猫の『健康状態』を見分けるポイント5つ

猫は熱があっても辛いと言葉で言い表すことができません。体が痛くても痛いと訴えることすらできません。それでも確実に体調が悪い時があります。
そんな時"お願い気づいて"というのが猫の思いであり"些細な変化をキャッチできれば"というのが飼い主さんの思いでしょう。
今回は『健康状態』を見分けるポイントを5つ紹介いたします。
1.食欲があるかどうか
食欲は最も重要なバロメーターです。多少の食べるムラこそあれど、猫は基本的に食べることを放棄するような生き物ではありません。特に次のようなポイントを着目してみてください。
- 普段通り食べられているか
→準備段階で決まった反応が見られるかどうか、食べ始めるまたは食べ終わるまでの時間がいつもより長くないか
- 食べにくそうな様子がないか
→食べたいけれど食べられない様子はないか
猫の"食べない"にもいくつか種類があります。準備段階での反応や食いつき、何割程度食べたか、全く食べない時は1日を通してどの程度その状態が続いているのかをチェックしてみてください。
食べ方が明らかにおかしいと感じたときは動画を撮影してください。診察の際に役立ちます。
2.排泄は普段通りかどうか
次に重要なのは排泄です。子猫の場合は、排尿が1日あたり4回〜5回、成猫の場合は1回〜3回程度あるのが平均です。
排便に関しては一般的な子猫(自力でフードを食べる月齢)で2回〜4回、成猫の場合は1回〜2回が平均値になります。これを踏まえたうえで、次のようなポイントを確認してみてください。
- 尿が出ているかどうか
→回数ばかりが多くて出ていないのは異常です
- 頻尿になっていないかどうか
→チョロチョロした尿を繰り返してはいないか
- 尿の臭いはいつも通りか
→ツーンとする:膀胱炎の前触れの可能性あり
- 色はどうか
→薄い黄色〜濃い黄色までが正常
→無色の場合は腎機能に異変がある可能性あり
→茶褐色の場合は肝機能に異変がある可能性も
→赤や赤褐色の場合は血尿
- キラキラしたものが混ざっていないかどうか
→膀胱炎や尿路結石の初期症状として、尿にキラキラした砂のようなものが混ざることもある
- まる1日排尿がない
→何らかのおしっこトラブルの可能性あり、すぐに受診を
- 便臭は変わらないかどうか
→非常に臭い:腸内環境が乱れている恐れあり
- 便の硬さはどうか
→コチコチ:水分不足・便のかさが少ない
→軟便:腸内環境が乱れている恐れあり
→水様便:繰り返す場合は要診察
→血便:原因は様々のため要診察
尚、猫の血便は人間ほど深刻ではないケースも多いのですが、原因を確かめる意味で一度診察を受けるようにしてください。
オス猫の場合は尿道が細く曲がっているため、排尿がないことに気づいた時点で診察を受けるようにしてください。(尿路結石で命を落としやすいのは圧倒的にオス猫です)
3.毛繕いと伸びはしているか
猫は日々、毛繕いをする習慣があります。ある日を境にしなくなってしまった場合は要注意です。特に7歳以上の猫にこの様子が見られたら、関節炎の可能性があります。
伸びも同様です。普段から伸びをしてから動き始める猫は、伸びの有無を確認してみてください。
ある猫の飼い主さんは、「うちの子が伸びをしなくなりました」と言って動物病院を訪れたそう。その後関節炎の治療を受け、事なきを得たのだとか。
4.元気はあるか?好物に興味を持つか?
遊び盛りの子猫は毎日必ず遊びます。ひとり遊びが好きな猫はお気に入りのおもちゃで遊んだり、走り回るのが普通です。
比較的おっとりした性格の猫や成猫でも、ひなたぼっこをしに行ったり、飼い主さんに甘えたり、何かしらの動きはあるはずです。
日頃のルーティンに乱れが生じている場合、これまでのような動きが一切見られなくなってしまった場合は『元気がない』と疑ってください。
また、好物に興味を示すかどうかも重要なポイントです。大好きなおやつに無反応な場合、食べたそうにはするけれど動かない場合は、何らかの不調を疑いましょう。
5.水は飲んでいるかどうか
猫は元々砂漠で生活していたため、あまり水を飲まなくても生きられる体が備わっています。ただしこれはあくまでも極限状態の話です。水がある環境にいる以上は、しっかり水分補給をしてくれるに越したことはありません。
皆様の愛猫はしっかりと水を飲んでいますか?あまり好まない場合は次のような対処法を試してみてください。
- 水の温度を変える
→お腹を壊さない程度に冷やす
→人肌程度に温める
- 水の種類を変える
→湯冷ましor浄水器で濾過した水を飲ませてみる
→ミネラルウォーターは不可(尿石症の観点から)
- 器を変える
→ヒゲに触れない形のお皿で飲ませてみる
→自動給水器を導入してみる
- こまめに水を変える
→猫は新鮮な水を好むため
異変に気づいたら?対処すべきこと

愛猫の小さな変化に気づくためには、先ほどのポイントを日々チェックし、記録しておくことが大切です。そしてその様子は、ご家族全体で共有することもまた愛猫を守るためのポイントとなります。
家族LINEやスケジュールアプリ、アナログなノートへの記入などやりやすい方法で健康状態を報告し合ってみてください。
さらにここからは、異変に気づいた際の対処法について紹介いたします。
動画に残す
猫の動作に異変がある場合は、動画の撮影を行ってください。特に食べ方の異変や歩き方の異変は伝えにくいものです。既に一旦、症状が落ち着いていることもあります。
咳や繰り返すくしゃみ、いびきなども同様です。気になる様子は動画に残す習慣をつけてみてください。
まる1日排尿がなければ受診を
性別を問わず、まる1日排尿がなければ診察を受けてください。体にかかる負担が軽くなるでしょう。
便の場合は数日出ないことが確認できたら受診してください。日数があまりたっていなくても、食欲不振や嘔吐などが併発したらすぐに受診しましょう。
ただし、便秘以外にも嘔吐を繰り返す・明らかに食欲がなくぐったりしているなどの様子がある場合はその限りではありません。飼い主さんから見て愛猫が辛そうだと思った時点で相談するようにしてください。
数日絶食状態が続くと危険です。診察を受けて
猫は絶食状態が続くと肝機能にダメージが及びます。全く食べなくなってしまったら、必ず診察を受けてください。
尚、猫の場合は些細な環境の変化や心境の変化でも食べなくなることがあります。フードを人肌程度に温める・マタタビをふりかけてみる・ウェットフードを混ぜてみるなどの対処法も試してみてください。
それでも尚食べる様子がない場合は、体調不良の可能性が高いです。
まとめ

今回は、猫の健康のバロメーターである健康状態の見分け方と対処法について紹介いたしました。
猫は我々が思う異常に繊細な動物です。ちょっとしたフードの変化で食べなくなってしまったり、トイレの砂が変わるだけで排泄ができなくなることも珍しくありません。
今回は主に極端な変化がないのにも関わらず"おかしい"という状況にフォーカスを当てました。日頃から愛猫の"普通"を把握し、よく見比べてみてください。
最後に飼い主さんの勘は『母の勘』です。毎日一緒にいるからこそ気づけることも多くあるので、少しでも違和感を覚えた場合は獣医さんに相談してください。