猫とのスキンシップに取り入れたい『ツボマッサージ』の方法4選 効能や心地よくさせるコツも

猫とのスキンシップに取り入れたい『ツボマッサージ』の方法4選 効能や心地よくさせるコツも

「猫に、ツボ?」と思う人もいるかもしれません。現在の獣医学界では西洋医学が主流とされていますが、近年では東洋医学を取り入れる動きも増えてきました。東洋医学では、心も体も「一体である」として捉え、体全体のバランスを整えることを目的としています。「ツボ」もその方法のひとつです。ここでは、日常生活で実践できる猫のツボマッサージの方法を紹介します。

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記事の監修

2009年麻布大学獣医学部獣医学科を卒業。
2015年から横浜市内で妻と動物病院を営み、犬、猫、エキゾチックアニマルの診療を行なっています。
2024年現在、犬10頭、猫3頭、多数の爬虫類と暮らしています。
愛犬家、愛猫家として飼い主様に寄り添った診療を心がけています。
内科(循環器、内分泌など)、歯科、産科に力を入れています。

猫のツボマッサージの基本と注意点

顔をマッサージされる子猫

ツボマッサージは、東洋医学におけるエネルギーの反応点=経穴(けいけつ)を刺激して、健康維持や体調改善を目指すマッサージです。猫の体にも人間のツボと同じように、エネルギーの通り道(経絡)があり、特定のポイントを軽く押したりなでたりすることで、体のバランスを整える効果が期待されます。

今回は、毎日のふれあいの中で気軽にできるものを紹介していますが、実際に行う際は、力加減に注意をしてください。ツボはギュッと強く押すのではなく、指の腹で軽く圧をかけるか、やさしくゆっくりと撫でるだけで大丈夫です。力加減の目安は、母猫が子猫を舐めるような強さです。

1ヵ所あたり、10秒程度を目安にします。3秒かけてゆっくり押し、そのまま3秒キープし、3秒かけてゆっくり離すイメージです。もし触れている間に猫が嫌がる素振りを見せたら無理に続けず、すぐに中止しましょう。

なお、猫の体調が優れない時や興奮している時には行わないよう注意してください。今回紹介するツボマッサージは治療ではありません。気になる症状や異変があるときには、必ずかかりつけの獣医師に相談することを優先してください。

猫のツボマッサージの方法4選

足ツボを押される猫

ここからは、ちょっと本格的な猫のツボマッサージを紹介していきます。

動物の場合、「正しいツボの場所がわからない」ということがよくありますが、厳密な場所でなくても、骨や筋肉の「でっぱっているところ」「へこんでいるところ」「境目の際(きわ)」あたりを押すことで問題ありません。

猫の反応を見ながら、ゆっくりと無理のない範囲でやってみましょう。

1.避妊・去勢後の肥満対策

避妊去勢後はホルモンの変化から、どうしても太りやすくなってしまいます。適正体重を守るためには、食事量の管理やしっかりと遊んで運動させることが大切ですが、同時に食べ過ぎないようお腹が正しく働くためのツボで養生しましょう。

  • 中院(ちゅうかん)→みぞおちとおへその真ん中
  • 足三里(あしさんり)→後ろ足のひざ下から、猫の指の幅で数えて2〜3本分下の部分。骨の少し外側。

中院を中心に腹部を手のひらで猫の呼吸に合わせながら、クルクルとマッサージします。3〜4秒で1周するくらいのゆっくりなスピードで10周します。足三里を親指の腹で5回ほど圧をかけます。

ポイント:猫のお腹は強く押さないように注意してください。苦しい思いをすると、マッサージを嫌がるようになることがあります。

また、中院をマッサージする際は、おへその位置が正確にわからなくても大丈夫です。猫のおへそは肋骨の終わりから足の付け根の真ん中あたりにありますが、だいたいこのあたりかなと意識しながら行ってください。

2.冷えの改善

猫でも身体の冷えを放っておくと、血流が下がり、体内の防御力を落とします。身体が冷えると飲水量が減り、尿が濃くなりすぎることで尿路結石になりやすくなったり、軟便や消化不良などを引き起こしたりしてしまいます。身体を温めるツボで愛猫の健康を守りましょう。

  • 腰の百会(ひゃくえ)→背骨と骨盤のつなぎ目
  • 陽池(ようち)→前足の「手首」のやや外側、骨と骨の間の凹んだ部分

冷えの解消には、まず血流をよくするために、猫の手足の末端を軽く揉んでおきます。次に腰の百会を10〜15回くらい指圧しましょう。おしりトントンが好きなコは、ツボのあたりを軽くトントンしてもかまいません。続いて、親指の腹を使って陽池のツボを5〜10回押してあげます。

ポイント:肉球が冷たくなっている場合、陽池を押されると痛がることがありますので、嫌がったらすぐにやめてください。冷え対策は、部屋の温度を暖かく保つことや、食事を少しだけ温めて出すなど日ごろからの工夫も大切です。

3.泌尿器系ケア

猫はほかの動物と比べるとその特性から、膀胱炎や尿路結石、腎臓病などの泌尿器系のトラブルを起こしやすい動物だといわれています。ふだんから水分補給やトイレ環境など物理的なケアをするのはもちろん、ツボマッサージで体内の循環を良くしてあげましょう。

  • 腎兪(じんゆ)→肋骨の最後から腰椎2つ分うしろの背骨両脇
  • 三陰交(さんいんこう)→後ろ足のくるぶしから猫の指で4本分上

猫がリラックスしているときに、首から背中、しっぽの付け根まで、皮膚を軽くつまんで全体を緩めてあげます。猫が気持ちよさそうになってきたら、腎兪のツボを親指で10回ほどやさしく指圧します。

ポイント:このマッサージでは、背中側と後ろ足を押すので猫は寝転んでいるより、お座りしている状態がやりやすいでしょう。泌尿器トラブルは、命に係わるケースがあるため、異常があるときには、病院への受診と治療を優先してください。

4.毎日元気でいるためのツボ

猫の平均寿命が伸びているとはいえ、元気そうに見えている愛猫の身体は、日々少しずつ変化しています。目に見える不調がなくても、体調管理としてできることはあります。ツボマッサージを日常のケアとして取り入れ、毎日を楽しく健やかに過ごしてもらいましょう。

  • 湧泉(ゆうせん)→後ろ足の大きな肉球のかかと側の端
  • 腰の百会(ひゃくえ)→背骨と骨盤のつなぎ目のところ

まずは背中をゆっくりと撫でて気の流れを良くします。皮膚の表面が軽く動くくらいの強さで、首から腰にかけて両手で10〜20回ストロークします。次に、お腹を時計回りにゆっくりくるくるとマッサージしてリラックスを促進します。猫が足を開いて仰向けになるくらいくつろいだらOKです。そのまま、湧泉→腰の百会の順番に5〜10回ずつ、やさしく指圧します。

ポイント:お腹をなでるのは、体の力を抜くためなので、お腹を触られるのが嫌なコは飛ばしても構いません。腰の百会を押すときには、左右に力の差が出ないよう、一度うつぶせにしてから行ってください。

まとめ

背中をマッサージされる猫

今回紹介した猫のツボマッサージは、猫がリラックスして心地よいと感じているかどうかが大切です。少しでも嫌がる様子が見られたらすぐに中止しましょう。

猫が嫌がる理由は、触られる部位が苦手なことや、力加減やタイミングが合っていないだけのことも多くあります。

日々のスキンシップの中で、少しずつ始めて短時間で切り上げるようにしましょう。猫それぞれの性格に合わせて少しずつ無理なく続けていきましょう。

ツボマッサージのような丁寧なスキンシップを続けていると、愛猫の異変にも気づきやすくなります。何か気になる症状が出てきたら、必ず獣医師に相談するようにしましょう。

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