猫を新しく迎えるとき『先代猫のおさがり』は使ってもいい?各アイテムごとに解説

猫を新しく迎えるとき『先代猫のおさがり』は使ってもいい?各アイテムごとに解説

愛猫が虹の橋へ旅立った悲しみからは、なかなか抜け出せるものではありません。処分できず、手元に残っている愛用品も多いのではないでしょうか。そんな時、新たな縁で二代目の猫を迎えることになり、先代猫のおさがりを使ってもいいものかと、迷うかもしれません。新しい猫への配慮から、アイテム別におさがりの活用可否について考えてみました。

おさがりにする・しないの判断基準を決めましょう!

猫の日用品類

先代猫の遺品を手元に残し、いつまでも忘れずにいることは、何もおかしなことではありません。その上で、新しい二代目猫の思い出も積み重ねていけると思える品であれば、積極的に再活用を考えていいと思います。

その際、おさがりとして活用していいかどうかを決めるための、判断基準を決めておくことをおすすめします。一般的に、買い直す場合の費用面よりも、新しいパートナーとなる猫の衛生面や安全面を最優先することが推奨されます。

特に感染症で亡くなった猫の遺品は、原則すべて廃棄をおすすめします。ひどいようですが、直接触れていたものは廃棄しましょう。SFTS(重症熱性血小板減少症候群)などの人獣共通感染症は、血液・唾液・排泄物にウイルスが残存するため、飼い主さんご家族への感染源にもなり得ますので、注意が必要です。

パーソナルスペース関連

ケージで寛ぐ猫

まずは猫のパーソナルスペース関連の愛用品について、おさがりの可否を考えていきましょう。

ケージ・クレート

室内に設置したケージやクレートは、猫がひとりで静かに落ち着いて過ごすスペースなので、先代猫が最も長い時間接していた遺品だと思います。高額商品ですし、使い勝手やメンテナンスについても飼い主さんが使い慣れていることでしょう。

おさがりとして活用し、新パートナーとなる猫との思い出も積み重ねていける品の代表です。ただし先代猫が長く使っていた分、細かい部品も含めてしっかりと安全性を確認し、綺麗に洗浄してから活用しましょう。

また、プラスチックの白化、金属のサビ、ネジなどの部品の緩みや欠けなどもしっかりチェックし、安全性もきちんと見極めてください。

ベッド

ベッドも、先代猫の使用時間が長い遺品です。きれいに洗い、風通しのいい場所で日光に当て、できるだけ先代猫のニオイを飛ばした上でおさがりにしましょう。ニオイが残っているなどで、二代目の猫が使いたがらない場合は、新しいものを用意してあげましょう。

キャリーバッグ・ペットカート

キャリーバッグやカートなども、しっかりと洗浄と消毒を行えば、おさがりとして再活用しても問題ないでしょう。

ただし、シニア猫には脱走できなくても、まだ体が小さくて元気はつらつな幼い猫には、簡単に脱走できてしまうことがあります。強度や傷み、隙間などに問題がないかのチェックを、しっかりと行いましょう。

ブランケット・クッション類

クレートやキャリーバッグに入れたりベッドに敷いたりなどで、布製品が残っているご家庭も多いでしょう。ベッドと同じようにきれいに洗い、ニオイを飛ばして再活用しましょう。ただし、芳香剤などの人工的なニオイは猫は嫌がるので注意しましょう。

食器類

食事する猫と見守る女性

食器

食器類は、素材で可否を判断することをおすすめします。陶器やステンレス製の場合は、釉薬のはがれや欠け、溶接部のサビなどがなければ問題ありません。しかしプラスチック製の食器は表面に傷がつきやすく、細菌やバクテリアの残留リスクがあるため、再活用はおすすめできません。

給水器

フィルター付きで水を巡回させるタイプの給水器を使われていた場合は、電気系統のチェックやフィルターの交換などを行うことも検討してみましょう。

食器台

シニア猫は、頭を低く下げる体勢がつらくなって、食事をしなくなる傾向があるため、対策として食器台で高さを出してあげていたかもしれません。食器台もきれいに洗って再活用して構いません。

ただし、猫の体格によっては高さが合わないこともあります。そこは適宜新しく迎えた二代目の猫に合わせてあげましょう。

トイレ関連

トイレから出た猫

トイレ本体

猫のトイレはプラスチック製が多く、表面への傷や先代猫のニオイが取れづらいことを考えると、新しいものに買い替えた方がいいでしょう。ただし、新品に近い状態で汚れもニオイも気にならない場合は、洗って再活用してください。

猫砂・ペットシーツ

未使用の猫砂やペットシーツは、再活用しましょう。ただしシステムトイレの場合は、トイレ本体とセットで機能するように設計されていますので、トイレ本体を再度購入しましょう。なお猫砂は、猫により好みが異なるため、嫌がる場合は新しい猫に合わせましょう。

オムツ・介護用品

介護用にオムツなどを使っていた場合、未使用品がたくさん残っているかもしれません。新しく迎える二代目の猫にすぐ使えない場合は、何年も保管しておくのではなく、保護団体やお世話になった動物病院の入院患者用に寄付するといいでしょう。

その他

トンネル型のおもちゃで遊ぶ猫

おもちゃ・キャットタワー・爪とぎ

おもちゃやキャットタワーなどは、安全性が確保できる場合のみ、おさがりにしましょう。直接舐めることも多い物なので、きれいに洗ったり消毒したりすることも忘れずに行いましょう。ただし、ボロボロになりかけているダンボール製の爪とぎなどは、買い替えた方がいいでしょう。

ケア用品

爪切り、ブラシなどは、消毒した上で再活用しましょう。ただし、切れ味が落ちてきた爪切りは、新しいものに買い替えた方が嫌がらずに爪を切らせてくれるかもしれません。また口腔内は雑菌が多いため、歯ブラシのおさがりはおすすめしません。

その他

戸棚の安全ロックや脱走防止用の柵などは、強度や傷みなどを確認した上で、再活用しましょう。ただし、先代猫の晩年の体力と、二代目の若い猫の体力差などをよく考慮し、安全対策の範囲を適宜見直すことも大切です。

まとめ

キャットタワーで遊ぶ猫

猫は、おさがりを嫌々使うことはありません。文句を言わない代わりに、「YES・NO」を態度ではっきりと示します。多くの場合、先代猫のニオイが残っていると、警戒して使わないことが多いようです。おさがりにしたい場合は、洗うだけではなく、残っているニオイにも気を使うといいでしょう。

未使用品であれば、保護団体や動物病院が喜んで使用してくれるものも多いです。おさがりにしない場合、寄付を検討してみるのもいいでしょう。

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