2年前に亡くなった人気猫

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2025年、英国ノッティンガムシャーの路地に新しい標識が設置されました。「George the cat alley」(猫のGeorgeの小径)と書かれたその標識は、2年前に亡くなった「まわりを魅了するほど人懐っこい猫」を追悼するものです。
Georgeは野良の子猫でした。オフィス集積ビルBeeston Business Parkで保護され、以来警備員たちが世話をしてきたのです。やがて近隣地域でよく知られるようになり、もの怖じしないこの猫は、あちこちの路地やパブに顔を出しては人々にかわいがられるようになったのです。
Broxtowe自治区議会によると、この標識は近隣住民からの要望を受けて設置されたということです。ビジネスパークの現場管理者Sharon Johnsonさん(49歳)は、住民からそんな要望があったことはまったく知りませんでした。
「嬉しいサプライズです。Georgeはここで警備チームと14年間も一緒に暮らしていたのです。わたしにとっても、この猫は生活の一部でした。標識がGeorgeとの思い出をよみがえらせてくれます」という彼女です。
人々を和ませてくれる猫

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「数年ぶりに現場に来た方が標識を見て、『まだあの猫を飼っているの?』と聞いたりします」
「Georgeの日課はきちんと決まっていて、猫の行動で時計を合わせられるほどでした。以前は敷地内にカフェが2軒ありましたが、彼がそこにソーセージやチキンをもらいに行く姿を見て、いま何時なのか分かりましたね。小学生たちが学校から出てくる時間には、Georgeはまっすぐ子供たちのところへ向かっていました」と彼女は話します。
「Georgeのことは決して忘れません。この猫と一緒に育った子供たちもいるのです。本当に、みんなのお気に入りの存在でした」と感無量のSharonさんです。
Beeston地区市民協会のTamar Feastさんは、ジョージが「有名人」だったといいます。
「猫派の人も、犬派の人も、ペットを飼っていない人も、みんな立ち止まってこの猫に声をかけていました。人を和ませるフレンドリーな性格だったので、つい近づいてしまうのです」という彼女。同協会は標識の設置には関わっていないものの、「すばらしいことです」と評価しています。
自然と笑顔になれる路地

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2024年3月にBroxtowe自治区議会へ手紙を出して標識設置を要望したBrian Rorisonさん(63歳)は、次のように話しています。
「名前のない路地ですが、いわばGeorgeの縄張りのような場所でした。ここに猫の名前をつけたらどうだろうと思ったのです」
彼が記念碑ではなく道路標識を望んだのは、1960年代のアメリカのアニメ「Top Cat」にインスピレーションを受けたためだそうです。
同自治区議会は、「住民のみなさんがここを通り過ぎるときに、自然と笑顔になれることを期待します」と話しています。あわせて広報担当者は「コミュニティは地元の人々、場所、そして登場人物によって作られます。Georgeはここでよく知られ、とても愛されていた存在でした」との声明を出しています。