猫が「飼い主の上に乗ってくる」5つの理由

1.マーキング行動
猫が飼い主の上に乗るのは、その場所や人を自分の所有物としてマークしたいという強い独占欲の表れです。
猫の顔や足の裏などには、匂い腺と呼ばれる腺があり、体をこすりつけたり、踏んだりする行動を通して、猫自身のフェロモンを飼い主に付着させています。
特に、顔や首元、頭の上といった飼い主の匂いがつきやすい場所を選ぶ傾向があります。これは、他の猫や外部に対して「この人は私のものだ」と主張するための本能的な行動であり、飼い主との間に強い絆が築かれている証拠でもあるのです。
猫が落ち着いて座り、頭や頬をこすりつけるような仕草を伴う場合、このマーキングの意味合いが強いと考えられます。
猫に踏まれるのは何とも言えない気持ちになりますが、マーキングされていると思うと、さらに愛おしい行動になりますね。
2.温度調整
猫は非常に体温調節に敏感な生き物で、快適な温度を求めて移動します。飼い主の体温は猫にとって安定した、理想的な温かさを保ってくれるため、特に寒い季節や、窓際などの冷えやすい場所にいるときに、猫は飼い主の上に乗ってきます。
これは、野生時代から持つ「温かくて安全な場所で休む」という本能に基づいた行動です。猫が布団の中にもぐり込んできたり、飼い主の足元や膝の上など安定して温かい場所を選んだりする場合は、この温度調整が主な目的である可能性が高いでしょう。
猫は最も効率よく体温を維持できる場所を知っており、飼い主の体はその要求を満たす最高の「天然ヒーター」となっているのです。
3.安全な場所の確保
飼い主の上に乗ることは、猫にとって究極の安心感を得るための行動でもあります。猫は周囲の状況を警戒しながら生活する動物であり、休んでいる最中でも敵から襲われる危険性を本能的に感じています。
しかし、自分を保護してくれる信頼できる飼い主の体の上であれば、外敵から守られている感覚を得られ、心からリラックスできます。
飼い主の規則的な心臓の音や呼吸は、猫にとって子猫時代に母親のそばで感じた安心感に似ており、不安や緊張を和らげる効果があります。
このため、雷や来客など、猫がストレスを感じやすい状況で特に乗ってくる場合は、「守ってほしい」という安全な場所の確保の意味合いが強いと考えられるでしょう。
4.愛情表現
飼い主の上に乗る行動は、猫が深い愛情と信頼を寄せているサインの中でも特に明確なものです。
猫は基本的に単独行動を好みますが、心から信頼している相手に対しては、密着することで親愛の情を示します。
乗っている最中にゴロゴロと喉を鳴らしたり、前足でフミフミしたりといった行動が見られる場合、これは猫が心身ともに満たされている状態であり、「大好きだよ」「あなたと一緒にいると幸せだ」というストレートな愛情を伝えていると考えられます。
この行動は、単に温かさや安心を求めているだけでなく、飼い主と積極的にコミュニケーションをとりたい、甘えたいという純粋な気持ちが込められた行動なのです。
5.構ってほしい
猫が飼い主の上に乗ってくる理由のひとつに、飼い主の注意を引き、構ってほしいという要求があります。
特に、飼い主がスマートフォンを操作していたり、本を読んでいたり、パソコンで作業していたりなど、猫以外のものに集中しているときに乗ってくる場合、この理由が強いと考えられます。
猫は、「自分の存在を認識してほしい」「退屈だから遊んでほしい」という気持ちを表現するために、飼い主の視界を遮るような場所(例:パソコンのキーボード上)を選ぶことがあります。
この場合、飼い主が少しでも猫に意識を向けると、目的を達成できたとして満足することが多く、甘えた声で鳴きながら顔を覗き込むといった行動を伴うことが特徴です。
我が家の猫たちも、私がパソコンで仕事をしている時は決まって鳴きながら近くに寄ってきます。視線を自分たちの方に向けると大人しくなるので、猫なりの意思表示を感じられる愛らしい行動ですね。
乗ってくる場所によって異なる猫の気持ち

猫が乗ってくる場所は、その時の猫の要求や心理状態を映し出しています。
例えば、顔や首元に乗ってくるのは、最高の信頼と強い愛情を示すサインであり、猫が最も安心して眠れる場所であると同時に、積極的に自分の匂いを付けてマーキングしたいという独占欲も含まれるようです。
胸の上は、飼い主の心臓の音や規則的な呼吸を感じることで安心感を求める気持ちが強く、膝の上や足元は、温かさを求めつつも適度な距離感を保って甘えたいという気持ちの表れです。
また、スマホの間に割り込んだり、パソコンのキーボードの上に乗るのは、「構ってほしい」という要求が最優先であり、飼い主の行動を妨害してでも注意を引きたいという意図が明確です。
このように、乗る場所の違いから、猫の現在の気持ちを読み解くことができます。
猫の気持ちに寄り添う適切な応え方

猫が乗ってきた際は、その行動を尊重し、無理に動かさないことが最も適切な応え方です。猫は愛情や安心感を求めていることがほとんどであるため、乗ってきたらすぐに優しく撫でてあげたり、小さな声で話しかけたりすることで、猫の気持ちに応えましょう。
このとき、特にゴロゴロと喉を鳴らし始めたら、猫が幸せを感じている証拠です。ただし、もし飼い主の都合でどうしても移動してほしい場合は、決して乱暴に振り払ったり、大きな音を立てて驚かせたりせず、静かに立ち上がるなどして、猫が自発的に降りるのを待つ工夫をしましょう。
この静かな対応が、猫の信頼感を損なうことなく、絆を深めることにつながります。
まとめ

猫が飼い主の上に乗る行動は、体温調節、安全の確保、マーキング、そして最高の愛情表現など、複数の肯定的な意味が込められた幸せのサインです。
乗ってくる場所の違いから猫の切実な要求を読み取り、静かに受け入れて優しく撫でることが、その気持ちに寄り添う最良の応え方です。
この密着行動は、愛猫が飼い主に対して抱く深い信頼と安心感の証なので、私たちもできる限り愛情を返してあげるように心がけましょうね。