猫の健康維持に欠かせない『必須脂肪酸』4種

食事療法を必要とする猫を除き、一般的な猫には総合栄養食を食べさせることが求められています。
なぜ手作りご飯だけではダメなのでしょうか。それは食事からしか取り込めない重要な栄養素があるから。しかも猫の場合は複雑なので、完全に網羅された総合栄養食が理にかなっているのです。
今回はその重要な栄養素の1つである『必須脂肪酸』を4つ紹介いたします。
1.DHA(ドコサヘキサエン酸)
オメガ3脂肪酸に分類されるDHA。脳や神経のはたらきを維持するために欠かせません。
2.EPA(エイコサペンタエン酸)
同じくオメガ3脂肪酸に分類されるEPA。主に免疫バランスの維持を助けるはたらきを持ちます。さらに炎症を抑えるはたらきがあり、関節炎の予防に役立つ可能性があります。
3.リノール酸
こちらはオメガ6脂肪酸に分類される成分です。主に皮膚のバリア機能の維持や、毛艶を良くするはたらきを持ちます。
4.アラキドン酸
リノール酸と同様に、オメガ6脂肪酸に分類されます。
アラキドン酸はホルモンの合成や、免疫反応に関与する成分です。全身の健康を維持するための要のような存在です。
『必須脂肪酸』が与える影響は?不足するとどうなるの?

『必須脂肪酸』は猫が元気に活動するうえで欠かせない成分だということが何となく伝わったでしょうか。ここからはさらに詳しく掘り下げていきます。
『オメガ6』と『オメガ3』のバランスが重要
先ほど紹介した4つの成分はいずれも体内では合成されず、食事から補う必要があります。とはいえ、無限に取り続ければ良いというわけではありません。
現在では『オメガ6』と『オメガ3』を5:1の割合で摂取することが理想とされています。もちろんこれは総合栄養食を適切に与え、過剰にサプリメントを与えなければ維持することが可能です。
しっかりと食事の管理ができていれば問題ありませんので、バランスが重要であることを覚えておいてください。
毛艶の善し悪しに影響する
体調不良や加齢によって食欲が低下すると、自ずと必須脂肪酸の摂取率も低下します。
特にリノール酸が不足すると毛艶が悪くなり、パサつきが生じます。逆にきちんと摂取できていれば年齢に関係なく美しい毛並みをキープすることができるでしょう。
いつまでもアクティブに
ホルモンバランスを整え体調を維持するアラキドン酸。そして炎症を抑え、免疫系統をキープするEPA。
日々の食事が問題なく摂れる猫は比較的、シニアになってもイキイキしています。子猫ほどの活動性はなくともアクティブに過ごすことができるので、食欲の有無はしっかり把握してあげてください。
若い頃と比べて食が細くなったと感じたら獣医さんに相談を。愛猫にあったキャットフードを提案してくれます。
認知機能の善し悪し、身体機能の善し悪しにも影響が
DHAは脳と神経に影響を及ぼします。つまり不足すると身体の動きに悪影響が出てしまい、正しく運動できなくなる恐れがあります。
加えて認知機能にも影響を及ぼし、認知症のような症状が出てしまう可能性があります。
猫の場合はしつこく食事の催促をする・トイレの場所が分からなくなる・家具の隙間から出られなくなる・同じ場所を行き来するなどの行動が認知症に相当します。
このような症状がある場合は他の病気との鑑別も重要になるため、取り急ぎ診察を受けるようにしてください。尚、不自然な行動は動画に残しておきましょう。診察に役立ちます。
まとめ

今回は猫の健康維持に欠かせない、4種類の『必須脂肪酸』について紹介いたしました。
日々の食事(総合栄養食)をきちんと摂ることで必然的に維持されるので、たかが食事と思わずによく観察するようにしてみてください。
ただし、愛猫の健康状態が気になるからと過剰にサプリメントを与えるのは逆効果です。あくまでもバランスが大切です。
皆様の愛猫はよく動いてくれますか?毛艶はどうですか?伸びや爪とぎをしていますか?これらに不安がある場合はまず、かかりつけの動物病院にご相談を。
逆に年齢を問わず毛艶が良好で、トイレや食事の移動が難なくこなせている猫は必須脂肪酸が上手く作用しているのかもしれません。
改めて愛猫の行動や食べっぷりを振り返ってみてください。