猫は『自律神経失調症』になるの?主な症状から飼い主にできることまで

猫は『自律神経失調症』になるの?主な症状から飼い主にできることまで

猫は体調不良を言葉で伝えられないため、飼い主にとって非常に不安なものといえるでしょう。「なんだか元気がない」「食欲にムラがある」といった変化の裏には、自律神経の乱れが隠れているかもしれません。そこで今回は猫における自律神経失調症の症状や愛猫のためにできるケアについて解説します。

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記事の監修

麻布大学獣医学部獣医学科卒業後、神奈川県内の動物病院にて勤務。獣医師の電話相談窓口やペットショップの巡回を経て、横浜市に自身の動物病院を開院。開院後、ASC永田の皮膚科塾を修了。皮膚科や小児科、産科分野に興味があり、日々の診療で力を入れさせていただいています。

猫は自律神経失調症になるの?

甘えたい様子のベンガル猫

「自律神経失調症」とは、自律神経のバランスが崩れて本来無意識に調整されている身体の機能に異常が出る状態を指します。

猫でもこの状態になることがあり、獣医学では“自律神経障害”や“キー・ガスケル症候群”と呼ばれたりもします。自律神経は交感神経と副交感神経という2つの系からなっていて、呼吸・心拍・消化・体温調整といった生命維持に不可欠な機能を調整しています。これらのバランスが崩れると、猫の体調全般が不安定になり、さまざまな症状が現れるのです。

ただし原因はまだ十分に明らかになっていない部分も多く、診断も簡単ではありません。特に猫はストレスや環境の変化に敏感なため、環境の変化(季節の移り変わり、引っ越しや新しい家族が増えるなど)、あるいは些細な生活音のストレスが引き金となり、神経のバランスを崩してしまう可能性もあります。

猫の自律神経失調症の症状3つ

トイレ後の砂かけをするキジトラ

1.消化器系のトラブル(下痢・嘔吐)

自律神経は胃腸の働きをコントロールしているため、バランスが崩れると消化器に影響が出ることが多いです。

たとえば検査では異常が見つからないのに、軟便や下痢を繰り返したり、食べたものをすぐに吐き戻してしまったりする場合は要注意。

2. 目の異常

猫の自律神経が乱れると、目にもさまざまな異常が現れることがあります。例えば、明るい場所でも瞳孔が開いたままになる、光に反応しにくいといった症状です。

また、まぶたが少し下がる、目の内側から白い膜(瞬膜)が出る、目がくぼんで見えることもあります。

さらに、涙や目やにが増える場合も。ただし、これらの症状は神経疾患や目の病気などが原因のこともあるため、異常が続く場合は動物病院での診察が大切です。

3.排泄の問題(トイレ以外での排泄)

猫は自律神経が乱れると、排泄にもトラブルが起こることがあります。

自律神経は膀胱や腸の働きを調整しているため、何度もトイレに行く、尿もれやトイレ以外での排尿といった異常が見られるようになるのです。

猫の自律神経失調症で飼い主ができること

飼い主に抱っこされる白猫

猫の自律神経失調症は原因が明確でなく、根本から治す治療法は確立していないので、完治も難しいといわれます。そのため、基本的には対症療法と、猫のストレスを軽減して生活の質を保つことが大切です。

まず日常的に健康状態を観察し、異変があれば獣医師に相談しましょう。家の中では静かで安心できる環境を整え、急な環境変化を避けることがポイントです。また、毎日適度な遊びや、快適な休息スペースの確保なども忘れてはいけません。

症状には個体差があるため、猫のペースに合わせながら病気とつきあっていきましょう。

まとめ

木のテーブルの上でくつろぐ猫

猫の自律神経失調症は、完治が目指せない難しい病気だからこそ、早期発見が重要になります。少しでも「いつもと違う」と感じたら、早めに獣医師に相談しましょう。そして自宅では、愛猫がなるべくストレスフリーな状態になれる環境を整えてあげてください。

飼い主のサポートと適切な環境づくりが、猫にとって一番の薬になります。

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