猫が急に『甘えてこなくなった』ときの理由3つ

1.体調不良や病気による影響
猫が急に甘えてこなくなる理由の一つが、体調不良や病気です。
猫は本能的に弱みを見せない動物のため、体調が悪いときほど人から距離を置こうとする傾向があるという説があります。
痛みを伴う病気であれば、触られることを嫌がったり、普段よりも警戒心が強くなったりすることも。
たとえば関節炎などの慢性的な痛みを伴うもの、腎臓病や甲状腺機能亢進症などの内臓疾患、皮膚炎や外傷などの外部的な問題なども挙げられます。
病気の多くは初期段階では症状が分かりにくく、飼い主さんが気づいたときには既に進行していることも少なくありません。
そのため猫が甘えなくなったことだけでなく、他にも気になる症状がある場合は、体調不良を疑ってみましょう。
【接し方のコツ】
体調不良が疑われる場合の接し方としては、まず無理に触ろうとせず、猫の健康状態をチェックしてみます。
食欲や排泄の状態、普段の行動パターンに変化がないかを観察し、少しでも異常を感じたら早めに動物病院を受診してください。
また猫が落ち着きやすい静かな場所を用意し、ストレスを与えないよう配慮することも大切です。定期的な健康チェックを心がけ、猫の健康を守りましょう。
2.環境の変化によるストレス
猫が急に甘えなくなる2つ目の理由は、「環境変化によるストレス」です。
猫は「変化」を非常に嫌う動物で、些細な変化でもストレスを感じて行動が変わることが珍しくありません。
たとえば引越しや模様替え、新しい家具の導入、家族構成の変化(新しいペットや家族の増減)、来客の頻度の変化など、人間にとっては小さな変化でも、猫にとっては大きなストレス要因となります。
ほかにも多頭飼いの場合、新しい猫が加わったり、既存の猫との関係性に変化が生じること、また工事音や雷などの大きな音、見慣れない人の出入り、普段と異なる匂いなども、猫の警戒心を高める要因のひとつです。
【接し方のコツ】
環境ストレスが原因と考えられる場合は、まず原因となっている変化を特定し、可能な限り猫にとって安心できる環境を整えることです。
たとえば猫専用の隠れ場所を作る、フェロモン製品を活用する、普段使っていた馴染みのあるアイテムを置くなど。
また日常生活のなかでも急激な「変化」はなるべく避けて、段階的に新しい環境に慣らしていき、猫のストレスを軽減させましょう。
3.飼い主との関係性の問題

飼い主さんの生活パターンや接し方の変化も、猫が甘えなくなる原因の一つです。
たとえば仕事が忙しくなって猫と過ごす時間が減った、猫を迎えて間もないなど、猫と飼い主の関係性は、猫の「甘える」基準の大切な指標です。
これまで仲良くても急にスキンシップの機会を減らすのもNGですし、もちろん家族になりたての時期は甘えてくる猫は少ないもの。
また、過去に嫌な経験をした場合も影響します。たとえば薬を飲ませるために無理やり捕まえた、爪切りで痛い思いをさせた、大きな声で叱ったなどの出来事が、猫の飼い主に対する信頼に影響を与えることがあります。
猫は記憶力が良く、とくに嫌な記憶は長く残るので、飼い主の接し方ひとつで関係性にも影響が出やすいのです。
【接し方のコツ】
関係性の改善には時間と忍耐が必要です。まずは猫のペースを尊重し、無理に距離を縮めようとしないこと。
猫が近づいてきたときには優しく接し、好きなおやつを与えたり、猫が喜ぶ遊びをしたりして、ポジティブな経験を積み重ねましょう。
急激に距離を縮めようとすると逆効果であることもあり、徐々に距離を縮めることをおすすめします。まずは同じ空間にいられただけでも第一段階は合格です。徐々に仲良く遊べるように忍耐強く接しましょう。
スキンシップはできるだけ毎日するのが理想。猫が嫌うお手入れはなるべくスピーディーに、おやつなどを活用してお手入れが少しでも良い記憶として残るようにしましょう。
まとめ

猫が急に甘えなくなるのは、飼い主さんにとって心配なことですが、その原因は必ずしも「嫌われた」というわけではありません。
病気やストレス、飼い主との関係性など、さまざまな理由が考えられます。
決して焦らず、猫に無理をさせないようにし、甘えなくなった原因を考えてみましょう。そして思い当たることがあれば、それに応じた対応をとりながら猫の様子を見守ります。
猫との関係は一朝一夕に築かれるものではありませんが、愛情と理解があれば、きっと以前のような甘えん坊の愛猫に戻ってくれるはずです。