猫が甘えなくなったときに考えられる5つの原因

猫が甘えるのをやめる原因の中には、一時的な気持ちだけではなく、健康的な問題も含まれることがあります。
「最近なんとなく距離を置かれている気がする」と感じたら、以下の5つの原因と照らし合わせながら、愛猫の様子をじっくり観察してみてください。
1.健康面の問題
猫には、外敵から身を守るために、自分の体調不良を隠して他者との接触を避けようとする本能があります。特に口内炎や関節炎による痛みや、内臓疾患による倦怠感などがある場合、飼い主とのスキンシップを拒む「冷たい態度」に繋がることがあります。
猫の態度がおかしいなと感じたら、食欲不振や飲水量、毛づくろいの減少、トイレの状態などの変化に注意しましょう。高齢猫の体力低下が影響している場合もあるため、ぐったりと寝てばかりいるなど、いつもと違う様子が見られたら病院でみてもらうことが大切です。
2.環境の変化によるストレス
猫はいつもの生活環境が急に変化することが苦手です。引越しや模様替え、家具の買い替えといった変化でも、ニオイや空間の違和感から、ジワジワとストレスになっていることがあります。
また、新しい家族やペットのお迎えによる縄張りの乱れや、飼い主の帰宅時間の変化といった生活リズムの変化も、猫の心に緊張感を及ぼす一因となります。
こうしたストレスはただ甘えなくなるだけでなく、引きこもりや粗相、過剰グルーミング、食欲のムラといった行動の変化として出ることもあります。「季節の変わり目」で済ませるのではなく変化にこそ注意しましょう。
3.飼い主との関係性の変化
飼い主の接し方も原因になることがあります。猫は嫌だった記憶を強く持つため、そんなにひどい扱いでなくても、原因になりかねないのです。
たとえば、望んでいないタイミングで抱っこされる、眠いのにいつまでもスキンシップが繰り返されるなどがあれば、次第に飼い主を避けたくなるようになります。
撫でているとそっぽ向いてイカ耳になる、近づくと何かを思い出したかのようにそそくさと立ち去るといった行動が見られます。もっと拒絶が強まると抱っこしようとすると、うなぎのようにヌルヌルと動いて拒み、場合によっては後ろ足でキックするといった直接的な拒否反応をすることもあります。
4.成長や加齢による変化
成長や加齢によって猫が甘えなくなってくることもありますが、これはごく一般的な変化です。
子猫から成猫へと成長する生後半年から一年前後の「思春期」には、自立心が芽生えることから、以前ほど人に対してもベタベタとスキンシップを求めなくなることがあります。これは健全に成長している証拠です。
また、7歳を過ぎたシニア期に入ると、性格の個体差が顕著になることから、一層甘えん坊になることもあれば、逆に静かにひとりの時間を好むようになることもあります。
食欲や元気に問題がなく、健康的な状態での変化であれば、加齢に伴う自然な変化のひとつです。
5.季節や気温の影響
猫は日照時間や気温によって体内時計が反応します。猫が急に甘えなくなるタイミングが一定のサイクルであり、季節や気温の変化によるものなら、それは生理的な反応であり、過度な心配は不要です。
特に夏場は暑くなることから、わざわざ温かい飼い主の体に密着しようとは思わないでしょう。あるいは、猫が苦手な冷房が効いている部屋なら、飼い主がいても寄りつかないということも考えられます。
また、猫の発情シーズンには、外から聞こえる野良猫の声に敏感になり、飼い主にも近寄りたくない猫もいます。これは避妊去勢をしていても変わりません。時期が過ぎれば元に戻ります。
猫が甘えなくなったときの改善方法は?

猫が甘えなくなったとき、第一に考えたいのは、食欲の変化や元気減少などの体調不良がないかどうかです。もし、疑われる場合は、まず獣医師に相談しましょう。いつも一緒にいる飼い主さんの観察眼によって、思いがけない病気が出てくることもあります。
生活環境の変化は、猫にとって不可抗力なので、猫がひとりで安心して過ごせる場所が、飼い主や同居ペットに荒らされず、きちんと守られているかがとても重要です。エアコンやシーズン別の寝床で温度も保てれば、季節による変化にも対応できます。新しい家族がいるなら、急に引き合わせず、少しずつ慣らす期間を設けましょう。
実際に猫が甘えなくなるのは、必ずしも飼い主との関係性が変わったわけではありません。あくまでも猫は自分の状態に従っているだけなのです。そのため、行動だけでなく気持ちの面でも猫を追いかけすぎないことが大切。
声掛けやおもちゃでのお誘いに猫がノッてくるようなら、いつも通りのコミュニケーションをしてみましょう。飼い主が変わらないスタンスでいることは、猫にとって何よりの安心材料です。
まとめ

猫が突然甘えなくなる原因は、病気やストレス、成長など多岐にわたります。最も注意が必要なのは体調不良が隠れているケースです。猫は痛みを隠す習性があるため、甘えなくなっただけでなく、食欲不振、嘔吐、下痢、排泄の異常など、他のサインがないか入念に確認し、異変があればすぐに受診しましょう。
一方で、原因が性格の変化や季節的なものであれば、焦らず猫のペースに合わせることが一番の近道です。「甘えてこない=嫌われた」ではなく、猫の気持ちの変化を読み取ることが必要です。もちろんこれは、飼い主の行動が起因となることもあります。
場合によっては、これまで通りに甘えてこなくなることもありますが、愛猫が家族であることを前提に「今はそういう時期なのだ」とゆったり構え、適度な距離感を保っていきましょう。