猫が『トイレの砂を撒き散らかす』理由4つ 行動に隠れた心理から対処法まで解説

猫が『トイレの砂を撒き散らかす』理由4つ 行動に隠れた心理から対処法まで解説

猫がトイレを使った後、周辺に砂が散乱していて困った経験はありませんか。毎日のように床に広がる猫砂を掃除するのは大変ですよね。しかし猫が砂を撒き散らすのには、猫なりの理由があるようです。そこで今回は猫がトイレの砂を撒き散らかす4つの理由と、その対処法について詳しく解説します。

猫が『トイレの砂を撒き散らかす』理由4つ

猫砂をまき散らしたハチワレ猫

1.野生時代の名残

猫が砂を撒き散らす理由のひとつは、野生時代の習性が関係しています。

野生で暮らしていた頃の猫は、周囲一面が砂や土で覆われた環境で生活していました。そのため「まき散らす」という概念はもちろんなく、排泄後に少し雑に砂をかいても、十分に排泄物を隠せたのです。

一方飼い猫の場合は、限られたトイレボックスの砂だけで排泄物を隠します。

しかし猫はその状況に応じて砂のかき方を調整しているわけではないので、野生時代と同じように大胆に砂をかいた結果、砂がトイレの外に飛び散ってしまうのです。

この「限られた箱の中の砂だけで排泄物を隠す」という行動は、猫にとって自然な行動ではありません。そしてそのギャップが、砂の撒き散らかしを引き起こしている要因のひとつとなっています。

2.砂かけが得意ではない

猫が砂をまき散らすもうひとつの理由は「砂かけが得意ではない」ということです。

猫自身は一生懸命に砂をかけているつもりでも、実はその子自身の砂かけスキルがイマイチというパターンですね。

人間にも器用な人と不器用な人がいるように、どうやら猫にも個体差があり、砂かけの技術には差があるようです。

本人(猫)は真剣に排泄物を隠そうとしているのですが、前足の使い方が不器用で、たとえば砂をかく動作が大振りになってしまったり、狙った場所に砂を寄せられなかったり。

気づいたら、トイレの外に砂が飛び出してしまっていたり…。

飼い主から見ると困った行動に見えますが、猫自身は一生懸命頑張っているということを理解してあげましょう。

3.肉球の間の砂を取り除こうとする

猫がトイレの砂をまき散らしてしまう3つ目の理由が、「肉球の間の砂を取り除こうとしている」です。

実は猫はトイレを使用した後、肉球の間に細かい砂が挟まってしまいがち。そしてこの肉球に挟まった砂の感触は、猫にとって非常に不快なものです。

そのためトイレから出た後に、リビングや廊下、寝室など様々な場所で足を振ったり、床を掻いたりして、肉球の間の砂を取り除こうとします。

これが、トイレ以外の場所で砂が散乱する大きな原因のひとつです。

特に細かい粒の猫砂を使用している場合、肉球の間に砂が入り込みやすく、猫が歩き回るたびにポロポロと砂が落ちていきます。

トイレの直後だけでなく、しばらく時間が経ってから砂が見つかるのは、このような理由があるためです。

猫にとっては不快感を取り除く自然な行動ですが、飼い主にとっては掃除の手間が増える原因となっています。

4.猫砂で遊んでいる

猫が猫砂をまき散らす4つ目の理由は、「猫砂で遊んでいる」からです。

とくに若い猫や好奇心旺盛な性格の猫に見られるのですが、猫砂そのものを遊び道具にしているパターン。

トイレに入った後、本来の目的を忘れて猫砂を掻き回したり、前足で砂を掬い上げて飛ばしたりして遊んでしまうのです。

ただこうした遊びは、特に運動不足や刺激不足の猫に多く見られがちなので、毎日の遊びの時間を確保することで、改善できる可能性があります。

猫が『トイレの砂を撒き散らす』対処法

下から見上げてくるハチワレ猫

ドーム型トイレや高さのあるトイレを使用する

砂の飛び散りを物理的に防ぐのに効果的な方法は、ドーム型のトイレやふちが高いタイプのトイレに変更することです。

屋根があることで、猫が勢いよく砂をかいても外に飛び出しにくくなります。出入り口が一か所だけのタイプなら、さらに砂の飛散を抑えられるでしょう。

ただし猫によっては閉鎖的な空間を嫌う子もいるため、愛猫の性格を考慮して選んでくださいね。

トイレの大きさも重要で、猫がトイレの中で方向転換できるほどのサイズがあると、砂かけもしやすくなります。

トイレマットを設置する

トイレの出入り口に専用のトイレマットを敷くのも、猫砂の散らかしには有効です。

猫のトイレのマットは、肉球に挟まった砂を落としやすくするもので、とくに表面に凹凸や溝があるマットを選ぶと、肉球の砂が落ちやすくなります。

マットは定期的に掃除機をかけたり、水洗いしたりして清潔を保ちましょう。サイズは、トイレの出入り口から1メートルほど離れた場所まで覆えるものが理想的です。

複数のトイレがある場合は、それぞれにマットを設置してください。

猫砂の種類を変更する

猫砂のまき散らしを防ぐ方法として、「猫砂の種類を見直す」というものがあります。

たとえば肉球に挟まりにくい大きめの粒の猫砂に変更すれば、撒き散らしを軽減できるでしょう。

また、砂の量も見直してください。浅すぎると十分に砂かけができず、深すぎると勢いよく掻いて散らかしやすくなります。

目安は「猫の足が砂に埋もれない程度」の深さなので、それを参考に量を調整してみましょう。

まとめ

猫砂をまき散らす子猫

猫がトイレの砂を撒き散らす理由は、今回紹介したようにさまざまです。

完全にこの行動を防ぐのは難しいですが、トイレの形状や砂の種類を工夫したり、マットを敷いたりすることで「まき散らし」を軽減できます。

そのため頭ごなしに叱るのではなく、環境を整える工夫を重ねながら、飼い主さんも猫も快適に過ごせる暮らしを目指しましょう。

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