猫が転嫁行動をする3つの理由

転嫁行動とは、イライラや葛藤した気持ちを、その原因とは無関係な飼い主さんや同居猫にぶつける行動のことです。猫が人を引っかいたり、噛んだりする行動の約半数は、転嫁行動によるものだという説もあります。その理由についてみていきましょう。
1.過剰な興奮
窓の外に野良猫があらわれた、いきなり大きな音がした、遊びが過熱したといった場面で、猫が突発的な興奮状態になり攻撃行動に出ることがあります。
たとえば完全室内飼いの猫が窓越しに野良猫を発見した場合、縄張りへの侵入者として威嚇しようとしますが、ガラス越しでは直接攻撃できません。その結果、行き場を失った興奮を発散しようとして、近くにいる飼い主さんや猫へ攻撃をすることがあるのです。
興奮が収まらないうちに近づいたり声をかけたりすると、刺激となって転嫁行動を引き起こしやすくなるため注意しましょう。
2.欲求不満
欲求不満は、遊び・運動・狩猟をはじめとする本能的な行動ができず、慢性的に欲求が満たされないことで生じます。「やりたいのにできない」という状態が積み重なった結果、攻撃的な行動に出てしまうのです。
十分な遊びの時間が確保されていない、刺激が少ない環境に置かれているといった場合に起こりやすいともいわれています。
転嫁行動のきっかけは些細なことでも、そこに至るまでにはたくさんの不満が積み重なっている可能性が否定できません。欲求不満による転嫁行動が頻繁に見られる場合は日頃の接し方を見直す必要があるでしょう。
3.環境の変化によるストレス
猫にとって、慢性的な環境のストレスは転嫁行動の原因になります。たとえば、引越しや家族の増減、同居猫との関係悪化などが理由として考えられるでしょう。
欲求不満が「やりたいことができない」という内的な要因からくるストレスであるのに対して、環境の変化によるストレスは、外的な要素が原因になるという違いがあります。そのため対処法も異なります。
転嫁行動が数日間続く場合は、慢性的なストレスを抱えているサインかもしれません。放置すると体調不良、粗相や物品の破壊など、ほかの問題行動にまで波及する可能性があります。何がストレスになっているのかを観察して対策を講じることが大切です。
トラブルを未然に防ぐ方法とは?

転嫁行動の予防は、原因となる刺激を特定して取り除くことが基本です。
窓の外の野良猫に反応するならカーテンで視界を遮り、音に敏感な子には静かな居場所を確保するようにしましょう。多頭飼いの場合は安心して過ごせるように、個別の寝床やトイレ、食事場所を用意する必要があります。
また、爪とぎを複数箇所に設置する、遊びの時間を毎日設けるといった日常的なストレス発散も予防に役立ちます。
転嫁行動の最中は、興奮状態ですから声をかける、撫でるといった行動は攻撃を助長する可能性があるため避けてください。適切な距離を取り、静かに落ち着くのを待ちましょう。
まとめ

猫の転嫁行動の主な理由は、過剰な興奮、欲求不満、環境の変化によるストレスだといわれています。決して、悪意があって攻撃しているわけではありません。
転嫁行動の際は、猫自身もイライラや葛藤した状態にあります。ストレスはさまざまな問題行動の原因にもなりえます。転嫁行動のサインを見逃さず、原因を特定して取り除くことがトラブル防止につながるでしょう。日頃から愛猫の行動パターンを観察し、変化に気づける環境を整えておきましょう。