猫との遊びをサボると起こりうるトラブル3つ

ちょっとした猫の行動トラブルは、遊び不足が原因のこともあります。
特におもちゃ遊びは単なる暇つぶしだけではなく、猫の精神に影響する栄養のようなもの。遊び不足を放置すると次のようなトラブルを引き起こします。
ここでは、運動・ストレス・社会的関係の3つの面で見ていきましょう。
1.運動不足や肥満
子猫の頃は飛び回って遊んでいた猫も、2歳3歳になって落ち着いてくると、以前ほど激しく遊ばなくなり、自然と飼い主が忙しいときには遊びをサボりがちになることがあります。
おもちゃを使った遊びが減ると、日中留守番で寝て過ごしている猫は、一日の活動量が落ちてしまいます。消費カロリーが減る一方で食事から摂取するカロリーが変わらなければ、体重は少しずつ増加するでしょう。日本の飼い猫は、4割が肥満だと指摘されています。
肥満が進むと糖尿病や関節への負担、心臓への負担の増加など、深刻な健康トラブルにつながるリスクがありますし、若いうちから筋力が低下する可能性もあります。
2.ストレスから起こる問題行動
遊びには、猫が本来持っている「狩猟本能を満たす」という大切な役割があります。遊ぶ機会が失われると、解消されるべきストレスや退屈がじわじわと蓄積されていきます。
それらが限界に達すると、問題行動として表れてくることがあります。軽度の場合には、家の中を走り回る運動会程度で済みますが、場合によっては家具への爪とぎや過剰な鳴き声、噛みつきなどをすることがあります。
毛布やぬいぐるみを噛むだけならいいですが、飼い主に向かう危険もあります。あるいは、過剰グルーミングや我慢しすぎによる消化器系の不調なども引き起こします。
問題行動は、ストレスの積み重ねがきっかけだといわれますが、実は猫のストレスは「遊び」で解消することも可能なのです。
3.関係の希薄化
人間から見ると、猫との遊びはおもちゃを振ったり投げたりするだけの行動ですが、猫から見ると、動くものに反応して追いかけ、飛びかかって捕まえて噛むという狩り行動のリハーサルです。猫はこの一連の行動によって欲求を満たし、精神的な安定も得られます。
猫にとって遊ぶ時間を共有することは、ふれあいや抱っことはまた違った重要なコミュニケーションの時間になります。かつて母猫や兄弟猫との遊びの中で狩りの動きを学んだように、遊びは相手との信頼関係を深める大切なやり取りでもあるのです。
遊びをサボっていると精神的に共有するものが減るため、関係が希薄になりやすくなります。もちろん信頼関係は変わりませんが、「単なる同居人」や「食事の提供者」としてしか見てもらえなくなるかもしれないのです。
上手な遊び方

猫と上手に遊ぶためには、狩りの流れを意識することが大切です。猫じゃらしや釣り竿のような動きのあるおもちゃは本能を刺激しやすく、「追いかけて、捕まえて、噛みつく」という狩りの行動をさせることが容易です。
遊ぶタイミングは、可能であれば猫が活発になる夕方から夜がおすすめです。夜の食事の前に遊んでおくと、「狩りの後に食べる」という自然なリズムに近くなるので猫も満足感を得やすくなります。
そして、遊び方にはメリハリも重要です。同じ動きを続けると猫は飽きてしまい、座り込んで目で追うだけになってしまいます。ときどき動きに緩急をつけながら、最後は必ずおもちゃを捕まえさせて終わりましょう。
また、捕まえられないまま終わると欲求不満になることがあるため、遊びの締めくくりを意識して「これでおしまい」を決めることもポイントです。
ただし、高齢猫や運動が苦手な猫に対して、激しい遊びをさせると身体の負担になることもあります。手元で軽く遊べるおもちゃを使って、小さく安全に遊ばせても満足感が得られます。愛猫の様子を見ながら調整してみてください。
まとめ

猫のお世話の中では「遊び」の優先順位は低めの方かもしれません。しかし、あまりに遊びをサボりすぎると、運動不足やストレス、そして飼い主との関係性などにも影響を与えます。いずれも少しずつ進行するため、なかなか気づきにくいのも難点です。
そうならないためにも、猫との遊びは飼い主の日課として一日の予定に組み込んでしまいましょう。
目安としては、1日2〜3回、1回あたり10〜15分程度の遊びが理想的とされていますが、猫と飼い主さんの関係性や、全身状態によって異なります。もちろん、1日2日サボっても大きな問題にはなりませんから、ひどく疲れているときや忙しいとき、体調不良の日は無理をしなくても大丈夫です。
猫との遊びは、毎日短い時間でも継続することが、愛猫の心身の健康につながります。