教えてくれたEleanorさんとの定期的な面会です。
一連の出来事は近所でも噂になりました。住民たちは「家を追われたペット」や「ペットの世話に助けが必要な高齢者」に配慮するようになったのです。ここではお互いを気遣うコミュニティが育ち、入院を控えた飼い主のペットを一時的預かる家族も現れてきています。
「今回の経験を通して、家は単なる建物ではないことを学びました。Miloにとっては、Eleanorさんが自分の家なのです。この猫が家庭を取り戻すための手助けができたことを、本当にうれしく思っています」とJohnsonsさんは話しています。
出典:Cat sleeping on doormat of old home reveals heartbreaking reason that made new owners cry