猫の飼い主が知っておくべき『トキソプラズマ』の基礎知識4つ 危険性はあるの?主な感染経路から予防法まで

猫の飼い主が知っておくべき『トキソプラズマ』の基礎知識4つ 危険性はあるの?主な感染経路から予防法まで

猫が感染する可能性のある感染症のひとつに、「トキソプラズマ症」というものがあります。今回は、主な症状や予防法について紹介します。

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記事の監修

麻布大学獣医学部獣医学科卒業後、神奈川県内の動物病院にて勤務。獣医師の電話相談窓口やペットショップの巡回を経て、横浜市に自身の動物病院を開院。開院後、ASC永田の皮膚科塾を修了。皮膚科や小児科、産科分野に興味があり、日々の診療で力を入れさせていただいています。

トキソプラズマ症とは?

キャットタワーと猫

トキソプラズマとは、単細胞生物である原虫のひとつです。原因となる原虫は自然界の広範囲に生息しており、哺乳類や鳥類まで、たくさんの動物に感染します。最終宿主である猫に感染した場合のみ、糞便を通して外に排出されることになります。こうして、感染が広がることになるのです。

また、トキソプラズマ症は人畜共通感染症の一種でもあります。世界人口の3分の1が感染しているといわれているようです。

主な感染経路

トイレ掃除をする人

猫の糞便から感染

トキソプラズマ症は、感染猫の糞便からも感染することがあります。猫のトイレ掃除や、猫の糞が混入した砂場で遊ぶときは要注意。糞便が付着した手を口に入れることにより、原虫の卵が体内に入ることとなります。

生肉から感染

また、トキソプラズマ症は猫から感染するだけではありません。馬刺、牛刺、鳥刺、レアステーキなどの生肉や、加熱が充分にできていない肉から感染することもあります。トキソプラズマは土壌に混入していることもあるため、原虫が付着した野菜を食べて感染することもあります。

母体から胎児へ感染

トキソプラズマ症は、妊婦さんから胎児に感染することがあります。妊婦さんが原虫の卵を口にすると、胎盤を通して胎児に感染してしまうのです。

しかし、トキソプラズマ症は、一度感染すると永久的に抗体を持つという特徴もあります。妊娠の6ヶ月前までに感染していたというケースでは、多くの場合において胎児への影響はないとされています。

注意が必要なのは、抗体を持っていない人が妊娠した場合です。妊娠の直前や妊娠中に初めて感染した場合、なんらかの症状が出ることがあります。国内では発生率の低さから妊婦検診の一般検査には入っていないため、気になる場合は事前に抗体の有無を調べることをおすすめします。

主な症状

嘔吐する猫

トキソプラズマ症に感染しても、ほとんどの場合は無症状のまま終わります。注意が必要なのは、以下のようなケースです。

子猫や免疫力の低い猫

多くの猫は無症状ですが、子猫や持病のある猫などの場合は、原虫がさまざまな臓器に感染します。主に、消化器症状や呼吸器症状として現れます。

  • 下痢や嘔吐
  • 呼吸困難
  • ブドウ膜炎
  • 白内障

免疫力が低い子猫や老猫、持病を持っている猫では、重症化して死に至る場合もあります。

妊婦さんや免疫力の低い人

発熱やリンパの腫れ、倦怠感が出ることがあります。免疫不全ウイルスに感染している人や、抗がん剤治療をしている人の場合、脳や目に重篤な症状が現れることがあります。

また、妊婦さんが発症した場合、流産・死産に繋がることも。胎児に感染すると、水頭症や視力障害を患う可能性もあります。

予防法

窓辺にたたずむ三毛猫

トイレ掃除は、なるべく妊婦さん以外の家族が行うようにしましょう。原虫の卵が感染力を発揮するまでに、24時間程度を要します。そのため、猫が排泄したあとは、24時間以内に処理することをおすすめします。感染力を持つ前に原虫の卵を口にしたとしても、感染する可能性は低いです。

一方で、一度感染力を持った原虫は、数ヶ月に渡って動物の体内に入る力を持ちます。猫の糞便が触れた可能性のある土や埃は、妊婦さん以外の家族がまめに掃除するようにしましょう。

まとめ

診察される猫

猫がトキソプラズマ症に感染した場合、血液検査や糞便検査を行うこととなります。トキソプラズマ症の疑いがある場合は、なるべく早めに動物病院に連れていきましょう。

子猫の場合、母猫のトキソプラズマ症の感染歴を確認しておくことをおすすめします。また、生肉や半生の肉を与えていないか、屋外に出ていないかといった点も獣医師に報告してください。

症状が出ている場合は、抗生剤の投与や、その症状を抑えるための対処療法を使用します。なお、一度感染した猫は、生涯に渡ってトキソプラズマに対する免疫を持つことになります。

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