高齢猫は注意!「関節炎」とは?

関節炎とは、関節内の軟骨や周辺組織が炎症を起こし、痛みや動きの制限が生じる疾患です。人間だけでなく猫にも多く見られ、とりわけ7歳以上のシニア猫や10歳を超えた高齢猫に発症しやすいとされています。
というのも猫の関節は骨と骨をつなぐクッションの役割を果たす軟骨によって保護されているのですが、加齢とともにこの軟骨が少しずつすり減っていくからです。
軟骨が減少すると骨同士が直接こすれ合い、炎症や痛みが生じます。これが変形性関節症(骨関節炎)と呼ばれる状態で、猫の関節炎の中でも一般的なタイプです。
また、四肢の関節だけでなく「背骨」に症状が出ることも珍しくありません(変形性脊椎症)。
若いうちは強靭な筋力でカバーできていても、代謝が落ち、筋力が低下してくる高齢期に入ると、蓄積されたダメージが表面化しやすくなるのです。
一度発症すると完治が難しく、進行を遅らせることや、痛みを緩和して「生活の質(QOL)」を維持することが治療の主な目的となります。
「なんとなく動きがゆっくりになった」「寝ている時間が増えた」「ジャンプしなくなった」といった、一見すると単なる加齢現象に見える変化の裏に、実は関節炎の痛みが隠れていることが多いのが、関節炎の大きな特徴です。
また、猫種によっては遺伝的に若いうちから発症する関節炎もあります。痛みを抱えた辛い生活を長引かせないためにも、猫の関節炎は早期発見と痛みのコントロールが非常に重要となります。
猫の関節炎の原因や症状は?

原因
猫の関節炎は、さまざまな要因が重なって発症します。代表的な原因は以下の通りです。
- 加齢
年齢とともに軟骨がすり減り、関節のクッション機能が低下する
- 肥満
体重増加により関節への負担が大きくなる
- 外傷や事故
過去のケガが関節の変形につながる
- 遺伝的・先天的異常
遺伝性の関節症の素因や関節の形成異常があると発症リスクが高まる
特に高齢猫では加齢による影響が最も大きく、関節の修復が追いつかなくなることで発症しやすくなります。
症状
猫の関節炎は分かりにくい症状が多く、見逃されがちです。しかし次のような症状があらわれたら、一度獣医師に相談することをおすすめします。
- 高い場所に登らなくなる
- 動きが鈍くなる、寝ている時間が増える
- 毛づくろいの回数が減る
- トイレや段差の動作を嫌がる
- 歩き方がぎこちない
- 触られるのを嫌がるようになる
これらの症状は関節の痛みや可動域の低下によるものかもしれません。猫は痛みを隠す習性があって分かりにくいうえに、「年だから」と見過ごされやすい点に注意が必要です。
猫の「関節炎」予防法は?

関節炎を完全に防ぐのは難しいですが、日常的なケアによって発症リスクを下げたり、進行を遅らせたりすることができます。
まず非常に重要なのが体重管理です。肥満は関節への負担を大きく増やすため、食事量のコントロールと定期的な体重測定を心がけましょう。
次に、適度な運動によって筋肉量を維持するのも関節を支えるうえで効果的。人もそうですが、猫もなるべく若いうちから筋肉をつけて(貯筋)、加齢に負けない体作りが大切です。
加えて、早期発見のために日頃から行動の変化を観察し、違和感があれば早めに動物病院を受診するのを忘れずにしましょう。
とくに関節疾患になりやすい、スコティッシュフォールド、マンチカンなどの猫種は若いうちから細心の注意が必要です。
まとめ

高齢の猫にとって、関節炎は避けて通るのが難しい疾患の一つといえます。しかし、猫が言葉で「痛い」と伝えられない以上、日常の些細な変化に気づいてあげられるのは飼い主だけです。
「年をとったから動かなくなっただけ」と決めつけず、少しでも歩き方やジャンプの様子に違和感を覚えたら、動物病院を受診してください。
まずは今日から、愛猫が歩く姿や毛づくろいをする様子をじっくりと観察することから始めてみましょう。大切な家族がいつまでも自分らしく動けるよう、今できるケアを今日から取り入れてみてください。