︎アボカドが危険な理由

1.ペルシンによる中毒
アボカドにはペルシンという成分が含まれ、この成分は人間では体内でペルシンを分解できる仕組みがあるため食べても問題ありませんが、犬猫を含む多くの動物では毒となります。
ペルシンはアボカド全体に存在しますが、その中でも葉、種、皮には特に多くのペルシンが含まれているため注意が必要です。
2.膵炎のリスク
アボカドは、脂質の多い食品のため、食べ過ぎることにより膵炎になるリスクや、膵炎を悪化させる可能性があります。
また、アボカドの油そのものを利用したアボカドオイルなども売られているため、誤食をすると膵炎に繋がる可能性があり注意が必要です。
3.消化不良
アボカドの皮は硬く、猫が食べてしまった場合、胃や腸に長く留まることにより、消化不良を起こす可能性があります。
また、アボカドのような大きくて硬い種を誤って丸飲みしてしまった場合、消化できずに腸に詰まって、腸閉塞という状態になってしまう事があります。
腸閉塞になると全身麻酔下で取り除く処置が必要となるため、種のある食品は処理に注意しましょう。
︎アボカドを誤食した際に起こる症状

アボカドに含まれるペルシンによる中毒が起きた場合、猫には嘔吐、下痢、食欲不振などの症状が見られます。大量に食べて重症化すると、呼吸困難や心筋障害が起こる事があります。
ペルシンによる中毒症状は個体によって感受性が違う事や、アボカドの種類によってもペルシンの含有量が異なる為、このくらい食べたら危ないという明確な定義はありませんが、基本的にはあげないのが鉄則です。
また、アボカドの油分による膵炎や消化不良、種の誤食による腸閉塞が起きた場合にも、激しい嘔吐や下痢、食欲不振などの症状が見られます。
︎アボカドを食べてしまったら

猫がアボカドの実や種、葉などを誤食してしまったと分かった場合には、症状がなくても、時間を待たずに動物病院を受診しましょう。
食べてしまってから30分以内であれば、まだ胃の中にアボカドがある可能性が高いため、吐かせる処置を行うことが一般的です。
30分を経過してしまっていても、体内の中毒成分を少しでも早く薄める事が重要です。なるべく早く動物病院を受診して、点滴や毒素の吸着物質の投与などの処置を受けましょう。
動物病院を受診する際、食べてしまったアボカドの品種と量、食べてしまった時間が分かれば、獣医師に伝えるようにしましょう。
︎猫がアボカドを食べないためには

アボカドは脂質の多い食材です。
猫は肉食動物のため、脂質の匂いを好む傾向があります。また、アボカドのクリーミーでねっとりとした食感は猫が好きな食感でもあります。
そのため、猫にとってアボカドは美味しいと感じる事が多く、それが誤食の多い一因でもあります。
中には、アボカドが中毒になると知らずに猫が好きだからという理由で与えてしまっている飼い主さんもいるため、アボカドは与えてはいけないと覚えておきましょう。
ペルシンは加熱した場合でも分解されないため、加熱して与えるのもNGです。
また、誤って食事中に落とした場合や、キッチンに置いておいたアボカドも猫には食べられやすいです。
猫のそばでアボカドは食べないようにしましょう。
アボカドのむいた皮などをゴミ箱に捨てておくとそれを誤食するケースもあります。ゴミ箱は蓋付きのものを使用するなど、猫に漁られないように工夫しましょう。
観葉植物としてアボカドを育てている場合にも注意が必要です。葉には実よりもかなり多くのペルシンが含まれています。
観葉植物は猫にとって毒のあるものが他にも多いため、猫の届かない場所に置くか、猫にとって毒ではない事を確かめてから購入して置くようにしましょう。
さらに、最近では人間用のアボカドオイルを使用した美容液やハンドクリームなどの商品が多くあります。この様なものも猫の手の届く場所には置かないように注意しましょう。
︎まとめ

アボカドのように意外と知られていなくても猫にとって毒となる食べ物や植物は他に沢山あります。
猫の様に体の小さな動物では少しの誤食が命取りとなります。
どんな食品や植物が中毒を引き起こすのかを覚えておくとともに、猫が誤食しない様にきちんと対策をする事が大切です。
また、万が一誤食してしまったと分かった場合には症状を待たず、なるべく早く動物病院を受診する事が結果的に猫の体の負担を減らすためにも大切です。