1.なぜお腹は「白」が多い?生き残るための知恵

猫のお腹が白いのは、単なる偶然ではなく、厳しい自然界を生き抜くための工夫が隠されています。
野良猫だった時代、猫は敵から見つからないように周囲の色に溶け込む必要がありました。地面にいる猫を、下側にいる敵が見上げたとき、お腹が白いと太陽の光や空の色に紛れて姿が目立たなくなります。これを「カウンターシェーディング」と呼びます。
また、遺伝子の仕組みも関係しています。猫の体は、お母さんのお腹の中にいるときに背中側から色が塗られていきます。お腹側は最後に色が届く場所なので、インクが足りなくなるようなイメージで、色がつききらずに白くなることが多いのです。
このように、進化の過程と体の仕組みの両方の理由から、お腹が白い猫がたくさん存在しています。
2.お腹の「たるみ」は太っている証拠じゃない?

猫のお腹を触ると、タプタプと皮が余っているように感じることがあります。
「うちの子、太りすぎかな?」と心配になるかもしれませんが、これは「ルーズスキン」と呼ばれる猫特有の大切な特徴です。太って脂肪がついているわけではなく、わざと皮をたるませているのです。
このたるみには、大きな役割が2つあります。1つ目は、体を大きく動かすための「ゆとり」です。猫が全力で走ったり高いところへジャンプしたりするとき、皮が突っ張らないように遊びの部分を作っています。
2つ目は、敵に襲われたときの「防具」です。お腹は内臓が詰まっている一番の急所ですが、皮が伸びることで、爪や牙が深く刺さらないようにクッションの役割を果たしています。このように、猫の体の自由さと安全を守るための、とても重要な仕組みなのです。
3.お腹の模様が変わることもある?

猫の模様は一生変わらないと思われがちですが、実は少しずつ変化することがあります。例えば、子猫のときは真っ白だったのに、成長するにつれてお腹にうっすらと模様が出てきたり、逆に色が薄くなったりすることがあります。
これは成長による変化だけでなく、食べているごはんの栄養状態や、季節による気温の変化が影響することもあります。
ただし、注意が必要な変化もあります。猫はストレスを感じたり、どこかが痛かったりすると、自分のお腹を過剰になめてしまうことがあります。
もし、模様が変わったのではなく「毛が薄くなって地肌が見えている」という場合は、心が疲れていたり、皮膚の病気だったりするサインかもしれません。
お腹は猫にとってデリケートな場所だからこそ、日頃から模様や毛並みを観察して、小さな変化に気づいてあげることが大切です。
まとめ

猫のお腹には、自分を守るための迷彩機能や、体を守るための皮のたるみなど、驚くような秘密がたくさん詰まっています。普段は何気なく見ているお腹の柄や形も、すべて猫が生き抜くために手に入れた大切な機能なのです。
また、お腹は猫にとって最も守りたい「急所」でもあります。そんな大切な場所を飼い主に見せてくれたり、触らせてくれたりするのは、心から安心し、信頼しているという最高のメッセージです。
お腹の不思議を正しく知ることで、愛猫の体のすごさを再発見し、これまで以上に深い絆を築いていくきっかけにしてくださいね。