1.田代島(宮城県)

宮城県石巻市沖に浮かぶ田代島は、面積約2.9平方キロメートル、外周約11.5キロメートルの小さな離島。人口約50人に対して、100匹を超える猫が暮らしているといわれ、日本を代表する「猫島」です。
養蚕や漁業が盛んだった田代島では、ネズミ対策や大漁の守り神として猫が大事にされてきました。島の中心部には、猫神様(美與利大明神)をまつった神社もあり、猫は「福を呼ぶ存在」「島を守る存在」として人々と共生しています。
猫たちは、島の観光施設のスタッフがお世話や健康管理をしています。観光客が持参した餌を猫に与えることは禁止されていますので、距離を保って見守りましょう。
豪徳寺(東京都世田谷区)

東京都内にありながら、緑に囲まれた静かな寺院。境内には大小さまざまな招き猫がずらりと並び、圧巻の光景が広がっています。
江戸時代、寺で飼っていた猫が彦根藩主を招き入れて、雷雨を避けられたという逸話から、豪徳寺では福を招いた猫を「招福猫児(まねきねこ)」と呼び、まつるようになりました。
社務所では置物や御朱印帳など、招福猫児にちなんだ授与品も用意されています。
ただし、あくまでも宗教施設。静かに参拝し、招き猫に触れたり落書きしたりといった行為はしないようにしましょう。
貴志駅(和歌山県)

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和歌山県の和歌山市から紀の川市を結ぶ和歌山電鐵貴志川線。その終点「貴志駅」には、全国的にも有名な猫駅長がいます。
貴志駅に隣接する売店に飼われていた「たま」。駅の再開発によってすみかが取り壊される際に、飼い主が「猫を駅の中に住まわせてもらえないか」と鉄道会社に相談したことで、2007年「猫駅長」に就任しました。
駅長帽をかぶり、改札でお客さんを迎える姿は瞬く間に人気を呼び、その経済効果は11億円とも。廃線の危機にあった貴志川線の再生や地域の活性化に大きく貢献しました。
たまは2015年に亡くなりましたが、ホームには「たま神社」が建立され、後継の猫駅長がたまの遺志を継いで多くの観光客をもてなしています。
聖地を訪れるときのマナー

猫好きにはたまらない聖地ですが、マナーを守ることも欠かせません。
以下のような点に注意しながら、猫や人々が暮らしている場所にお邪魔している、という意識をもって訪れるようにしましょう。
- 無断で餌やりはしない
- 猫をしつこく追いかけない、無理やり抱き上げない
- 必要以上に騒がない
- ホームページなどでその場所でのルールを確認する
- アクセスや持ち物のチェックなどを怠らない
- ゴミは必ず持ち帰る
- 生活の場や信仰の場であることを意識する
まとめ

猫の聖地と呼ばれる場所には、単にかわいい猫がいるというだけでなく、人と猫が長い時間をかけて築いてきた強い絆が存在しています。
島民と共生する猫、福を招く存在としてまつられてきた猫、地域を支えた猫駅長―。その背景を知ることで、旅はより深く、温かなものになるでしょう。
一方で、どの場所も猫や地域の人々が日々の生活を営む空間でもあります。思いやりを持ち、マナーを守って聖地を訪れることを心がけましょう。
この記事を参考に、素敵な猫旅を楽しんでみてくださいね。