猫の吐瀉物の色5種類とその原因

猫は日常的に吐く動物で、心配のいらない嘔吐も多いといわれています。その一方で、吐瀉物の色によっては病気の可能性を考慮する必要があります。色の違いによる原因とその危険性について確認していきましょう。
1.白・透明
猫が白い泡や透明な液体を吐く場合は、空腹時間が関連していると考えられます。お腹が空き過ぎると、胃酸が過剰に分泌されて胃壁を刺激して吐いてしまうことがあるのです。朝方や食事の直前に多く見られるのが特徴です。
この場合の嘔吐は単発的で、食欲や元気には変化が見られず、病気の可能性は低いと考えられます。食事の回数を分けて空腹時間を短くするなどの工夫で収まることも多いです。
ただし、透明な液体を何度も繰り返し吐く、食欲不振が見られる場合は、胃炎などの消化器トラブルが隠れている可能性があるため注意が必要でしょう。
2.黄色
吐瀉物が黄色い場合は、十二指腸から逆流してきた胆汁が含まれていると考えられます。これも白や透明なときと同様に、空腹の状態が長く続いたときに起こりやすい嘔吐です。胆汁が胃を刺激することで、胃液と一緒に排出されるために黄色くなります。
たまに黄色い液を吐く程度で、食欲や元気がいつもどおりなら過度な心配はいりません。
一方で、食事の間隔を調整しても改善しない、吐いたあとにぐったりしているといった様子が見られる場合は、膵炎や胆管炎などの消化器疾患が原因になっている可能性があります。
3.赤色・赤黒い色
吐瀉物に赤色が混じっている、あるいは全体が赤黒い場合は、消化管内での出血が疑われます。
鮮やかな赤色であれば口の中や食道などの口に近い部分からの出血の可能性が高いでしょう。一方で、赤黒くコーヒーの残りかすのような状態であれば、胃や十二指腸で出血した血が胃酸と反応して変色したと考えられます。
赤色もしくは赤黒い色の吐瀉物は、病気のサインで猫の体に大きな負担がかかっている状態です。口内炎や異物による傷、潰瘍のほか、腫瘍といった深刻な原因が潜んでいる可能性も否定できません。
4.茶色
茶色の吐瀉物は、食べたフードの色がそのまま出ている場合と、血液が古い状態で排出されている場合の2つの原因が考えられます。
キャットフードが未消化のまま吐き出されたのであれば、食べ過ぎや早食いが原因の嘔吐の可能性があります。1度きりの嘔吐で元気や食欲がいつもどおりであれば、過度な心配は不要です。
一方、食べ物の形がなく、ドロドロとした茶色の液体の場合は注意が必要です。何らかの原因による消化不良、消化管疾患や、消化管で出血が起きている、重度の胃出血などの可能性が考えられます。
5.緑色・黄緑色
緑色や黄緑色のものを吐いたときは、胆汁が大量に混ざっている、または猫草などの植物を摂取したことが原因としてあげられます。猫草を食べた直後であれば自然な反応ですが、食べていないのに鮮やかな緑色の液体を吐く場合は重篤な消化器疾患の可能性が否定できません。
たとえば、異物誤飲による腸閉塞の可能性もあります。腸閉塞は命にかかわる危険な状態です。また、胆汁の異常分泌や膵炎などの重篤な内臓疾患なども疑われます。
危険なサインと受診の目安

吐いたあとも普段通り元気で食欲もあれば、自宅で様子を見ても問題ないことがほとんどです。しかし、以下のような症状は危険なサインです。速やかに動物病院を受診してください。
- 何度も繰り返し吐く
- 吐き気が止まらず水も飲めない
- 白や透明、黄色以外の吐瀉物
- 下痢や発熱
- 元気や食欲の消失
- 腹痛を疑わせるような姿勢 など
受診の際には、いつから、何回、どのような色のものを吐いたかを記録し伝えられるようにしておきましょう。また、吐瀉物を撮影しておくと診察の際に役立つ場合があります。
まとめ

猫は食べすぎや早食い、毛玉など病気以外でも吐くことの多い動物です。そのため飼い主さんが吐くこと自体に慣れてしまい、異常を見逃すケースも少なくありません。
白い泡や黄色い液体であれば心配のないことがほとんどですが、赤色や緑色の場合は緊急性が高く危険です。今回紹介した危険な吐瀉物の色を頭に入れておき、いざというときに落ち着いて判断できるようにしておきましょう。