猫の『ダイエット』で起こりうるリスク4つ 間違った方法が寿命を縮める可能性も

猫の『ダイエット』で起こりうるリスク4つ 間違った方法が寿命を縮める可能性も

猫の健康管理において、肥満対策やダイエットは大切なテーマです。しかし愛猫の体重管理を行う際には、「ただ痩せさせれば良い」という単純な考え方ではいけないことを知っておかなければなりません。実は、正しくないダイエットは猫の体にダメージを与え、寿命を縮めてしまう可能性すらあるのです。そこで今回は猫のダイエットにおけるリスクについて、詳しく解説していきます。

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記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

猫のダイエットが必要な理由

体重計に乗る猫

まず猫のダイエットがなぜ必要なのか、その基本的な考え方について整理しておきましょう。

実は猫の肥満はとても増加しており、肥満が進行すると糖尿病や関節炎などさまざまな健康リスクにつながることがわかっています。

たとえば感染症に対する免疫力が低下したり、心臓・尿路系などの疾患にかかりやすくなったりするのです。

肥満の猫はそういったリスクを下げるためにも、ダイエットが必要となります。これが猫にダイエットが必要とされる主な理由です。

とはいえ、いきなり食事制限をするのはNGです。まずは「本当にダイエットが必要か」を確認しなければいけません。

また猫の適正体重には個体差があるため、まずは獣医師による正確な評価を受けるようにしましょう。

猫のダイエットで起こりうるリスク4つ

動物病院で診察を受ける猫

1.脂肪肝(肝リピドーシス)

猫のダイエットで注意しなければならないリスクの一つが、肝リピドーシス(いわゆる脂肪肝)です。

肝リピドーシスとは、突然の飢餓状態によって大量の脂肪が分解されたときに、分解しきれなかった脂肪が肝臓に蓄積する状態をいいます。

太った猫はとくにリスクが高く、食事を数日間でも十分に摂らない状態が続くと脂肪肝になってしまうため注意が必要です。

急激なカロリー制限や絶食、ストレスによる食欲不振などが原因で発症し、肝臓の機能を急速に低下させ、治療が遅れると死にいたる可能性がある怖い病気です。

2.栄養不足

猫のダイエットでは「食事の量を減らす」という方法だけを採ると、必要な栄養が不足してしまう可能性があります。

猫は完全な肉食動物であり、たんぱく質や特定の必須栄養素が不足すると、筋肉量の減少や免疫力低下、皮膚や毛づやの悪化といった体調不良が見られるようになるのです。

栄養不足は特に高齢の猫や慢性疾患を抱えた猫で深刻な影響を及ぼしやすいため、要注意。カロリーを制限しながらも栄養バランスを確保しなければいけません。

3.筋肉量の減少

猫のダイエットにおけるリスク3つ目は、筋肉量の減少です。

急激な体重減少は脂肪だけでなく、筋肉量の低下も招く可能性があります。

筋肉は基礎代謝を支える重要な組織ですから、筋肉量が減ると基礎代謝が低下し痩せにくい体質になってしまう恐れがあるのです。

さらに筋肉量が減ることで運動量も落ちるので、体力がどんどん低下していき病気にかかりやすくなったりもします。

そのためただ食事をコントロールするだけでなく、遊びや運動を取り入れて筋肉量を維持しつつ、減量計画に沿って体重をゆっくりと落とさなければいけないのです。

4.ストレスや行動の変化

猫のダイエットで起こりうるリスク4つ目は、ストレス・行動の変化です。

猫は環境の変化に敏感な動物。急に食事量を減らしたり、好きな食べ物を制限したりすると、ストレスによる行動変化や食欲不振が起こる場合があります。

たとえば「食べない」「隠れる」「攻撃的になる」といった行動など。

このようなストレス反応が続くと、食欲不振から先述した肝リピドーシスなど別の健康リスクに波及する可能性もあります。

そのため猫も人間と同じように、ストレスが少ないダイエットを行う必要があるのです。

まとめ:猫のダイエットは「安全・健康・獣医師と一緒に」が基本

診察台の上の猫と獣医師の説明を聞く飼い主

猫のダイエットでは、単に体重を減らすことだけを目的にすると、今回紹介した大きな健康リスクを招く可能性があります。なかでも以下のポイントは必ず押さえておきましょう。

  • 急激な減量は肝リピドーシスなど命に関わる危険がある
  • 栄養不足や筋肉量低下による健康悪化の恐れがある
  • 猫のストレスを考慮したダイエット計画が必要

猫の健康を守りながらダイエットを行うには、獣医師と相談しながら段階的で安全なダイエットを進めることが理想です。

まずは肥満も危険なダイエットも、どちらも健康に害を与えかねないことを覚えておき、愛猫にベストな減量方法で健康な体型を目指しましょう。

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