1. 健康優良児…アメリカンショートヘアー

アメリカンショートヘアーは、その名の通り、アメリカ原産の猫種です。ルーツは、ヨーロッパ移民を乗せたメイフラワー号によって持ち込まれた猫で、当初は、ネズミ退治が目的だったと言います。
初期にはドメスティックショートヘアーと名づけられましたが、1966年に現在のアメリカンショートヘアーに改名されました。もしそのままだったら、ちょっとシャレた「アメショ」ではなく、今頃、「ドメショ」と呼ばれていたかもしれません。
アメリカンショートヘアーの最大の特徴は、身体が丈夫で、遺伝的な病気が少ない点です。他の猫と比べると、病院通いに追われる心配もありません。
性格はフレンドリー、かつ、オープンで、誰とでも仲良くなれる陽気なアメリカン、といったイメージでしょうか。ハンター気質たっぷりで、遊び好きで活発なところもあります。
やんちゃな面がある一方で、飼い主さんのしつけを守る賢さも持ち合わせています。また、短毛種であるため、被毛のお手入れが簡単なのもポイントです。
ただ、食欲旺盛で太りやすいので、日頃からおもちゃ遊びなどでしっかり遊んであげてください。飼い主さんもいっしょになって、身も心もリフレッシュできるはずです。
2. ぬいぐるみのような甘えん坊…ラグドール

ラグドールもまた、アメリカ原産の猫種です。
ラグドールは、1960年代にブリーダーがペルシャやバーマンなどを交配させた結果、誕生しました。名前の由来は、英語で「ぬいぐるみ(Rag doll)」。ぬいぐるみのような猫だったら―まさに愛猫家の夢とロマンが凝縮されたネーミングです。
そんな猫好きの期待を裏切らず、ラグドールは甘えん坊猫として非常に有名です。多くの猫が嫌がる抱っこも、積極的に迎え入れます。ぬいぐるみと名づけられた看板はダテではありません。抱っこに憧れる飼い主さんにはたまらない魅力でしょう。
性格は人懐っこく、穏やかです。運動量は少なめで、大型種でもあるので、じっとしていると本当にフワフワのぬいぐるみに見えてきます。他の猫や動物に対しても寛容なところがあり、「犬がいるけど猫にも興味がある―」という人にはピッタリな猫種です。
ラグドールの被毛の基本は、ポインテッド(顔や耳、手足、しっぽなどの末端に色がつく)で、子猫の頃はほぼ真っ白ですが、成長するにつれて、美しい模様が現れてきます。模様が定着する2~3年の間の変化を間近で観察できるのも、ラグドール飼いの醍醐味です。
長毛種ゆえに毎日のブラッシングが欠かせない一方、愛猫とより仲良くなるためのスキンシップと視点を変えると、触れ合う時間が長くなり、お互いに幸せで心地よい時間を過ごせます。
3. 物静かなお利口さん…ロシアンブルー

ロシアンブルーは、上品で艶やかなシルバーブルーの被毛が目を引く猫種で、神秘的な佇まいと同様に、その起源はいまだに謎に包まれています。
一説によると、ロシアの北西部・アルハンゲリスクで自然発生し、その後、船でイギリスや北欧に運ばれ、世界的に広まったと言われています。
ロシアンブルーの際立つ特色は、もの静かなところです。寡黙な様子は、通称「ボイスレスキャット」と評されるほど。反面、口角がやや上がって、常に微笑んでいるように見える表情は、「ロシアン・スマイル」と呼ばれています。
めったにしゃべらず、ずっとニコニコしている―まるでとっくの昔に悟りを開いたお坊さんのようです。こんな存在が身近にいたら、飼い主さんもつられてヌシアン・スマイルになります。
マンションなどの集合住宅にお住まいで、猫の鳴き声が気になる方にとって、ロシアンブルーは、救世主のような猫種と言えるかもしれません。
性格的には、控えめで、「犬のような」と形容されるくらいに飼い主さんに従順です。人見知りな一面もありますが、「自分だけに心を開いてくれる!」と考えれば、逆にグッとくる猫好きさんも多いはずです。
しつけを難なく覚える賢明さ、飼い主さんの異変に気づいてそっと身を寄せる「空気読みの達人」ぶりは、ロシアンブルーならではの強みでしょう。おうちで静かに過ごすことが好きな飼い主さんには、空気のようになじむ名パートナーです。
まとめ

今回は、初めての猫飼いさんのために、一般的に飼いやすいとされている3つの猫種を紹介しました。
アメリカンショートヘアーは「健康的で親しみやすい」、ラグドールは「抱っこを求めるほど甘えん坊」、ロシアンブルーは「物腰が柔らかく賢い」、それぞれに飼いやすさの面で特徴があります。
もちろん、個体によって性格にはばらつきがあり、本文で紹介した見解は、あくまでひとつの目安に過ぎません。
実際にどんな個性を持った猫であるかは、飼うプロセスのなかで、飼い主さん自身がリアルに判断してみてください。